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- 都心からまた一つ消える打ちっぱなし…「神宮外苑ゴルフ練習場」の閉鎖に瀬古利彦も王理恵も惜別の辞
数少ない東京都心の打ちっぱなし練習場としてゴルファーに愛された明治神宮外苑ゴルフ練習場が12月31日、その歴史に幕を下ろすことになりました。著名人のゴルファーたちからも、切なくも悲しい、惜別の辞が贈られています。
宗教施設を置く内苑と、それ以外の記念施設を置く外苑

明治神宮外苑のホームページによりますと、ここにゴルフ練習場がオープンしたのは1953(昭和28)年の2月3日。そもそも論になりますが、ここは1912(明治45)年に明治天皇が崩御した直後から動き出した明治神宮創設の有志委員会(渋沢栄一、阪谷芳郎東京市長ら)が、宗教施設を置く内苑と、それ以外の記念施設を置く外苑を東京に創設する案を作成して政府に陳情し閣議決定。大正天皇の裁可を受け具現化したものです。
内苑は国費により政府が代々木御料地、外苑は献費によって奉賛会が青山練兵場に造営しました。1920(大正9)年にご祭神の明治天皇と昭憲皇太后鎮座祭が行われ、この日を以て明治神宮が創建されたとあります。
全国の青年団延べ11万人がボランティアとして活動し、陸上競技場(のちの国立競技場)に神宮球場・相撲場なども造営され、1926(大正15)年10月に奉献され、全国青年団の募金により、日本青年館も建設されることになります。
同HPには「創建から終戦までは国の施設として管理された外苑は国の施設として管理され、その間には1931(昭和6)年には水泳場(神宮プール)が開場しました。戦後は宗教法人明治神宮の外苑として国の管理を離れ、独自の事業収入により諸施設の管理運営を行い現在に至っております」とあります。
有名ティーチングプロが寄せたパブコメも実らず

ゴルフ練習場もその施設の一つとして運営管理されてきたわけですが、70年も続き多くのゴルファーに愛されただけに、突然閉場を聞かされた関係者のショックも相当なものなのです。一体なにが起こったのでしょうか。
ゴルフ場のクラブハウスに、それを知る手掛かりがありました。掲示板に10月20日付で「明治神宮外苑ゴルフ練習場閉場のお知らせ」が貼られていたのです。
そこには閉場の理由として、こう記されていました。
「明治神宮一帯では、東京都の都市計画に則り国立競技場の建て替えをはじめとする整備が段階的に進み、同地区の将来を見据えた「まちづくり」が始まっており、当ゴルフ練習場を含む周辺一帯は今後の再整備が計画されているエリア内に位置しております。
つきましては、当該計画に伴うゴルフ練習場および第二球場の解体に先立ち、令和4年12月31日をもちまして、営業を終了させていただきます」
最後は「これまでのご愛顧に心より感謝申し上げますとともに、この度の閉場により、ご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます」というお詫びの言葉で締めくくられていました。
閉場のお知らせにもある「まちづくり」の計画から、従来あったゴルフ練習場が除外されたということのようです。そこでまず、多くの土地を所有している宗教法人明治神宮の担当者に話を伺いました。
すると「『明治神宮外苑地区まちづくり』というホームページがあるので、そこをご覧になってほしい」との答え。さっそく開いてみると、そこには事業主体となっている「三井不動産・宗教法人明治神宮・独立行政法人日本スポーツセンター・伊藤忠商事株式会社」の4法人が並んでいました。
この事業のこれまでの経緯が、HPにも書かれています。すでに2015年の4月から都と地区内の関係権利者の間でまちづくりを進めることを目的とした覚書が締結されています。2018年11月には「東京2020大会後の明治神宮外苑地区のまちづくり指針」が策定され、2018年にパブリック・コメントが公募されています。
これには、当時外苑ゴルフ練習場でスクールを開講していた米田博史プロ(関東ゴルフ練習場連盟理事)も応募しています。
「都市開発に関する意見書を1カ月以内に出してくださいという公示だったので、急いで出しました。平成30年9月20日頃に、東京都 都市整備局都市づくり政策部 土地利用計画課宛で『東京2020大会後の神宮外苑地区の まちづくり指針』に対する意見書を、パブリック・コメントとして、全日本ゴルフ練習場連盟の横山雅也会長と私の名前で、238名の署名を添えて提出しています。規模を縮小しても、最先端のゴルフ練習場ができると訴えたんですが、難しかったですね。ゴルフ練習場が存続できなくて、悔しい思いをしています」と、無念の思いを口にしていました。
かつて都心には、港区の芝ゴルフ場、文京区の後楽園ゴルフ練習場など、大規模の屋外型練習場が多数存在していました。しかし続々と閉場に追い込まれ、2022年10月20日現在のデータによると、都内にあるアウトドアの練習場は8施設が減って149(全日本ゴルフ練習場連盟調べ)。今後も広い土地が必要な屋外型の練習場は、再開発や相続税の問題から閉場に追い込まれる流れが止まらないであろうとみられています。
逆にインドアの練習場は59増えて535施設となっています。シミュレーターや弾道測定器の普及もあり、都心では特にインドアゴルフ練習場へのシフトが進んでいます。ただ、やはり屋外で思い切りボールが打てる、打ちっぱなし練習場の魅力は別物。神宮外苑ゴルフ練習場の閉場に、寂しさを感じているゴルファーたちが相当な数に上ることは確かです。
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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