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「リブの代わりに“アレ”してくれる」 全英での非公式会談をJGTO会長明かす アジア・米欧提携の先に見える日本ゴルフの未来
アジアンツアーと米欧ツアーの電撃提携が発表され、ゴルフ界の勢力図が激変。リブゴルフ後退の影で、JGTO(日本ゴルフツアー機構)はどう動くのか?全英での密談から見えてきた、日本ゴルフの生き残り戦略に迫る。
リブゴルフ後退と全英オープンで交わされた極秘会談
アジアンツアーと欧州のDPワールドツアー(以下DPW) 、米PGAツアーの提携が発表されました。新運営会社J-TOURの誕生で第3極のツアーへの拡大を目指すJGTO(日本ゴルフツアー機構)の動向にも注目が集まるところです。そこで全英オープンから帰国したばかりの諸星裕会長と、ツアー改革の実質的な責任者である倉本昌弘副会長を直撃すると、JGTOの置かれた世界での立ち位置と、進むべき未来が見えてきました。
これまでアジアンツアーは、サウジアラビア政府系ファンド「PIF」が支援してきた「リブゴルフ」の登竜門、また、リブゴルフ選手が世界ランキングのポイントを稼ぐ場としての一面も持っていました。しかし、リブゴルフは「PIF」による資金提供の見直し等により今後が不透明な状況となっており、今回の電撃提携によって、ゴルフ界の勢力図が再び米・欧ツアー陣営に統合・収束されていくとの見方が出てきています。

アジアンツアーのチョー・ミン・タントコミッショナー兼最高責任者は提携の発表に際して次のようにコメントしました。
「今こそ、DPワールドツアーやPGAツアーと協力し、メンバー、ファン、パートナーの皆さんのためにアジアンツアーをさらに充実させるべき時だと考えています。3つのツアーが一つのパートナーシップの下で連携することで、アジアのプロゴルフ界の発展をさらに加速させることでしょう。共同開催の大会でアジアンツアーのメンバーが定期的に世界の舞台で競い合えるだけでなく、アジアのゴルフの強さと多様性を示す我々の最高峰の大会に、他ツアーの選手たちを迎えられることを大変うれしく思っています」
2年連続で千葉県のカレドニアンGCで開催されていたアジアンツアーとリブゴルフ共催の「インターナショナルシリーズ・ジャパン(以下ISJ)」の行方が気になります。欧米との関係が難しいリブゴルフが関わっていることから、これまでJGTOは表立った協力は控えていましたが、それでも日本選手33人がエントリーしました。
リブゴルフの今後が不透明なことから悲観的な見方もある中、期待できる情報もあります。実はアジアと欧米提携発表の2日前、全英オープンを訪れていた諸星裕会長が、前出のチョーコミッショナー兼最高責任者と接触していました。
「第3極」構想とJ-TOUR発足で見える日本ゴルフの躍進
帰国したばかりの諸星会長が「発表前だったので正式な話ではないんだけれど」と前置きしたうえで、こう振り返ります。
「発表の2日くらい前にチョーコミッショナーから『2日後くらいにアナウンスメント(公式発表)があるから』と言われたんで『誰と一緒に?』と聞いたら『USPGA(ツアー)とヨーロッパのDPW』という答え。『そうか、リブの代わりに“アレ”してくれるんだな』って言ったら『公式にはまだ言えないんだけど、イエスだよ』と。IS(インターナショナルシリーズ)も引き受けてくれるみたいで、かなりの援助だと思うんです」
「僕としては、アメリカ、ヨーロッパに次ぐ第3極を日本とアジアとオーストラリアらで組んで作りたい。このエリアに日本からオーストラリアに1本の線を引いて、インドまで引っ張っていったエリアには世界の半分の人口が住んでいる。その中で日本は世界第2位のゴルフ産業の国であるわけですから。今回のことはすごく喜ばしいことだと思うんですよね」
「アジアが栄えるっていうのは当然のことながら、特にISが続くってことは、長期間ある程度高額な試合があるんで、日本の選手も生源寺(龍憲)、比嘉(一貴)、池村(寛世)など、みんな行っていますからね。日本も(来年のJ-TOUR発足に向けて準備を)やっている。(日本の)QT申し込みも(アジアから)10%くらい増えてきているとも聞いています。(J-TOURに)興味を持っています」
「オーストラリアツアーはヨーロッパツアーとパスウェイ(昇格ルート)を持っていますし、当然うち(JGTO)も3人かな、ありますからね。そこから権利を持ってアメリカに行っているわけですから。(日本の試合に)アジアの選手が増えることに対して難色を示す向き(日本の関係者)もあるかもしれないけど、そんな肝っ玉の小さいことを言っていてもしょうがない」
「アジアンツアーのチョー(コミッショナー)は『もうリブとのアレ(提携)がなくなったから、USPGAツアーから(JGTOが)受けていたある程度の束縛みたいなのを、心配しなくてよくなるね』と言っていました。特にUSPGAとDPWが(アジアに)資本を入れてあるということになると、本当にうちはやりやすくなるんですよね。いずれにしても世界のスポーツであるという意味で大変喜ばしいことだと僕は思ってます」
こう語ったうえで、次のように続けました。
「うちの選手である比嘉が去年、(アジアの)年間王者になりましたでしょ。それで僕、シンガポール行って最終表彰式も行きました。これから(アジアとの)関係はもっと近くなると思います。リブ(との提携)がなくなったためにね」
激動期に入った世界のゴルフ界だけに、まだまだ予断は許さない。アジアとJGTOのトップ会談での情報だけに、第3極の形での共催など、形を変えての存続ならば十分期待できそう。同じアライアンス(ツアー同士の連合)に入ったことで、今後はこれまで以上に積極的な交流が行われ、ISJの存続に向けた検討が行われることは間違いないでしょう。(小川朗/日本ゴルフジャーナリスト協会会長)
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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