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UST Mamiya「ATTAS RX ULTRA BLACK」を試打 元調子でも球が上がる理由を検証
UST Mamiyaの「ATTAS RX ULTRA BLACK」は、「ウルトラやさしい、新感覚元調子」を掲げて登場したシャフトです。実際に試打すると、元調子ながら高い打ち出し角と低スピンを両立する独特の特性を確認。実測データと打感を基に、その特徴を詳しく解説します。
「新感覚元調子」とは何なのか
今回はUST Mamiya(以下、マミヤ)から発売されている「ATTAS RX ULTRA BLACK」(以下、ウルトラブラック)を紹介します。このシャフトは「ウルトラやさしい、新感覚元調子」というキャッチコピーを掲げています。一見するとどのような性能を意味しているのか分かりにくいフレーズですが、実際に試打すると、その狙いが見えてきました。今回は実測データと試打インプレッションを基に、この「新感覚元調子」の正体を解説します。(文・クラブフィッター・石井建嗣)

まずは5S(50グラム台・Sフレックス)の振動数と、3球の弾道・計測データを見ていきます。測定条件は45.5インチ、ヘッドはピン「G440 MAX」、総重量202グラム(スリーブ込み)のドライバーです。

測定した振動数は250CPMでした。これまで筆者が紹介してきたシャフトの中でも、かなり低い部類に入ります。
ATTASシリーズは以前から他社より半フレックスほど振動数を抑えた設計を採用しています。近年は各メーカーとも5Sの振動数を高める傾向がありますが、その流れとは異なる設計思想を採用している点はマミヤらしい特徴といえるでしょう。
その一方で、12代目「ATTAS DAAAS」からは50グラム台にSXフレックスが追加されました。一般的な他社製5Sに近い硬さを求めるのであれば、ATTASでは5SXが一つの目安になります。
ここで振動数について少し触れておきます。振動数はシャフト全体の硬さを示す指標と思われがちですが、実際には手元側の硬さが強く反映されます。測定時はグリップ側を固定するため、手元が軟らかいシャフトほど振動数は低くなる傾向があります。
その点を踏まえると、カタログ上では元調子(ハイ)に分類されるウルトラブラックが250CPMという数値なのも納得できます。ベンチマークとなる「The ATTAS V2」が255CPMだったことを考えると、ウルトラブラックは手元側をより積極的に動かす設計になっていることがうかがえます。
高弾道と低スピンを両立した独特の特性

実際に振ってみると、とにかく手元側がよくしなります。振動数を見ていたのである程度は予想していましたが、それ以上にしなりを感じました。
試打した3球はいずれもセンターより右へ着弾しました。また、計測データには表れていませんが、ヘッドスピードは普段より1~2m/s低下しています。これはシャフトの戻りを待つようなスイングになり、無意識に振り切るスピードを抑えた結果だと考えています。そのためボール初速も、これまで試打したシャフトの中では最も低い数値になりました。
しかし、飛距離は大きく落ちませんでした。その理由は、適正な打ち出し角と低スピン性能です。
筆者の場合、適正な打ち出し角は14~15度、スピン量は2100~2300rpmあたりですが、ウルトラブラックはその数値を自然に再現してくれました。特にスピン量は普段3000rpm近くになることもありますが、このシャフトでは1800rpm前後まで抑えられ、低スピン性能の高さを実感しました。
一般的な元調子シャフトはスピンが減る一方で、打ち出し角も低くなる傾向があります。しかし、ウルトラブラックは打ち出し角を維持したままスピン量だけを抑えられるという独特の特性を持っています。
筆者としては、この特性こそがメーカーのいう「新感覚元調子」を表しているのではないかと感じました。個人的には5SXで試打すれば、さらに性能を引き出せた印象です。
「元調子は難しい」というイメージを覆す一本

筆者は過去に8代目「ATTAS PUNCH」を長く使用していました。メーカーでは中調子とされていましたが、実際には手元側がよく動く設計でした。
その後継的な位置付けともいわれる「ATTAS DAAAS」では、シリーズで初めて中元調子という表記が採用されました。
ここで少し業界の話になりますが、シャフトの「調子」はメーカーごとに表記基準が異なります。当時は「元調子=難しい」というイメージが強く、「元」という言葉を前面に出しづらい時代がありました。
その意味では、ウルトラブラックが堂々と元調子を打ち出していること自体が、時代の変化を象徴しているようにも感じます。
そして実際に打ってみると、その狙いどおり、多くのゴルファーが扱いやすい元調子に仕上がっていました。左へのミスを抑えながら、元調子にありがちな振り遅れを感じにくく、さらにボールも十分に上がります。
これまで元調子に興味はあったものの、「球が上がらない」「難しそう」という理由で敬遠していたゴルファーには、一度試してほしいシャフトです。
なお、他社製品よりやや軟らかめの設計となっているため、試打する際は現在使用しているフレックスだけでなく、一つ硬いフレックスも比較しながら打ち比べることをおすすめします。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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