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379試合・10万9858ラウンド振りは史上最長ブランク! 桑木志帆が終わらせた“アルバトロス11年の空白”

2026.05.26 宮井善一
ブリヂストンレディスオープン 国内女子ツアー 桑木志帆

桑木志帆が「ブリヂストンレディス」で達成したアルバトロスは、国内女子ツアー11年ぶりの快挙だった。では、その“空白期間”はどれほど長かったのか、驚きの数字から異例さを振り返った。

史上初は「北海道女子オープン」で増田節子が記録

「ブリヂストンレディス」で桑木志帆が自身初のアルバトロスを達成した。国内女子ツアーでは11年ぶりの快挙で、“最長ブランク”に終止符を打った。ラウンド数に換算すると、どれくらい出ていなかったことになるのか。計算すると、驚きの6桁に達していた。

 桑木がアルバトロスをやってのけたのは第3ラウンド(最終日)の2番パー5だった。491ヤードでほぼ直角に右にドッグレッグしている、袖ヶ浦カンツリークラブ袖ヶ浦コースの名物ホールのひとつである。

 桑木は左のラフから残り200ヤードの2打目に4番ユーティリティーを選択。グリーン手前に待ち構える大きなバンカーを越えてラフに落下したボールは奥に切られたピンに向かって転がり、そのままカップインしたのだ。

 1984年の「北海道女子オープン」で増田節子がツアー史上初のアルバトロスを決めてから通算13回目(有村智恵が2回達成しているため人数では12人目)の快挙だ。前回のアルバトロスは2015年「NEC軽井沢72トーナメント」第2ラウンド16番パー5を2打で仕留めた渡邉彩香だから、実に11年ぶりの出来事となった。

アルバトロス賞の賞金100万円を獲得した桑木志帆 写真:大会提供
アルバトロス賞の賞金100万円を獲得した桑木志帆 写真:大会提供

 第1号が出た1984年から前回の2015年までは平均して2~3年に1回はアルバトロスが記録されており、最も間隔が空いていたのは第4号(1994年「サタケジャパンクラシック」の川波由利)から第5号(2002年「We Love KOBEサントリーレディス」の大竹エイカ)で、8年ぶりだった。今回はそれを大きく上回る期間、アルバトロスが出ていなかったわけである。

 桑木のひと振りが決めたツアー11年ぶりのアルバトロスは試合数で表すと379試合ぶりとなる。ではラウンド数ではどれくらい出ていなかったことになるのか。2015年「NEC軽井沢72トーナメント」第3ラウンドから今回の「ブリヂストンレディス」第2ラウンドまでの総ラウンド数を計算すると、実に10万9858ラウンドとなった。

他ツアーより圧倒的にブランクが長かった国内女子ツアー

 かつて、アルバトロスは増加傾向だった。1990年代の10年間は計3回で確率は3万2239ラウンドに1回だった。それが2000年代の10年間は計5回で確率は1万7874ラウンドに1回まで上がっていた。2010年代も2015年に第12号が出た時点では6年足らずで計3回。1万7679ラウンドに1回の確率だった。ところが、その後は10万ラウンド以上も出なかったのである。ちなみにこの期間中にホールインワンは計199回も記録されている。

 国内女子ツアーでアルバトロスが記録されなかった間も他のツアーでは何回も出ていた。たとえば米女子ツアーでは2016年から昨年までの10年間で17回も出ている。うち2回は日本選手、2023年「LPGAドライブオン選手権」の笹生優花と2025年「ショップライトLPGAクラシック」の西郷真央だ。米女子ツアーでは今年もすでに1回出ている。

 国内男子ツアーでは2016年から昨年までの10年間で18回。2016年には同じ大会(ISPSグローバルカップ)で2回出た例があり、この大会でアルバトロスを決めた武藤俊憲が2週間後の「日本プロゴルフ選手権日清カップヌードル杯」でもやってのけて3試合で2回のアルバトロスという超ド級のミラクルを起こしている。

 米女子ツアーはラウンドによって大胆にティーイングエリアを前に出してアグレッシブに攻めさせるセッティングにすることがよくあるし、男子は女子よりもパー5で2オンする確率が高いからアルバトロスの数が多いのは理解できる。だが、国内女子ツアーでこれだけ長い間アルバトロスが出なかった理由を説明するのは困難である。不思議な出来事としかいいようがない。

 兎にも角にも、長いブランクは終止符を打った。この類のものは長く出なかったあとは頻発して、長い目でみれば確率は平均化されがちである。ツアー史上14回目のアルバトロスは近いうちに達成されるかもしれない。

文・宮井善一(みやい・ぜんいち)

1965年和歌山県生まれ。スポーツニッポン新聞社ゴルフ担当記者を経て2004年にフリーのゴルフライターに。ゴルフ雑誌などへの執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動し、現在は日本ゴルフ協会のゴルフ学芸員として日本ゴルフ殿堂、JGAゴルフミュージアムなどに携わっている。元世界ゴルフ殿堂選考委員。

【動画】これが桑木志帆のツアー史上“11年ぶり12人目”のアルバトロス これが実際の映像です
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