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- 「元を取る」という考えで会員になる人はレア!? 今どきゴルファーの“メンバーメリット”
予約サイトの普及で、ビジターでも気軽にプレーできる時代。それでもゴルフ場の会員になる人がいるのはなぜなのか。料金メリットだけでは語れない、“メンバーシップ”の価値を探りました。
“メンバーフィー”が一番のメリットではない
ゴルフ場予約サイトの普及によって、今や多くのコースがビジターでも予約できるようになりました。掲載コース数は約2000とも言われ、国内のゴルフ場総数を考えれば、大半のコースが何らかの形でプレー枠を開放していることになります。
ひと昔前のように「メンバーの紹介がなければプレーできない」という状況は、一般的ではなくなりました。料金面でも大きな差はありません。平日であればメンバーフィーとビジターフィーの差はそれほど大きくなく、土日でも1万円前後です。
ただし、入会費用や年会費を考えると、金銭的なメリットを実感するには、かなりの頻度でプレーする必要があります。「毎週土日のどちらかは必ずラウンドする」というレベルでなければ、単純な損得勘定では見合わないという感覚を持つ人も少なくありません。

それでも、多くのゴルフ場がメンバーシップコースとして運営を続けており、一定数の入会希望者も存在しています。では、現在の会員権はどのような位置づけになっているのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「今は『予約を取るため』とか『元を取るため』というよりも、とにかくラウンド数を増やしたいので、料金を気にせず回るためメンバーになるアクティブな会員さんが多いですね」
背景には、会員権の性質の変化があります。かつて主流だった預託金制度は少なくなり、現在は比較的低価格で取得できる会員権や、一代限りで権利が消滅するタイプが増えています。保有して価値の上昇を期待するというよりも、利用してメリットを得るという方向にシフトしています。
そのため、会員のあり方も変わってきています。前出の関係者は「ラウンド数を稼いでくれるメンバーさんが増えている」と表現しましたが、入会すること自体が目的ではなく、入会した後にどれだけプレーするかが重視されるようになっています。 会員権は“持つもの”から“使うもの”へと位置づけが変わりつつあるのかもしれません。
競技やクラブライフに参加することが目的の人も増加
「アクティブな会員さんは、『クラブ競技に出たい』とか『クラブライフに参加したい』という動機で入会する人も多いですよ」
実際、各都道府県のゴルフ連盟主催の競技に出場するためには、加盟コースのメンバーであることが条件になる場合があります。そうした競技志向のゴルファーにとっては、会員になること自体がプレー機会を増やす手段になります。
また、クラブライフという観点も見逃せません。特定のコースに通い、顔なじみのメンバーとプレーを重ねる。そうした関係性を築くことが、ゴルフの楽しみ方を広げてくれます。金銭的な合理性だけでなく、「どこで、誰とゴルフをするか」という要素が重なってくると、判断の軸は少し変わってきます。
さらに興味深いのは、複数のコースの会員権を持つ人が一定数存在することです。それぞれのコースを使い分ける感覚は、行きつけの飲食店を何店舗か持つのに近いようです。和食、洋食、中華といったように、その日の気分や目的に応じてコースを選ぶ。そうした使い方が成立しているのは、会員権の取得コストが以前よりも下がっていることも影響しているのでしょう。
ゴルフ場サイドの視点に立つと、メンバーの役割も少しずつ変わっています。「周辺のゴルフ場とビジターの取り合いを続けるのは限界があるので、メンバー数を増やして、ラウンド数のベースを作る」という考え方です。
こうして見ていくと、現在のゴルフ場のメンバー制度は、単純な優先予約や料金メリットだけで語れるものではなくなっています。予約サイトの普及によってプレーのハードルは下がりましたが、その一方で、会員になることによって得られる体験や関係性には、別の価値が残っています。
ビジターでもほとんどのコースにアクセスできる時代だからこそ、「どこでプレーするか」だけでなく、「どこに所属するか」という視点も、少しずつ意味を持ち始めているのかもしれません。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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