素振りをしないとロングパットの距離感が合うって本当? 20勝目を挙げたR・マキロイに学ぼう

多くの男女ツアープロのコーチを務め、ゴルフ中継で解説も務めている石井忍が、国内外ツアーで気になった選手やシーンをピックアップ。独自の視点で分析する。今回注目したのは、PGAツアー「ザ・CJカップ」で同ツアー通算20勝目を達成したロリー・マキロイだ。

素振りをしない方が距離感が合う理由とは?

■ロリー・マキロイ/1989年生まれ、北アイルランド出身。2007年にプロ転向し、09年の欧州ツアーでプロ初勝利。10年には米ツアーでも初勝利を挙げた。11年の全米オープンでメジャー初制覇。12年は22歳10か月で世界ランキング1位に登り詰めた。同年は、欧米両ツアーでのダブル賞金王を獲得。15-16年、18-19年シーズンのフェデックスカップ年間王者に輝く。PGAツアー20勝(メジャー4勝)、その他9勝。

 R・マキロイ選手がPGAツアーのザ・CJカップでツアー通算20勝目を挙げました。私がマキロイ選手を初めて見たのは、2011年の全米オープン。2位に8打差をつけて、初めてメジャーを制覇した時です。私は久保谷健一選手のキャディとして現地にいたのですが、マキロイ選手のパッティング・ルーティンに驚いたのを今でも覚えています。

素振りをしないルーティンで通算20勝目を挙げたR・マキロイ 写真:Getty Images

 当時、彼は素振りをせずにパッティングをしていたのです。ボールの後ろでじっとカップを見つめた後、アドレス位置まで歩いてスタンスを取ったら、すぐにストロークをスタートさせる、という流れです。

 彼を見るたびに今でもそのことを思い出すのですが、先週のザ・CJカップでも、同様のスタイルでパッティングをしていました。実は当時、宮里藍選手も同じように素振りをせずにストロークをしていたんですよね。最近では、渋野日向子選手がショートパット時に素振りをしないままストロークを始めています。

 マキロイ選手、宮里選手、渋野選手に共通する素振りをしないパッティングですが、メリットは何でしょうか。それは、距離感がつかみやすくなることです。

 皆さんも、スタート前の練習グリーンで、「何も考えず、素振りもせずに10メートル以上先のカップを狙ったら、1球目で距離感がバッチリ合った」という経験はありませんか? まさにその感覚です。

体を動かす意識を少なくすることでスムーズにストロークできる

 しかし、練習を重ねていくと、「フェースをスクエアにしたままストロークしよう」とか「下半身と手首を固定しなければ……」などと考え始めますよね。

 すると、体やヘッドがスムーズに動かなくなるし、距離の感覚がどんどん鈍っていってしまい、タッチが合わなくなってくるのです。

「そうはいっても、ラウンド中に素振りをせずにストロークするのは怖い」という人は、こんなルーティンを取り入れてみたらどうでしょうか。

 ボールの後ろに立ち、カップを見ながら素振りをします。そして、距離をイメージできたら、アドレスに入って、すぐにストロークを開始。なるべく静止する時間を作らず、流れの中で始動するのがポイントです。

 また、ボールの後方に立って素振りをしている時に、「カップを狙ってストロークしている自分」を想像してみるのも効果があります。自分の姿をイメージしたら、想像した自分に近づき、重なり合って実際にストロークを始める感覚です。ルーティンやアドレスで体が固まる瞬間をなくすことができます。

 他には、素振りをしている時に「ポン」や「コツン」など、インパクトの音をイメージするのもオススメめです。「体をどうやって動かそうか」という意識が薄れ、スムーズに動きやすくなります。ロングパットの距離感が合わずに悩んでいる人は、ぜひ試してみてください。

■石井 忍(いしい・しのぶ)/1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。

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