ロス五輪ゴルフ競技での男女混合チーム戦が決定　“現時点”でＪＡＰＡＮのパワーランキングはなんと！？

　国際ゴルフ連盟（IGF）は、ローザンヌ（スイス）で行われた国際オリンピック委員会（IOC）の理事会において、2028年ロサンゼルス五輪でゴルフ競技に男女混合チーム戦を追加することが承認されたことを発表した。

　混合チーム戦は男子個人戦終了後、女子個人戦の開幕前に36ホールで行われる。第1ラウンドはフォアサム（1つのボールを交互に打つ）18ホール、最終ラウンドはフォアボール（ベストボール）18ホールとなる。出場できるのは各国最大1チームで、個人戦への出場資格を有する男女各1名ずつで構成される。混合チーム戦の実施は五輪ゴルフ競技の歴史で初。ゴルフ3競技すべてがPGAツアー競技「ジェネシス招待」会場のリビエラCCで開催される予定だ。

　ゴルフは23年に採択された男女平等の原則に則り、アーチェリー、陸上競技（4×100メートル混合リレー）、体操、ボート競技、ビーチスプリント、卓球とともに、ロス五輪に男女混合競技として追加される6つのスポーツのうちの1つとなっている。

　さて、3年後の五輪なので気が早い話だが、現状の男女を合わせた“パワーランキング”で日本はメダル候補なのか否か、気になったので試しに調べてみた。

　単純に男女の世界ランキング（男子4月13日付、女子4月14日付）の各国最高位の順位を足し合わせてみると、最も数字が少なくなった1番手は男子のスコッティ・シェフラー、女子のネリー・コルダという2人の世界ランキング1位を擁する米国でダントツ。両選手はシェフラーが24年パリ、コルダが21年東京でそれぞれ金メダルを獲得している。3年後のことは分からないとはいえ、2人の世界ランキングポイントでの抜きんでかたを考えると、金メダリストペアが誕生する可能性は少なくなさそうだ。

　そして、2番手は世界ランキング6位でパリ銅メダリストの松山英樹と世界ランキング7位の古江彩佳を擁する日本。米国以外で男女ともに世界ランキングのトップ10に選手を送り込んでいるのは日本だけなので当然といえば当然だが、特に女子は古江の下にも2年連続国内女王の山下美夢有や伸び盛りの竹田麗央らも控えており、有力であることは間違いないだろう。

　3番手は男子12位タイのジャスティン・ローズ、トミー・フリートウッドと女子10位のチャーリー・ハルがいる英国（イングランド）。フリートウッドはパリの銀メダリストだ。

　以上が現時点での“メダル有力候補”となり、以下、4番手にミンウー・リー（25位）とハンナ・グリーン（5位）の豪州、5番手にイム・ソンジェ（22位）とユ・ヘラン（9位）の韓国、6番手にルドビグ・オーバーグ（5位）とリン・グラント（27位）のスウェーデン、7番手にコーリー・コナーズ（21位）とブルック・ヘンダーソン（32位）のカナダと続く。

　マスターズチャンピオンとなったローリー・マキロイのアイルランド（北アイルランド含む）は残念ながら女子が手薄で、現状では厳しそうだ。

　こうして見ると、男女がともに世界のトップにいる国は稀有。日本も立派なゴルフ強国といえる。国別の総合力では米国が圧倒的な力を有しているが、混合チーム戦は各国1組しか出場できないため、現状でいうところのザンダー・シャウフェレ（3位）＆リリア・ヴ（4位）といった十分頂点を狙えるペアでさえ米国からは送り込めない。

　つまりはライバルが少なく、有力国のメダルの可能性は個人戦に比べて跳ね上がると考えていいだろう。3年後にどんな国別最強ペアが生まれるかは未知数だが、十分期待は持てそう。やはり五輪は団体戦があったほうが盛り上がるという意見も根強かっただけにロサンゼルスが楽しみだ。