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  • “出来すぎ”な実話に全米が笑った!? メジャー4勝レジェンドが明かしたマスターズでの笑撃エピソードとは?
コラム

“出来すぎ”な実話に全米が笑った!? メジャー4勝レジェンドが明かしたマスターズでの笑撃エピソードとは?

2026.04.15 小関洋一
トリビア マスターズ 米国男子ツアー

メジャー4勝でマスターズにも勝っているレジェンド、レイモンド・フロイド。頑固者で知られたフロイドですが、独特なユーモアのセンスを持ち、今年のマスターズ関連番組で明かしたエピソードにも面白いと評判が集まりました。

パーマーのアドバイス通りのショットを放ったのに…、なんでだぁ?

 ローリー・マキロイの連覇で幕を閉じた今年のマスターズ。優勝争いだけでも見どころいっぱい、話題は豊富でしたが、実は舞台裏でも面白い話題がたくさん生まれています。歴代チャンピオンのひとりで、メジャー4勝のレジェンド、レイモンド・フロイド(83歳)がアメリカのゴルフ専門局「ゴルフチャンネル」の特別番組で明かした知られざる爆笑エピソードを紹介しましょう。

 それはフロイドがマスターズを制した1976年の1~2年前のことです。彼はマスターズ4勝、メジャー通算7勝のスーパースター、アーノルド・パーマーと一緒に練習ラウンドをする機会がありました。

 ティーショットが良ければ2オンを狙える2番パー5の手前で、彼はパーマーにこんな質問をしました。

「このホールはどう攻めるといいんですか? グリーンセンターに打ったら、ボールはバーンと跳ねてグリーン奥の丘の上まで突き抜けてしまうでしょう」

米マスターズ番組で明かされた笑撃エピソードとは? 写真:PIXTA
米マスターズ番組で明かされた笑撃エピソードとは? 写真:PIXTA

 これにパーマーはこう答えたそうです。

「トーナメント中なら、グリーンに届くクラブでセンターを狙って打てばいい。そうすれば、グリーン奥にいるギャラリー(パトロン)たちが跳ねてきたボールに当たって止めてくれる。それでボールは丘を転がって落ちてくるから、あとはパターでカップインさせるだけさ。簡単だろ!」

 グリーンで大きく跳ねても、後ろで見守るパトロンたちがボールを止めて、グリーンに戻してくれるというわけです。

「ところが、その年の第1ラウンドで」と、フロイドは続けます。

「僕は完璧なティーショットを打って、セカンドを2番アイアンで直接グリーンを狙ったんだ。それも完璧だった。ボールはグリーンセンターに落ちたあと、跳ねた先でギャラリーが止めてくれる……はずだった。だけど、彼らはさっと横に避けたんだ(笑)。ボールは丘の上に20ヤードも上っていったよ。あの時、アーノルドはいい友だちじゃなかった」

 当時のパーマーは、いつも「アーニーズ・アーミー」と呼ばれる大勢の熱狂的ファンに囲まれていました。ですから、パトロンも多くが彼の味方だったのです。

 でも、彼らはフロイドの味方ではなかったようです。

良く言えば「職人気質」、悪く言えば「頑固者」のフロイドならではのトラブル

 フロイドのマスターズ面白話がもう一つあります。

 これは、かつてはPGAツアーの中継TV局のレポーターや解説者として、現在はリブゴルフの専属アナリストとして活躍するデビッド・フェハティがメディアに語った逸話です。

 フロイドはもともと個性的なスイングの持ち主で、自分のゴルフに固執する、良く言えば「職人気質」、悪く言えば「頑固者」として知られていました。

 彼がPGAツアーで活躍をし始めた1970年代の始め。マスターズは選手の帯同キャディーを認めておらず、選手は現地のキャディーを採用する決まりになっていました(帯同キャディーが認められたのは1983年から)。

 オーガスタナショナルにやってきたフロイドは、キャディーマスターにこんな希望を伝えます。

「バッグの扱いがうまい、大柄な男がいい。ただし、口数は少ないこと。ラウンド中のアドバイスはいらない」

 やってきたキャディーがフロイドに「ハロー、ミスター……」とあいさつすると、フロイドは「ハロー」と返し、続けてこう言いました。

「よし、君から話を聞くのはこれが最後だ」。もう口をきかなくていいと命じたのです。 

 トーナメントに入ってから、しばらくは順調に進んだのですが、10番パー4でフロイドはフェアウェイ右の林の中に打ち込んでしまいました。それでもボールを見つけ、攻略ルートが決まると、彼は「いいか。低いフェードであの隙間を通して、グリーンセンターに落としてみせる。そうすれば、その先の段を越えてホールに寄っていくはずだ」と声に出します。

 驚いたことに、フロイドは言葉どおりのショットを見事に決めました。そして、キャディーの方を振り向くといかにも誇らしげに「どうだ?」と尋ねました。

 それに応えてキャディーが初めて口を開きました。「あれは、あなたのボールではありませんよ」。

 これほど傑作なエピソードは、マスターズでもう2度と生まれることはないでしょう。“感動”とは対極ですが、牧歌的な時代が過ぎ去ったことに、ちょっと寂しい気持ちがします。

文・小関洋一
出版社、編集プロダクションを経て83年からフリーランスライターに。テレビ誌・トレンド誌などで主にスポーツに関する記事を執筆。テレビ、ラジオのスポーツ番組の構成も手掛ける。その後はゴルフ誌やネットメディアで内外の最新情報やゴルフ場レポート、ルール解説を執筆。JGAやKGA競技のオフィシャルライターも務める。東京ゴルフ倶楽部や日本ゴルフ協会の年史制作に携わっており、ゴルフ史に関する執筆機会も多い。

【動画】これがレイ・フロイドがマスターズ制覇した年のスーパープレー 実際の映像です
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【写真】バレたら“永久追放”!? これがマスターズで“持ち込み厳禁”の品目です
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