修復マナーを実行できないゴルファー事情もある
昔からラウンド時の当たり前のマナーとして、グリーンにボールが着弾した跡「ピッチマーク」の修復があります。
にも関わらず、予約サイトなどに掲載されているゴルフ場のレビューでは、「ピッチマークの修復ができていなくて残念」といった、低い評価のコメントが多くみられます。

自分がゴルフ場に行った時には嫌だと感じるのに、なぜピッチマークは減らないのでしょうか。それとも、ゴルフ場サイドのメンテナンスの不備と考えるべきなのでしょうか。
まず修復のやり方ですが、ほぼすべてのゴルフ場に張り出されています。もちろん多くのゴルファーは知っていますし、正しい修復が必要なことも知っているはずです。
しかし人気で混雑しているゴルフ場の多くは、「プレーファスト」のプレッシャーがすごくあるのも事実。仮に前の組がすぐ前にいても、パター後に「ピッチマーク修復」を行なっているゴルファーのことを、後ろの組が「遅い」と感じている可能性もあります。そんなときは、速やかにその場を離れることを優先せざるを得ない事情もあります。
ではゴルフ場が悪いのか、というと近年は異常気象の影響でグリーンのメンテナンスが難しいばかりでなく、ラフやフェアウェイの維持に相当なエネルギーを注がれることになっています。
刈っても刈っても伸びてくるラフを放置すれば、「ボールが見つからないゴルフ場」、「フェアウェイを刈ってない」のレッテルを貼られるリスクもあり、ピッチマークの修復まで「手が回らない」のが実情です。
目標は1ホール2個で修復は「ヘタでもOK」
「正しい修復」のプレッシャーに負けないために、全員がパッティングを終える前に「目標は1ホール2個」でピッチマークの修復にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
もちろん、前の組が先に行っていたり、既に全員がホールアウトした後なら「ピッチマーク修復」を行うと、逆に後ろの組に誤解される危険性もあリます。後ろの組がまだ来ていないなら、「自分なりにキレイになった」と思うようにやってみてください。

ゴルフ場に張り出されている「正しい修復の仕方」は理想ですが、ゴルフ場メンテナンスの立場で見た場合「ヘタであってもそのまま放置よりうれしい」のが本音。
芝は水と空気が大好きな植物。ボールが着弾して窮屈になった芝の根に、フォークでもティーでもいいので隙間を作ってあげるだけで成長しやすくなります。
「根がちぎれたらどうしよう」という心配も、何もしないことに比べたら「修復効果」として十分にあるそうです。グリーン上に穴を空ける「エアレーション」も、基本的には芝の根を間引きして土を柔らかく隙間を作る作業です。もし根がちぎれても、水と空気があれば生きている芝が覆うように成長してくれます。