- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ゴルフの豆知識
- 中には旧皇族や超有名政治家も!? ゴルフ場の理事長はどうやって選ばれ、何をしている?
ゴルフ場のメンバーの中で最も権限を持っているのが「理事長」ですが、どのようなことをしているか知らない人も多いはずです。理事長とはどのような役職なのでしょうか。
普段は仲間と一緒にラウンドを楽しんでいる
日本の多くのゴルフ場ではメンバーシップ制を採用しており、そのゴルフ場の会員権を保有するメンバーが中心となってクラブが作られています。
そして、数多くいるメンバーの中で最も権限が強いとされているのが「理事長」と呼ばれる人なのですが、具体的に何をしているのか知らない人も少なくないかもしれません。
では、ゴルフ場の理事長とはどのような役職なのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)に聞きました。

「メンバーシップ制のゴルフ場では、クラブ内で過ごすためにメンバー間で守るべきルールを定める『会則』というものが存在しますが、その中でメンバーによって構成された『競技委員会』や『ハンディキャップ委員会』、『フェローシップ委員会』といったさまざまな委員会を設けることが定められています」
「そして、それぞれの委員会から推薦を受けたりゴルフ場の本部から声をかけられたりした代表者が集まって『理事会』を組成し、会則の新規制定や改定を実施します。さらに、その中からより全体をまとめるリーダーシップ力の強い人が理事長に選ばれて就任します」
「もし理事会での決議で意見が半々に分かれた場合は、理事長に最終決定権が委ねられますが、どんな立場の人が理事長であったとしても月給などお金が発生するようなことはなく、無報酬であるのが大前提となっているのであくまでも名誉職にすぎません」
理事会が決議を行う頻度は『3カ月に1回』や『半年に1回』のような感じでゴルフ場によってさまざまですが、臨時で大きな決め事をしなければならない状況となった際には『特別理事会』などと題して、定期的に開催される会議とは別で集まることもあるようです。
理事長は理事会から多数決で選ばれる
では、ゴルフ場の理事長にはどのような人が選ばれるのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「ゴルフ場や、その中にあるコミュニティの維持に関わる大切な役職であるため、ゴルフの世界において“ずぶの素人”が就任するケースはほとんどありません。やはりゴルフのルールやマナーの知識が豊富にあることはもちろん、常識的な判断を下せる人物が理事長をはじめとした重役を担います。また、理事長は理事会から多数決で選ばれますが、理事長の補佐を務める『副理事長』は理事長が指名する場合が基本的です」
「理事長は、ゴルフ場を運営する会社の社長が兼任するところもあれば、運営側と現場側で分けて直接的にクラブの自治に関わるメンバーから選出されて務めるところもあります。特に、後者においては理事長である前に『そのゴルフ場のメンバーの1人』であることから、決議が行われない時はほかの人と同じようにラウンドを楽しんでいる『いちゴルファー』です」
ちなみに、飯島氏は「会社側が経営とクラブ本体の運営の両方の権限を握ると、多少なりとも独裁的になってしまう可能性があるので、本社側と現場側との間に干渉地帯があった方がクリーンなのではないか」とも話します。
ほかにも、理事長の任期は定めているところと定めていないところの両方が存在しますが、理事会やひいてはゴルフ場全体の風通しを良くするためにも「1度の任期は2年まで」や「再選は3回まで」といった風に、定期的に理事長が入れ替わるよう心がけているゴルフ場が増えてきているそうです。
さらに、名門コースともなると理事長にも大きな力を持っている人が務める場合もあり「関東七倶楽部」の1つとして知られる東京ゴルフクラブでは、旧皇族でJGA会長への就任経験もある竹田恒正氏が元理事長、福岡県の麻生飯塚ゴルフ倶楽部では地元の名士でもある麻生太郎元内閣総理大臣が現理事長となっています。
それ以外のゴルフ場でも、有名企業の社長や地方銀行の頭取などが理事長になることが多いそうですが、普段は周りの一般会員と一緒に楽しくゴルフをプレーしているので、要職を任されながらプライベートを満喫しているという点は興味深いかもしれません。
最新の記事
pick up
ranking