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- 河本結が今季2勝目「無になる」で完全V ロフト寝かせ技が光る
スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント最終日、初日から首位を守り続けていた河本結(かわもと・ゆい)が、通算14アンダーで今季2勝目、ツアー通算4勝目を飾った。
パターの選択ミスを技術でカバー
◆国内女子プロゴルフ 第29戦
スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント 10月10~12日 東名カントリークラブ(静岡県) 6435ヤード・パー72
1番ホールのグリーンに足を踏み入れた瞬間、河本結の脳裏にわずかな後悔がよぎった。
「今日は4度のロフトにしておけばよかったかな……」

河本はトーナメントで、3.5度と4度のロフトを持つ2本のパターを携行している。長さ、バランス、ライ角、グリップの太さまですべて同じで、違うのはロフト角だけだ。普段は3.5度を使用し、グリーンが荒れている場合は4度を選ぶようにしている。
前日は雨天でグリーン表面が荒れていたため、4度のロフトを選択。その判断が的中し、25パットにまとめた。
だがこの日は雨が上がってからのスタート。ワンウェイ方式でプレーヤー数も少なく、グリーンの荒れは少ないと読んで3.5度を選んだ。ところが、朝方まで続いた雨の影響か、実際のグリーンにはスパイクマークが多く、芝が思いのほか立っていた。
それでも河本は冷静だった。

「ほんの少しなんですけど、アドレスしたときにパターのロフトを寝かせて構えるようにしました」
自ら4度のロフトを“作り出す”ことで対応したのだ。
フェアウェイからの第2打をピン左2メートルにつけていた河本。2位以下に1打差リードとはいえ、最終日は9ホールに短縮されているだけに、いつ誰が爆発的なスコアを出してもおかしくない。できればバーディー発進したいところだった。
慎重にラインを読み、ゆったりとしたテンポでストロークすると、ボールはカップに吸い込まれた。
ロフトを寝かせたことで、ボールが空中に浮く時間がわずかに長くなり、荒れた芝の影響を最小限に抑えることができた。残りの8ホールでも同様のアドレスで臨み、この日わずか12パット。フィールド最多の4バーディーを奪い、ベストスコアタイとなる「32」でホールアウト。通算14アンダーで今季2勝目、ツアー通算4勝目を飾った。
「無になること」がもたらした安定感

ホールアウト後の優勝会見で、河本は静かに語った。
「先週の日曜日から“自分らしいゴルフ”のヒントを得て、こうやって優勝できたので、すごい自信になりました」
その“ヒント”とは、「無になること」。
一見、抽象的な言葉だが、余計な雑念を排除し、目の前の一打にだけ集中するという意味だ。いつもどおりのルーティンを行い、狙う落とし所をイメージし、風や球筋を考慮したうえで最適なルートを描く。成功も失敗も考えず、ただそこに打つことに集中する。

「ショットではイメージを大事にして、パッティングではテンポだけを考えています」
ゴルフはメンタルの影響が大きい競技。河本も以前は自らプレッシャーをかけ、思うようなプレーができずに涙を流すことも少なくなかった。だが、週1回、最低1時間のメンタルトレーニングを継続した結果、いまでは精神面で大きな成長を遂げた。
「緊張する場面でも、自分の感情や心をコントロールする方法を持っているので、それが強みになっています」
この日、2位に入った岩井千怜は出だし2ホールで緊張のあまりバーディーを奪えなかった。一方、河本は平常心を保ち、連続バーディーでスタート。技術面だけでなく、精神面の成熟が、9ホール短縮というイレギュラーな状況でも揺るがぬ強さを生み出した。
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