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- うまい人が使う誉め言葉「振れてる」ってどういう意味? 単にヘッドスピードが速いのとは違うの!?
自分が目標としているような上級者から褒められると大変うれしいものですが、うまい人が使う独特の表現に「振れている」というものがあります。何となくヘッドスピードが出ているのかなという程度の理解になってしまいますが、本当はどういう意味なのでしょうか。
女子プロのようにトップからフィニッシュまで体が動くスイング
ラウンド中、上級者の人から「ナイスショット! 振れてますね~」と声をかけられた経験はありませんか? 褒め言葉としてうれしく受け取る一方で、あまり深く考えず「ありがとうございます」と答えるだけで流してしまいがちですが、「振れてる」とは、本当はどういう意味なのでしょうか。何を褒めてくれているのでしょうか。
ゴルフがうまい人たちの言う“振れている”の意味を説明してくれたのは、ビギナーから上級者まで幅広いアマチュアゴルファーを指導し、ツアープロコーチとしての経験ももつティーチングプロの永井延宏さんです。
“振れている”と似ている表現に“ヘッドが走っている”があります。2つの意味は同じなのか違うのか、違うとすればどう違うのか。比較しながら分かりやすく教えてもらいました。
「ヘッドが走っているのと振れているのとは、違います。むしろ2つのスイングは、相反するものといえます。まず、ヘッドが走るというのは、インパクトでボールを叩いていく打ち方です。体を止めてクラブを振ることによって強いインパクトになり、またヘッドを走らせることができます」
「それに対して、“振れている”というのは、トップからフィニッシュまで体が動いているスイングをいいます。イメージしやすいのは女子プロゴルファーのスイングです。トーナメント中継などを見ていると、ほとんどの選手はインパクトで体が止まらずフィニッシュまで動き続けて、クラブが体に巻きついていくように振っていますよね。振れているというのはそういうスイングです。体とクラブとの連動性が高いことを意味します」

ヘッドが走っているというのも、振れているというのも、ヘッドスピードが速いスイングへの褒め言葉のように思っていましたが、プロの観点で見ると、そもそも両者は全く違うタイプのスイングといえるようです。
「インパクトで体を止めてボールを叩くのは、どちらかといえばひと昔前の打ち方です。インパクトに向けて、いかにクラブ遠心力をMAXにしていくかがテーマです。大型ヘッドのクラブが主流になった昨今は、クラブヘッドを振る遠心力と引きつける向心力とのバランスが大切で、むしろクラブを止めて遠心力を制御しながら体を動かす向心力メインのスイングが世界のトレンドになっています」
「この違いを理解するのに、ぜひ皆さんに覚えてもらいたいしくみがあります。スイング動作は、“動く方と止まる方”の組み合わせで成り立っているということです。“ヘッドが走る”とは、体が止まってヘッドが動くという組み合わせで、“振れている”は、クラブが止まって体が動いているというスイングです」
「460ccの大型ヘッド時代となり、クラブを止めて使い、そこに体の動きのエネエルギーを注ぎ込むのが現代のクラブが導いた“飛んで曲がらない”スイングで、まさにそれが振れているスイングと言っていいでしょう。具現者としては世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー、全米オープン覇者のJ.J.スポーン、女子の新星ロティ・ウォードなどが挙げられます」
印象ではなくスイングの本質を見抜ける上級者独特の表現
「少し難しい話になりますが、スイングには、質感や見た目を表すテクスチャーと、機能やはたらきを表すファンクションとがあります。スイングの質感は、それこそゴルフをやっていない方にも見えるでしょう。例えば、柔らかい、スムーズ、しなやか、パワフルなど、スイングから様々な印象を受けると思います。ただ、それらはあくまでもスイングの本質ではなく、上達の役に立つかというと微妙です」
「いっぽう機能は、インパクトの物理的な考察やスイングの原理原則を理解している指導者や上級者など専門知識のある人にしか見抜くことができません。話が広がってしまいましたが、このようなことから考えると、もし“インパクトで体を止めて、ヘッドを振っている”ゴルファーを私が目にしたら『インパクトが厚いですね』とか『シバけていますね』と言うでしょう」
「私の生徒さんは高齢のシニアゴルファーも多いのですが、やはり体を止めて正面で当てるスイングより、動ける範囲で構わないので、クラブを止めて体を動かすスイングの方が間違いなく飛ぶと思います。そういう方には『身体がよく動いて振れていますね!』と声をかけています」
「当てずっぽうに言っている人もなかにはいるかもしれませんが、振れている、という表現が会話に入ってくる人が上級者なのは、そういうことが関係していると思います」
永井さんは、このような技術のアップデートができれば現代のクラブの恩恵を受けることができ、夢を持っていつまでもゴルフが楽しめると考えているといいます。
「振れてますね」と声をかけてくれる人はゴルフがうまい、は真実のようです。それ以上に、そう言われたときは最高の褒め言葉だと分かったのがうれしいですね。体とクラブが連動した現代的なスイングだ! と自分に自信を持っていきましょう。
【解説】永井延宏
ゴルフコーチ歴30年、ゴルフ歴45年。2006年、ゴルフ専門誌によるレッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞。知識と経験を生かした分かりやすいレッスンが好評を博している。東京、埼玉、奈良、大阪、兵庫で定期レッスンを開講中。
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