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- 「3ピース」とか「4ピース」って何のこと? ゴルフボールは“多層”になるほど高性能なのか
ゴルフにおいて「ボール」は非常に重要なギアです。ドライバーでは強い飛びが求められ、アプローチになるとスピンで止まる性能が必要となります。そんな相反する性能を1つのボールで実現するために採用されているのが「多層」構造です。ゴルフボールはなぜ層を増やすほど、性能が上がるのでしょうか?
層が多いほど、さまざまなクラブで弾道が最適化される
ゴルフは1つのボールをさまざまなクラブで打って、いかに少ない打数で上がるかを競うスポーツです。それだけに、ボールの性能はパフォーマンスやスコアに直結する重要なもので、プロや上級者になるほど、こだわりを持って選んでいます。
ボールに求められる性能は非常に多岐に渡ります。しかも、ドライバーでは飛ばすために低スピン、ウェッジでは止めるために高スピンといった具合に、1つのボールで相反する性能を持たせる必要すら出てきます。そういった番手別の性能を出すために主流となっているのが「多層」構造です。
ゴルフというスポーツが始まった頃のボールは、羽毛を皮で包んだものだったと言われています。そこからガッタボールと呼ばれる樹脂を使ったものが作られるようになり、1900年代の初頭にはゴムの芯に糸を巻いたいわゆる糸巻きバラタボールが登場します。バラタとは表面のカバーに採用された天然のゴム材のことで、非常にソフトな素材であったことから、プロや上級者に愛用されました。
しばらくこの糸巻きバラタボールがゴルフ界で主流となりましたが、2000年代にウレタン素材のカバーに多層構造を採用したボールが開発されました。代表的モデルがタイトリストの「プロV1」シリーズで、多くのプロゴルファーが瞬く間に多層構造のボールに移行していったのです。その理由は明白で、それまでのボールが「ディスタンス系」「スピン系」といった具合に、偏った性能だったのに対し、多層構造のボールはあらゆる性能を高めた超高性能なものだったからです。
ではなぜ、多層構造だと性能を高めることができるのでしょう。
まず、前提としてボールはインパクトの瞬間につぶれます。そして、そのつぶれ方はヘッドスピードによって変化しますから、ドライバーが最も大きくつぶれて、パターやウェッジではつぶれ方が小さくなります。つまり、ドライバーで打つ場合は、ボールの芯に近い深い部分の硬さや反発力が性能に影響しますが、パターやウェッジではごく表面に近い部分の影響が大きくなるわけです。
スピン量に注目すると、ボールがつぶれるほど少なくなると言われます。そう考えると、ボールの芯に近いコアの部分を柔らかくすれば、ドライバーで打った時のつぶれ方が大きくなるので、低スピンな強い球が打ちやすくなります。一方、表面に近い部分を硬くすれば、ウェッジを使ったアプローチではスピンを増やすことができます。このように、多層構造で、層ごとの硬さを調整することで、クラブ別に最適な性能を持たせることができるのです。
5層構造もあれば、1つの層で剛性差を作ったボールもある
ここまで解説してきたように、ゴルフのボールは多層構造を採用することで大幅な進化を遂げました。ドライバー、FW、アイアン、ウェッジ、パターと、あらゆるクラブで最適な性能を出せるようになったのです。
現在発売されているボールは、ほぼすべて多層構造のものになっていますが、各メーカーは素材などを工夫して、独自の色を出しています。
例えば、テーラーメイドの「TP5」シリーズはその名前にあるように5層構造を採用したボールで、層を増やすことでより細かな番手ごとの弾道調整が可能となっています。ローリー・マキロイ選手やダスティン・ジョンソン選手など、世界のトッププレーヤーが愛用することからもその性能の高さはうかがい知れます。
一方で、3層構造ながら独自の「ハイドロLSコア」という同じ層の中で硬さを変えたボールもあります。ブリヂストンゴルフの「TOUR B」シリーズがそれで、海外ではタイガー・ウッズ選手や国内でも昨シーズンの賞金女王に輝いた稲見萌寧選手が使用しており、プロから高い人気を誇っています。
最近では、多層構造だけでなく、ボール表面のディンプルと呼ばれる窪みの形や配置を工夫することで、飛行している時の空力性能を最適化させて飛距離を伸ばしたモデルなども登場しています。このように、多層構造で進化を遂げたボールは、20年以上経った現在も、日々改良が加えられ、性能が高められています。
ボールは消耗品で、高価なモデルを使うことに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、性能面での優位性は間違いなくありますので、スコアアップしたいゴルファーにはぜひ試してほしいです。
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