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- 「2月より夏のほうが客は少ない」 ゴルフ場が語る酷暑対策の現実
近年の猛暑は、ゴルファーのプレースタイルだけでなく、ゴルフ場の運営にも大きな影響を与えています。夏の来場者が減少する中、現場ではどのような暑さ対策が行われているのか、ゴルフ場関係者の声から実情を探りました。
夏を避けるゴルファーが明らかに増えた
日本の夏は、10年くらい前からビックリするほど暑くなりました。気象庁は最高気温30度以上の日を「真夏日」、35度以上の日を「猛暑日」と定めていますが、近年はそれを上回る40度超の日が全国各地で観測されています。今年から最高気温40度以上の日を「酷暑日」と呼ぶことになりました。
ゴルフ場業界では昔から、春と秋が繁忙期、夏と冬が閑散期と言われていました。夏は暑いから客が減り、冬は寒いから客が減るのが定番でした。ただ、夏と冬を比べると「冬のほうがつらい」という感覚を持っているゴルファーのほうが多かった気がします。
夏は冷たいおしぼりで汗を拭き、キンキンに冷えたドリンクを飲めば、ある程度は回復できます。冬はどれだけ厚着をしても、手がかじかむとクラブを握っている感覚がなくなります。そうなると、ゴルフそのものが難しくなります。
ところが最近は、冬の寒さがそれほど厳しくなくなりました。防寒インナーや防寒グッズも進化し、真冬でも比較的快適にプレーできるようになっています。

一方で、夏は明らかに様子が変わりました。どれだけ汗を拭いても止まりません。冷えたドリンクを飲んでも、またすぐに汗が噴き出します。以前は「暑いけど回れる」だったものが、「危険だから控えたほうがいい」に変わりつつあります。
実際に、ゴルフ場関係者も次のように語ります。
「今はもう、夏は完全に閑散日ですから。冬の2月よりも悪いんじゃないですか。冬は頑張れば暖かくプレーできますけど、夏は全裸になっても暑いですからね」
ゴルファーには元々「暑さに強いタイプ」と「寒さに強いタイプ」がいますが、もはや日本の夏は「暑さに強いタイプ」でも油断できないレベルになってきました。むしろ「自分は暑さに強いから大丈夫」と思っている人ほど危険かもしれません。
気象庁は気温だけではなく「WBGT(暑さ指数)」も公表しています。WBGT28以上31未満は「厳重注意」で、「激しい運動は中止」。31以上は「危険」で、「運動は原則中止」とされています。
ゴルフは、野球やサッカーのように激しく走り回るスポーツではありません。ただし、1日5時間近くを屋外で過ごします。最初のうちはガマンできても、高温多湿の環境に長時間さらされると、水分や塩分のバランスが崩れ、体温調整機能がうまく働かなくなります。熱中症は、重症化すると命を落とす危険もあります。
カートクーラーを付けたいが設備投資をする余裕がない
そうした状況を受け、ゴルフ場側もさまざまな対策を模索しています。
「最近はクーラーの営業がすごく多いですね。『既存のカートにクーラーを付けませんか?』という話が、本当に増えました」
しかしながら、こうした設備投資にはコストがかかります。
「カート全台にクーラーを付けるとなると、お金のあるゴルフ場じゃないと難しいですよね。うちはお金がないのでムリです」
したがって、レストランとマスター室前に氷のう用や飲料用の氷を用意するのが、せめてもの対策だと言います。
これからの季節は、WBGTの数値が高くなった際に、カートナビに一斉通知を送る取り組みも行います。最近はWBGTが一定数値を超えた場合、プレー自体を中止するゴルフ場も出てきました。
でも、プレーを中止にすると売り上げは落ちます。カートにクーラーを搭載すると、設備投資や電気代が増えます。夏場の来場者減少と酷暑対策を同時に抱えながら、ゴルフ場側も難しい判断を迫られています。
昔の「夏ゴルフ」は“暑いけど何とかなるもの”だったのかもしれませんが、今の「夏ゴルフ」はゴルフ場側もゴルファー側も、“安全最優先で向き合わなければならないもの”へと変わりつつあるように感じます。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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