“柵越え確信犯”がコースボールを持ち込んで自分の飛距離を誇示
全日本ゴルフ練習場連盟(JGRA)の横山雅也会長と日本プロドラコン協会の松谷伸次代表が2月20日、都内で会談し、練習場のネットを飛び越えるトラブル撲滅に向け、協力して取り組んでいくことで合意しました。

練習場連盟とドラコンプロ団体が“強力タッグ”を組むことになった裏には、どんな理由があるのでしょうか。横山会長が、そのいきさつを明かしてくれました。
「(JGRAの)会員の中から、ボールの飛び出しが増えていることによる対策への相談が協会に上がって来たんです。それを減らすためにどうしたらいいかと、理事会で話している時に、ドラコン協会さんの名前が出てきたんです。確かに飛ばし屋の人たちなので『たまたまやっちゃった』という経験もお持ちであるわけで、ポスターをつくったりして飛ばし自慢のゴルファーに啓蒙活動をしていくのであれば、そういう方たちにも声をかけて協力してもらったらいいんじゃないか、という話になったわけです」
実際のところ、クラブとボールの進歩により飛距離が伸びたことだけでなく、弾道計測機で細かなデータのチェックが可能になり、飛ばしへのこだわりが強くなったことで、練習場のネットを超えて場外に飛び出すケースがあるのは事実のようです。ゴルフ練習場の元関係者は、実態についてこう話してくれました。
「越球(ネットを越えて場外へボールが飛び出すこと)のケースはほとんどの場合、“確信犯”です。コースボールを持ち込んで、自分の飛距離を誇示したいんでしょうね。ただ、人に当たりでもしたらそれこそ大変なので、清掃に入る従業員に気を付けてもらって、わざと越球を繰り返している場合には、事実を確認して注意するようにはしていました」
さらに悩ましい問題もあります。こうした事案に詳しい関係者が、確信犯を特定できない実情も明かしてくれました。
「飛び出したボールが発見されても、誰が打ったのかを特定することが難しいんです。もし(練習場に)隣接している住宅の屋根を壊した場合でも、打った方を特定できなければ責任を問うこともできないわけです」
確信犯を特定することも難しく、従業員と来場客のトラブルに発展するリスクもゼロではありません。やはり今のところの最善策は、来場客が自覚して無理に“柵越え”を狙う行為をしないこと。そこでつくられたのが、ドラコン協会の啓発ポスターです。一方、練習場連盟も独自のポスターを制作中とのことです。