「安全…なんですよね…?」 車検がないゴルフカートは日々どのようなメンテナンスされているのか?

通常のクルマは2〜3年ごとの車検が義務付けられていますがゴルフカートには車検はありません。では日々どのようなメンテナンスがされているのでしょうか?

ゴルフカートは車検の必要がない

 通常のクルマは2〜3年ごとの車検が義務付けられていますがゴルフカートには車検はありません。では日々どのようなメンテナンスがされているのでしょうか?ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)に聞きました。

ゴルフカート 写真:PIXTA
ゴルフカート 写真:PIXTA

「ゴルフ場の中には『カートパス』と呼ばれる道路が張り巡らされていますが、全て私有地内を通っています。公道を走る普通のクルマは車検が義務付けられていますが、ゴルフカートの走行は私有地内で完結しているので車検は必要ありません」

「しかし、ゴルフ場の『備品』として長い期間使用していると部品が摩耗して故障や事故につながる恐れがあるので、定期的な整備・メンテナンスは欠かさずに行っています」

「特に、タイヤやバッテリーは毎日使用していると劣化が激しくなりやすいので、重点的に点検や交換をしています。さらに、座面部分のメッシュ状になっているマットについても、同様に消耗するため快適に過ごしてもらえるように適宜取り替えています」

「また、カートは一般のクルマのようなフロントガラスではなく、アクリルを使用しており、傷が重なると曇りガラスのようになって前方の視認性が低下してしまいます。そうすると、運転する際に非常に危ないのでひどく劣化しているものは交換をします」

 ゴルフ場には、カート専用の整備士がいることは少ないものの、芝刈り機や肥料を散布する機械を整備している、メカニック担当のスタッフが総合的に整備の陣頭指揮をとっていることが多いそうです。

 また、キャディーマスター室のスタッフも「ゴミが残っていないか」や「燃料が不足していないか」といった簡易的な点検を、営業の前後に実施しています。

ゴルフカートを運用していくのは簡単なことではない

 ちなみに、カートにはガソリン車とバッテリー車の2種類がありますが、前者はガソリン満タンで2〜3ラウンド(およそ15km前後)、後者はで充電満タンで1.5ラウンド(およそ10km前後)ほど連続して走行でき、ガソリン車を導入しているゴルフ場には街中で見かけるガソリンスタンドをそのまま小さくしたような給油施設が建てられています。

 一方で、飯島氏は「長期的にたくさんのゴルフカートを運用していくのは、決して簡単なことではない」と話します。

「多くのゴルフ場ではカートを50~60台くらい保有していますが、備品としては高額なものですので、一度に全てを新しいのに取り換えるのは難しく、例えば、3年おきに5台ずつ替えるといった具合に計画的に新車を購入しています。さらに深刻な問題として、ゴルフ場は昨今経営難に苦しんでいるコースも多いですが、対してカートへの設備投資は増加傾向にあります」

「以前は、1台当たりの新車価格はガソリン車で数十万円、バッテリー車でも100万前後でしたが、最新モデルとなるとグレード次第では200万円近くかかる場合もあります。しかも、電磁誘導式を導入する際にはカート本体だけでなく道路側にも誘導線を埋め込むといった改良が必要になって、より費用は高額化してしまいます」

 電磁誘導に対応した道路を作るには、誘導線を地中に埋めるだけでなく停止すべきポイントでカートを停めるための「マグネットセンサー」を設置するなど、車両を安全にコントロールするさまざまな設備を導入しなければならず、100メートル当たりの工事費用はおよそ150万円かかるとされます。

 また、カートの耐用年数は長ければ10年程度とも言われていますが、ゴルフ場によってはところどころ部品を交換しながら、何とかやりくりしているところもあるようです。

 普段、プレーをしている最中にカートの整備を行っている様子はあまり見かけませんが、裏では安全で快適なカートをゴルファーに提供できるよう、細やかな点検がなされています。我々ゴルファーも、安全運転を心がけたり車内を常に清潔な状態にして乗ったりするようにしたいものです。

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画像ギャラリー

キャディー付きの場合のゴルフカートの席順
セルフプレーの場合のゴルフカートの席順
行き帰りのクルマの席順(タクシーの場合、上司が運転する場合)
行き帰りのクルマの席順(社内のみの場合、お客様を乗せる場合)
ゴルフカート 写真:PIXTA
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