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- カートのタオルって何のためにあるんですか? 薄れる「ボールを拭く習慣」とプロが考える本当に重要なこと
セルフプレーが主流となり、グリーン上でボールを拭く習慣は以前より薄れつつあります。しかし、ボールの汚れはパットの転がりに影響することも。毎回ぬれタオルが必要なのか、ボールを拭く本当の意味をレッスンプロに聞きました。
グリーンでボールを拭く習慣が薄れてきた
筆者がゴルフを始めた2000年前後は、キャディー付きプレーが主流でしたから、グリーンに乗ったボールをマークすると、キャディーさんが近づいてきて「ボールをお拭きします」とぬれタオルで丁寧に汚れを落としてくれました。当時はそれが当たり前の光景でした。
ところがセルフプレーが主流になると、その作業はプレーヤー自身の役割になります。カートを停止位置まで移動した人がぬれタオルをグリーンに持ってきて、最初にパットを打つ人に渡します。全員が使い終わったら、最後の人がグリーン出口付近に置きます。
ただし、実際のラウンドでは、その手順が毎回きちんと行なわれるわけではありません。ラウンドに慣れていない人がカートを停止位置まで移動すると、ぬれタオルを持ってくるのを忘れます。カートが遠くに停まっていると、タオルを取りに戻るのは面倒です。結局、ボールを拭かずにパットを打ちます。

セルフプレー時代になってからゴルフを始めた人は、「グリーンに乗ったらボールを拭く」という習慣そのものを知りません。カートに積んであるぬれタオルを見て、「これは何に使うのですか?」と聞かれることもあります。
さらに近年は猛暑の影響もあり、ぬれタオルは2〜3ホールもすると乾いてしまいます。乾いたタオルを再び濡らし、絞って持ち歩くのも手間です。セルフプレーの定着や、こうした環境の変化もあって、「ボールを毎ホール拭く文化」は以前ほど見られなくなったように感じます。
それでもやっぱり、ボールは拭いたほうがいいのでしょうか。沖縄県のエナジック具志川ゴルフクラブ総支配人であり、レッスンプロでもある三浦辰施氏に聞いてみました。
「ボールは拭いたほうがいいと思います。なぜなら、ボールの表面に砂粒がついていたりすると、フェースとボールの間に砂がはさまって、真っすぐ当たっているのに全然違う方向に飛び出すことがあるからです」
グリーン上ではわずか数ミリの違いが結果を左右します。バンカーから打ち出したボールに砂粒が付着していたり、雨の日に泥が付いていたりすると、思わぬ方向へ転がることがあるといいます。
ぬれタオルじゃなくても汚れを落とすことはできる
ただし、ここからが面白いところです。筆者が「ぬれタオルを毎回グリーンに持ってきて、タオルを全員に回してボールを拭くのって、面倒くさいんですよね」と話すと、「それはボクもしないですね」と即答しました。
ボールは拭いたほうがいい。しかし、ぬれタオルで毎回キレイに拭くべきかというと、それは別問題だというのです。
「ボールの表面を見て、転がりが変わるような汚れが付着していなければ、拭かないときもあります」と、三浦氏は話していました。つまり、汚れの程度を見て判断しているわけです。
さらに、「ちょっと拭きたいときはズボンで拭きます」とも話していました。筆者も同じです。ズボンで拭いたり、手でこすったり、ラフの芝にこすりつけたりして汚れを落とします。
この感覚、実は女子プロも一緒のようです。レギュラーツアーのように一人の選手に一人のキャディーが付く試合ならともかく、ハウスキャディーが複数選手を担当する試合では、わざわざボールを拭いてもらわないこともあるそうです。そういうときは「手でこする」「芝にこすりつける」といった方法で対応していると聞きました。
その話をすると、三浦氏も「それでまったく問題ないと思います。そのほうがプレーを遅らせなくて済みますしね」と同意していました。ゴルフはプレーファストも大切です。ボールをキレイに拭くことよりも、スムーズな進行を優先したほうがいい場面もあります。
結局のところ、大切なのは濡れタオルで拭くことではなく、転がりに影響しそうな汚れを取り除くことです。セルフプレーが主流になった今の時代は、「ボールを拭いたかどうか」ではなく、「汚れがついていないか」を考えるほうが、実態に合っているのかもしれません。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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