- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ギア・グッズ
- パターの“ネック形状” その重要性を知らなすぎた… キャメロンを成功に導いた伝説のツアーレップが明かす“本当の選び方”
まさに花盛りのように、ヘッド形状はもちろんネック形状もさまざまなものが出ているパターだが、特にネックについては形状によってどんな働きをするのかよく分かっていない、よって自分に合ったものが選べているかも分からないという人が多いのではないだろうか。
ツアー現場でネックの違いはどう活用されているか
ツアー会場の練習グリーンでは、パターブランド各社が熾烈なプロモーション活動を展開している。プレーヤーが手に取って試しやすいように、たいていはいくつかのキャディーバッグの周りにDEMOパターの花が咲く。ブレード、マレット、トルクフリーとそのバリエーションも豊富である。

さて、今回のテーマはパターブランドのツアーサービスに聞いた「パターのネック選び」についてである。現在は同じヘッドでも複数のネックパターンがあるのが普通。筆者はずっと、ネックのパターンが変われば重心角(トゥフロー)が変わり、ストローク中のフェースの開閉度に違いが出てくる。それをプレーヤー毎のストロークパターン(円弧の大きさ)と合わせることでより自然に安定した一貫性あるパッティングが可能となる、と考えていた。
実際、PINGなどでは専用解析機でゴルファーのストロークパターンとして「アーク」「セミアーク」「ストレート」を割り出し、各パターにも「アーク」「セミアーク」「ストレート」とシャフトラベルを貼ってストロークパターンとパターの特性をマッチングさせやすくしている。読者の中にも、ネックの違いをそのように理解している人が多いのではないかと想像する。
では、実際のツアー現場ではこのネックの違いはどのように活用されているのだろうか? ナビゲーターは、タイトリスト スコッティ・キャメロンパターのPGAツアー担当であるポール・ビザンゴ氏。筆者はカリフォルニア州サンマルコスのスコッティ・キャメロンスタジオを訪問し、直接話を聞いた。
パターで最も大切なのはアドレス。ネックによって構えが変わる
ビザンゴ氏はスコッティ・キャメロンパターを草創期から支え、その洞察力と高い見識によって数々のスタープレーヤーのパッティングを成功へと導いてきた人物。今主流のネックバリエーションも彼とプレーヤーとの対話の中から必要とされ拡充されていった面が強い。では、そのパターレップ界の重鎮は、ネックパターンの選び方についてどう答えるのだろうか?

「ストロークのアーク(円弧)とパターのフェース開閉のタイミングを合わせる? そうした考え方ももちろんあると思います。でも、それは一番の目的ではないというのが私の見解です。ネックのパターンが変わって最も大きく変化するのは『アドレスの姿勢(構え)』です。同じヘッドでもネックが変わればシャフトとフェースの位置関係(オフセット)が変わりますし、ネックによって同じライ角でもグリップの高さが変わってきます」
「つまり、ネック一つで、ボールをセットする位置や体からボールまでの距離、あるいはグリップと体との距離が変わってしまうのです。プレーヤーがセットしたいと思う場所にボールがあり、構えたいと思う位置にグリップがあることが、最もしっくり来るアドレスの状態です。その自然な構えを作るためにネックのパターンを活用することが大事なのです」(ビザンゴ氏)

例えば自分の構えたい場所にボールとグリップがない場合、プレーヤーはアドレス時にモジモジしながら微妙に構えを変えていく、しかも無意識、無自覚に。新しいパターを購入した時も最初は「どう構えていいかわからない!」と嘆きつつ、何度かボールを転がしているうちに「そうか、こう構えればいいのか……分かった!」と収まりのよいポジションを見つけ安堵する。
それが一般的なパターンであり、いま大流行中のトルクフリー(ゼロトルク)系パターなどはこの典型ではないだろうか。しかし、ビザンゴ氏は「それはパターに合わせて構えているに過ぎず、決してプレーヤー自身がしっくり来ている状態ではない」という。

「複数のネックパターンがあるモデルで、先入観なく構えてみれば私の言っている意味が理解していただけると思います。例えば、センターシャフトがピタッとはまるプレーヤーにとっては、ジェットネック(ショートスラント)はややハンドダウンに感じボールも少し遠く感じるでしょう。それはネックの形状と位置によって起きている変化です」
「しかし、それを理解していない場合、プレーヤーは違和感を修正しようと頑張ってしまう。決して同じようには構えられないのに、いつものように構えようとしたり、ライ角を調整してみたり。あるいは違和感を感じつつ何とかそれに慣れよう、対応しようと努力してしまい、最悪のケースでは自分のスタイルを見失ってしまうのです」(ビザンゴ氏)
パターのネック一つで「構えが大きく変わる」と知っていたならば、われわれのパター選びも大きく変わるのではないだろうか? これについてスコッティ・キャメロンパターの国内ツアー担当、澤岩男氏が次のように解説する。
「私たちはよくツアープレーヤーにパターの『2本持ち』を勧めます。エースパターがブレードタイプならマレット、ヘッドタイプを変えたくなければ違うネックのものを。似たものよりは大きく性格の違う2本を持ちながらツアーを転戦してもらうのです。その狙いですが、例えばニューポート(クランクネックやショートスラントのブレード型)がエースモデルのプレーヤーの場合、そのパターを使い続けているうちにハンドダウンを強め前傾が深くなってしまう傾向があります。微妙な変化なのでプレーヤー自身も気づかず試合を重ね、いつの間にかパッティングが不調になってしまうのですが……」
「でも、もう一本、センターシャフトモデルを持っていれば、それを毎日の練習の中で打っていることで体を起こして構える本来のスタイルに自然と修正することができるのです。構えが良くなれば結果は付いてきます。そのままセンターシャフトで試合に出る場合もありますが、構えが修正されたことでエースパターでも再び入るようになる。つまり、このパターを使い続ければこうなりやすいというのが分かっていれば、それを矯正するパターをあえて打つことで、好不調の波を抑えることができるのです」(澤氏)
そういえば、タイガー・ウッズは絶頂期に、練習グリーンではいわゆるT字型のブルズアイを打っていることがあった。松山英樹も時折パターを変えるが、それはセンターシャフトモデルが多い気がする……。不調だからパターを変えたのではなく、好調をキープするためにあえて違うパターを使っているのだとしたら…、パターのネックに対する興味もまるで変わってくるのではないだろうか。
人がパターに合わせるのではない、人の好みに合わせて作られるから世の中にはこんなにたくさんのモデルが存在し、たくさんのネックバリエーションがある。大事なのはあなた自身の感覚で「しっくり来る」パターを選ぶことである。
最新の記事
pick up
ranking











