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- ドコモのゴルフサブスクはなぜ失敗したのか? 撤退やむなしの“無理がありすぎる”カラクリ/木村和久『ゴルフ=レジャー宣言』
NTTドコモのゴルフサブスク「GOLFme!」が約2年で撤退へ。「回り放題」はなぜ失敗したのか?その使い勝手の悪さを検証しつつ、対照的に都市部で乱立するインドアゴルフスタジオの現状から、ゴルフ×サブスクビジネスのリアルを紐解きます。
同伴者料金や“死の組”枠… “夢の回り放題”に隠された使い勝手の悪さ
NTTドコモが約2年前に始めたゴルフラウンドのサブスクサービス「GOLFme!」が、6月一杯で新規の予約を停止。秋には完全撤退するそうです。
サービス開始の段階で、なぜドコモがゴルフのサブスク予約サービスを始めたのか謎でした。最初から慣れない商売をやっている感が漂ってました。
ドコモのゴルフサブスクサービスとは何だったのか、検証します。個人的には30数年ドコモを使っており、dポイント経済圏の生活をしています。だから、サービスが始まった時は気になっていました。

サービス内容は月額9980円(税別、3カ月プラン)から。提携ゴルフ場約50カ所が回り放題という触れ込みでした。1万円程を払えば、毎日無料で何度でもラウンドできるなんて夢のようと思うでしょ。それにはいろいろカラクリがあったのです。
まず最初のラウンドは1組予約できるとしても、次のラウンド予約は最初のラウンドが終った段階で、やっとできるというもの。だから1カ月の間に何回か利用したくても、まとめて予約するなんて芸当はできません。
しかもサブスク料金適用は自分だけで、1組の予約は取れるけど、他の同伴者はゴルフ場の通常料金を取られるので、その差が激しいのです。一応、サブスク会員からの招待で一律9000円(税抜き)で回れるビジター会員制度というのもありますが、正会員とは違い、ラウンドごとに料金を支払わなければいけません。
さらに予約できるコースは50程あるが、関東に集中して地域の偏りがある。しかも都心から離れた微妙なコースばかり。どれ、どんなコースがあるのか調べるや、なんと自分のホームコース扶桑CC(茨城県)があるじゃないですか。微妙なコースの中に、自分のホームコースが含まれていたのはショックでした。
こちらは一応会員権を買って、入会したメンバーです。それを勝手に回り放題にするなんて、面白くありません。どんなあんばいで予約ができるんだと、時間や組数を調べたら、10時45分スタートが各コース3つのみだと。
これはいわゆる午前の最終組です。夏場、この時間にスタートする人は少ないです。ワールドカップで言うところの「死の組」で、一番暑い時間帯のラウンドとなります。これならどうぞって感じですかね。
とまあ、最初は便利なサービスと思ったけど、よく調べると全然使えないわけで、さっさと撤退して良かったと思います。
そもそも携帯キャリアが、慣れないゴルフサービスをやるのが問題で、ゴルファーを舐めていたと思います。
ただ、ドコモ側の言い分としては、携帯キャリアとしてのシェアは食われっぱなしで、現在大手3社のシェアが拮抗している状態。しかも少子化で、これ以上加入者増は望めない。だからdカードを中心としたdトラベル、dカーシェア、保険、光回線、ショッピング、動画配信など、周辺のサービスで儲けようという目論見です。
そのレジャーやカルチャー提供の一環として、サブスクゴルフをやってみたというわけです。どこかのコンサルに乗せられて始めたのか? でも、それはそれで良い経験だと思うので、次のチャレンジの糧にしてください。
ちなみに大手携帯キャリアの新興勢力、楽天グループでは楽天GORAという素晴らしい予約サイトを運営しています。
ゴルフの予約サービスは最安値競争が激化し、マーケットは飽和状態。だからドコモがサブスクを狙ったようですが、なんかやっつけ感が漂うんですよね。
乱立するインドア練習場サブスクの行方はいかに?
じゃ、ドコモ以外でゴルフのサブスクサービスはあるのか? 調べましたが大手はやってないようです。ゴルフはみんなでやるものなので、一人だけサブスクサービスに入っても意味がないのです。
一人でゴルフを楽しむなら、一人予約サービスで十分だし、割安なプレー料金と言っても、遠隔地だと交通費がかかってしょうがない。結局、安物買いの銭失いになってしまうのがオチです。
一方、同じゴルフでもゴルフスタジオのサブスクはどうでしょうか。最近、都市部で流行っているゴルフスタジオですが、料金は1カ月1~2万円ぐらいで、1日1時間程の打ち放題を楽しめます。
コロナ禍以降に人気となりましたが最近は乱立気味で、果たして経営は成り立っているのか? という疑問が湧いてきます。それぐらいスタジオが増えているのです。
ゴルフスタジオのサブスクビジネスは、1打席当たりの会員数が30~50人程で回ると言われています。それ以下の人数だと経営難、それ以上だと予約が取りづらいと客がクレームを起こします。
利用者側から見れば、自分の行きたい時間帯に打席が空いていて、しかも料金が月1万円なら、月に4~5回利用すれば元が取れます。
夏にかけては屋外型練習場より、涼しいゴルフスタジオが好まれますかね。あとアプローチを多めにする方は、1球いくらより時間制のスタジオが良いのかも。
弾道解析機は屋外型のレンジでもあるので、ゴルフスタジオが優位とは限りません。
あとは自分の住んでる場所との兼ね合いになります。地価高騰で都市部の屋外型の練習場が激減し、マンションに建て替えられる事例が増えました。そこでサブスクゴルフスタジオの増加となるわけです。
個人的には自転車で10分かけて屋外練習場に通っています。歩いて5分のスタジオもありますが、なんか打った気がしないんですよね。60ヤードの練習場でも、ドライバーを打った時の爽快感はなかなかのものです。
つまり屋外型は練習プラスレジャー、ストレス発散になります。屋外型は練習とエクササイズかな。
現在、都市部の若い世代にゴルフスタジオが支持されています。つまり若者間でゴルフが一過性のブームなのか、今後定着するかによって、ゴルフスタジオのマーケットが左右されます。願わくば末永く続けてほしいですよね。(木村和久/コラムニスト)
木村 和久(きむら・かずひさ)
1959年生まれ、宮城県出身。株式投資から大衆文化まで、さまざまなジャンルで“現代”を切り取るコラムニスト。有名ゴルフ媒体へも長く寄稿してきており、スイング理論やゴルフ場設計にも造詣が深い。近年はマンガ原作者としても活躍。
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