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- 「なるべく早くアメリカに行きたいんです」 昨季“2位3回”の桑木志帆が抱く大志
2023年、初優勝には届かなかったものの、大きな飛躍の年となった桑木志帆(くわき・しほ)。優勝はもちろん、その先に見据える米ツアー進出に向けて、充実のオフを過ごした。
「世界ランキングを上げてメジャーに出たい」
2024年を飛躍のシーズンにしようと、桑木志帆は充実したオフシーズンを過ごしたようだ。昨年、惜しいところで逃した初優勝だけでなく、実績を積んでの海外進出も目論んでいる。開幕を目前に控えた桑木の心のうちに迫った。
「楽しそうにプレーするところをファンのみなさんに見てほしいです」
桑木は自らのアピールポイントを明るく口にした。
2022年メルセデスランキング51位で前半戦の出場権を手にして挑んだ23年は、優勝争いに何度か顔を出した。中でも惜しかったのは第1回リランキングを1位で突破し、試合に出続けられることが決まって間もない資生堂レディス。いずれも初優勝を狙う櫻井心那との激戦の末、プレーオフ2ホール目で敗れた。
勝者を称えた後は涙が止まらなかったが、この悔しさを糧に戦い続けた。北海道meijiカップでは鈴木愛に3打差ながら2位。出場枠が限られる米女子ツアーの1戦でもあるTOTOジャパンクラシックでも2位タイ。こちらは、畑岡奈紗とともに首位タイで最終日を迎えながら、稲見萌寧に逆転される悔しい展開だった。
優勝には手が届かなかったが38試合に出場し、メルセデス・ランキング10位で堂々の初シードを獲得した。そして迎えたシーズンオフ。明確な目標を掲げて新しいシーズンに向けての準備を整えている。
「22年は優勝争いが1回で経験不足を感じた面がありましたけど、23年は自信になりました。優勝争いを重ねてこればいつか勝てる。24年はもちろん1勝は必ずしたいですし、前半で複数回優勝できたら。世界(ロレックス)ランキングを上げてメジャーに出たいんです」
初優勝どころか、一気にその先にステップアップしていこうと高い志を抱いている。
始動は1月4日。1週間の沖縄合宿でショートゲームを中心に磨きをかけた。その後は米ロサンゼルスに渡り、みっちりとトレーニングと練習に励んだ。
「体が硬いので、それをほぐしながらゴルフの動きにつなげたいんです。体幹も弱いので鍛えたいです。技術的には、ヒールにヒットしていたので横回転のボールが多かったのを、アドレスを直してねじれの少ない球にしているところです。重心位置を意識してやっています」と、課題ははっきりと見えている。
「(バッティングセンターの)会員になっちゃいました」
「楽しそうにプレーするところ」をアピールポイントにしているだけあって、メンタルも安定している。特に上位に入ることが多かった昨年後半からは「焦ることなくプレーできています」と、気持ちの強さでタフな戦いに対応している。
緊張感漂う試合での日々を支えるリラックスした時間をうまく作り出しているのが笑顔の秘訣だ。オフの間には3泊4日のグルメ旅に出かけ、1月29日に迎えた21歳の誕生日は誕生日が近い友達と祝うことを早くから計画していた。
沖縄合宿の雨の日には、急遽、体育館を借りてバレーボールをした。楽しみとトレーニングがどちらもできるナイスアイデアだ。シーズン中にもバッティングセンターに通ってストレス発散。
「(バッティングセンターの)会員になっちゃいました」と、照れ臭そうに笑う。同学年の岩井明愛・千怜姉妹とキャッチボールをすることもある。こんな風に上手な切り替えも、桑木のゴルフを支えている。
「なるべく早くアメリカに行きたいんです」。希望は、長く続くゴルフ人生だ。「第一線でずっと戦っていたい。頑張って40歳まではレギュラーツアーでやりたい。そのためにも故障だけには気をつけないと」
21歳の今から描く青写真は、限りなく広がっている。
桑木 志帆(くわき・しほ)
2003年生まれ、岡山県出身。21年6月に実施されたプロテストに合格してプロ入り。同年の新人戦「加賀電子カップ」で優勝を挙げている。2023シーズンは「ブリヂストンレディス」(3位タイ)、「北海道meijiカップ」(2位)、「CAT Ladies」(3位)、「TOTOジャパンクラシック」(2位タイ)などの活躍。「資生堂レディスオープン」ではプレーオフに進出するなど、初優勝に最も近い選手のひとり。23年のメルセデス・ランクは10位。岡山御津CC所属。
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