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- ゴルフ場が明かした“病原菌持ち込み”の真実 練習用シューズでのラウンドはNGなのか
練習場とコースでシューズを分けるべきなのでしょうか。芝の病気につながる菌の持ち込みは実際にある一方、現場では過度に心配する必要はないという声も。ゴルフ場関係者に実情を聞きました。
菌が持ち込まれるケースは実際にある
「練習用のシューズと、本番(コース)用のシューズは分けたほうがいい」という話を聞くことがあります。理由として挙がるのは、「練習場のマットや床にはバイ菌が多いから、その菌をゴルフ場へ持ち込まないため」というものです。
ゴルファーサイドからすると、少し悩ましい話です。練習というのは、本番でいいショットを打つために行なうものです。本番と同じシューズで練習したほうが、足元の感覚やボールとの距離感を揃えやすいのではないかと思います。
その話をすると、「コースではソフトスパイクの鋲が地面に埋まるから、練習場のマットとは高さが違う」「練習場でソフトスパイクを履くと鋲が摩耗する」と説明されることがあります。
確かに、それも一理あります。ただ最近は、スパイクレスシューズの性能がかなり向上しました。以前は滑りやすいと言われていたスパイクレスも、今ではプロゴルファーが試合で着用する時代です。そうなると、「練習場でもスパイクレス」「コースでもスパイクレス」で、一件落着のように感じます。

さらに最近は、シューズメーカー自身が、「タウンユースもできるスパイクレスシューズ」とうたっています。「家を出るときから履く」、「そのまま練習場に行く」、「そのシューズをコースにも持っていく」という使い方自体が“想定内”になっているわけです。
ところで、「練習場で履いたシューズをコースで履くと、芝の病気の原因になる」という話は本当なのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみると、意外にも即答でした。
「それはありますよ。練習場に限らず、他のゴルフ場でプレーしたシューズのまま来場し、その靴底についた菌が持ち込まれるケースは実際にあります」
「ですからコース管理業者も、ちゃんとしたところですと、グリーンの状態を見るとき靴のまま上がりませんからね。グリーンの外で靴を脱いで、靴下で上がります。何も考えていない業者は、そのまま靴で上がって、グリーンの上を歩いていますけどね(笑)」
さらに関係者は、昨年発生したグリーンの病害についても話していました。
「うちのグリーンは昨年の夏、褐条病(かつじょうびょう)という病気にかかったんですけど、それはグリーンモアの刃に菌がついていて、隣のグリーンにうつしちゃうんですよ」
グリーンモアというのは、グリーン用の芝刈り機です。つまり、病害を媒介するのはゴルファーの靴だけではありません。この問題は「練習場で履いた靴は危険だからダメ」と単純化できる話ではなさそうです。
バイ菌を持ち込むケースはあるが深刻に考えていない
実際、前出の関係者は「一般ゴルファーはそんなに神経質になる必要はないのでは」と語ります。
「打ちっぱなしの練習場で履いた靴でゴルフ場に来たからといって、そんなに大ごとになるとは思わないですね」
「本当に重大な問題だったら、『スタート前に靴の裏を洗ってください』って、どこかのゴルフ場がやっているはずなんですよ。でも、そういう話は聞きませんからね」
つまり、現場の感覚としては、「菌を運ぶ可能性はあるが、そこまで深刻な問題として扱っているわけではない」ということなのでしょう。
そもそも、「練習用と本番用を分ける」という文化自体、メタルスパイク時代の名残なのかもしれません。以前主流だったメタルスパイクは、練習場では床へのダメージが大きく、音もうるさかったため、使用が禁止されていました。
やがてゴルフ場でも芝への負担が大きいということで禁止になり、ソフトスパイクが開発されました。でも、ソフトスパイクを練習場で履くと摩耗が激しいという理由から、“シューズ分離文化”が継続された側面もあったのでしょう。
現在はスパイクレス化がかなり進みました。現実問題として、練習用と本番用を別々に用意するのは金銭的にも負担があります。そう考えると、今の時代は、「家から履いて行けるスパイクレスシューズを、練習でも本番でも使う」というスタイルが、自然な流れになっているのかもしれません。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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