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- 準備体操はたった3分でいい!? ぶっつけ本番でもフルショットできる「胸郭ストレッチ」とは?
これから夏場にかけて汗をかくほどのウォームアップは敬遠したくなりますが、たった3分でウォームアップができるのが胸郭を伸ばす“肺活”ストレッチ。たとえ練習場での球打ちをまったくしていなくても、朝イチのティーショットから思い切り振れるといいます。
“肺活”ストレッチなら汗をかく前に準備体操は終了
スポーツのウォーミングアップは、試合やゲームが始まったときから最大限のパフォーマンスを発揮できるよう準備をするために行います。ゴルフなら、1番ホール第1打のティーショットからしっかり打っていくための準備です。
「それには脳・神経・筋肉・腱・靭帯を連動させて体をスムーズに動かせる状態をつくっておく必要がありますが、そもそも体中の器官を連動させて使うには、血流を上げて体の隅々にまで酸素や栄養を行き渡らせなくてはいけません。そこで、みなさんに取り入れていただきたいのが“肺活”ストレッチです」
順天大学医学部非常勤講師をつとめる医学博士の末武信宏氏(さかえクリニック院長)は、こういいます。
末武氏は長年スポーツ医学の研究に携わり、さまざまな競技のオリンピアンやトップアスリートへのコンディショニング指導を行う一方、ツアープロや一般アマチュアゴルファー、スポーツを楽しむ方々への指導経験も豊富です。
「“肺活”というのは、肺の働きをよくするトレーニングやストレッチを指す造語ですが、その理論は機能解剖学的、運動生理学的根拠に基づき、医学とスポーツの両方で成果が出ています。“肺活”トレーニングがとりわけ優れているのは、非常に効率的である点です。練習場で早くボールを打ちたい時やスターティングホールで打順を待つ時でも、3分あれば十分できるのです。ゆっくり深く呼吸をしながら体を動かすことで、肺に取り込まれた酸素が血流に乗って体の隅々まで行き渡り、即効性があるからです」
胸郭のストレッチで胸郭と肩甲骨の連動性を高める
「肺の働きをよくするには、呼吸筋を刺激する、また胸郭の可動域を広げるトレーニングを行い、酸素の摂取量を増やすことが重要です。呼吸筋や胸郭まわりのストレッチによって血流もよくなり、酸素と栄養が体の隅々に行き渡って全身の細胞が活性化するのです」と、末武先生はメカニズムを説明します。
これから夏場にかけて汗をかくほどのウォームアップは敬遠したくなりますし、冬場の長時間に及ぶウォームアップは筋肉が疲れたり傷ついたりしてしまうため逆効果だといいます。でも、たった3分でウォームアップができるなら、今度のゴルフや練習場から取り入れられそうです。
「まずはスタート前に行ってみてください。すぐに全身の血流が良くなり、1番からドライバーでフルショットをする準備が整います。今回は、遅刻しかかってレンジでボールを打つ時間がないような時でも、これさえ行えばOKというウォームアップをご紹介します」(末武先生)
それでは、“肺活”の決定版ともいえる胸郭のストレッチを教えていただきましょう。自身も学んだ“肺活”を、トップアスリートやアーティストへ、またジュニアから一般の方、高齢者にも幅広く指導している五十嵐憲文トレーナーが実践してくれました。
「“肺活”トレーニングもストレッチも、すべてゆっくり大きく呼吸をしながら体を動かすのがポイントです。動きを分かりやすく説明するため、そのつど呼吸に触れないこともありますが、必ず毎回ゆっくり大きな呼吸を心がけてください」(五十嵐トレーナー)
1.全身伸ばし(上)
足を肩幅に開き(以下スタートの姿勢といいます)、両手を頭の上に上げて手を交差し左右の手首をロックさせます。顔、手のひらは正面へ向け、肩甲骨を寄せましょう。指先が天井から引っ張られるイメージで上に向かって体を伸ばし、大きく息を吸い上げ、ゆっくり長く息を吐き下ろします。この状態が、これから行う一連のストレッチのスタートポジションになります。
2.全身伸ばし(左右)
スタートの姿勢をとり、息を吸いながら全身を上へ伸ばします。頭の上で手を交差させ左右の手首をロックしたまま、息を長くゆっくり吐きながら上半身を右へ側屈させます。その時に左腰側の胸郭をしっかり伸ばすことがポイントです。息を吸いながら戻したら、同様に息を吐きながら上半身を左へ側屈し、息を吸いながら戻します。左右1回。
3.全身伸ばし(前)
スタートの姿勢をとり、手を交差させ、左右の手首をロックすることで全身を連動させることができます。息を吸いながら全身を上に伸ばします。息を吐きながら、お腹に力を入れてゆっくり上半身を前に倒します。倒せるところまでいったら息を吸いながら戻しましょう。ヒジやヒザを曲げないようにして3回繰り返し行ないます。
4.全身伸ばし(回旋)
スタートの姿勢から、大きく息を吐きながら体を回旋させます。指先が遠くへ引っ張られるイメージで、ヒジを曲げないようにしましょう。ヒザが曲がったり、背中や腰が丸まったりして“出っちり”になってもいけません。腹筋も背筋も使い、肩、肩甲骨や腰まわりを気持ちよく伸ばしましょう。左回り、右回り各5回。
5.全身の回旋(上級編)
両手を体の前に出して手を交差させて左右の手首をロックし、手をグーパー、グーパーと握ったり開いたりくり返しながら、体の前で円を描くように体を大きく回します。ヒジを伸ばし、遠くにあるものをつかむようにゆっくり体を動かすとより効果が得られます。最も効率よく全身の連動性を高める“肺活”ストレッチです。左回り、右回り各1回。
取材協力/(株)ジャパンゴルフマネージメント
【解説】医学博士 末武信宏(さかえクリニック院長、順天堂大学医学部非常勤講師)
社団法人先端医科学ウエルネスアカデミー(AMWA)副代表理事、トップアスリート(株)代表取締役。第88回日本美容外科学会会長をつとめ、日本美容外科学会認定専門医としてアンチエイジング診療を行なうかたわら、プロゴルファー、プロ野球選手、オリンピック日本代表選手、格闘家、トップアイドルなどのトレーニングやコンディショニング指導など多方面で活躍している。http://www.n-suetake.com/
【トレーニング指導】五十嵐憲文(健康管理士/肺活チーフトレーナー)
AMWA認定トレーナー、トップアスリート(株)スポーツ医学研究開発部部長。順天堂大学体育学部(現・スポーツ健康科学部)卒。学生時代は陸上選手として活躍し、25歳で現役引退後はトレーナーに転身。ジュニアから高齢者、トップアスリートまで、幅広くトレーニングとコンディショニングの指導を行なっている。日本で数少ない肺活トレーナーの一人として活躍中。http://topathlete.co.jp/haikatsu/
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