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- ボールの前にパターヘッドを置くってどういうこと!? “謎”のルーティンにはどんな意味や効果がある?
「ボールの後ろに置いたパターヘッドを持ち上げて、一度ボールの前に置き、再びボールの後ろに置き直してからストロークに入る」というルーティンには、どういった意味や効果があるのでしょうか。
かつては青木功や飯島茜も取り入れていた
「決まっている手順」や「日課」を意味するルーティンという言葉は、日米の野球殿堂入りという快挙を達成したイチローさんをきっかけに、広く一般にも知られるようになりました。ゴルフにおいてもルーティンの重要性は古くから語られ、プロゴルファーはもちろん、アマチュアの多くも取り入れています。
ルーティンは、ショット時だけでなくパッティング時にも有用ですが、なかにはユニークなルーティンを取り入れている人もいます。そのひとつに、「ボールの後ろに置いたパターヘッドを持ち上げて、一度ボールの前に置き、再びボールの後ろに置き直してからストロークに入る」というものがあります。
最近では見かける機会は稀ながら、かつてはゴルフ界のレジェンドである青木功や、日本女子ツアー7勝の飯島茜らが、このルーティンを取り入れていました。
では、この“謎”のルーティンには、どういった意味や効果があるのでしょうか。レッスンプロの小松拓夢氏に話を聞いてみました。

「ルーティンは人それぞれですが、共通しているメリットは、同じ動作をすることによって、いつでも同じリズムで打てることにあります。
今回の“一度ボールの前にヘッドを置く”という動作もそのひとつです。これによってパッティングそのものが良くなることはないと思いますが、同じリズムで同じ動作をすることによって、迷いなく、スムーズにストロークへ移行できると考えます」
筆者が“謎”のルーティンを取り入れてみたところ、「パターヘッドをフォローまで真っすぐに出すイメージが湧きやすい」「テークバックの始動がスムーズになる」といったメリットを感じました。
その一方、再びボールの後ろに置き直した時に、間髪入れずにストロークに入ることがポイントで、どこかで動きを止めてしまっては効果が半減すると思われます。もちろん、下半身は動かないようにどっしりとキープです。
実は、筆者が勝手に師匠と崇めているハンデ3の方がこのルーティンを取り入れているのですが、その狙いを尋ねてみると「もう体に染みついちゃっているから、勝手に動くし、これしかできない」という回答が返ってきました。意識しなくても体が勝手に動くということは、完全にオートマティック化されている証でもあり、これがルーティンの理想形なのではと感じました。
自分が心地よく感じるルーティンを確立しよう
では、かつてはプロゴルファーも取り入れていた“謎”のルーティンが、今ではほとんど見られない絶滅種となっている理由はどこにあるのでしょうか。
もっとも大きな理由は、パターヘッドの大型化にあるでしょう。筆者はピン型を愛用しているので影響は少ないですが、マレット型やネオマレット型でこのルーティンを取り入れようとすると、そもそもボールの前にヘッドを置きづらいし、ヘッドがボールに触れてしまうリスクもあります。
また、「ボールの前にヘッドを置いてパットのラインに触れることが、ペナルティの対象になるのでは?」という疑問も浮かびますが、結論からいえば無罰。ただし、ライの改善が疑われるほどヘッドをラインに強く押し付けると、ペナルティの対象になる可能性があります。
ちなみにレッスンプロである小松氏のルーティンは、「パットの前にヘッドのソールを左手で1回撫でる」ことで、「毎回同じタイミングで、毎回1回だけ、毎回左手で撫でる」そうです。
小松氏はまた、「私のルーティンにはこれといった意味はなく、やったからといって、パターが必ず入るわけでもありません。ただ、これをすることで、いつでもスムーズにストロークに入れます。ルーティンの目的は、自分なりにスムーズにストロークに移行できる“きっかけを作る”ことです。それは、自分独自で決めていいのです」とも話します。
自分が心地よく感じるルーティンを確立しつつ、それをことさらに意識せずにできれば、カップイン率の向上につながるのかもしれません。
文/のぐち まさひろ
ゴルフとサウナと愛犬をこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、オフィシャルハンデは「7.7」。
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