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- 今季注目の新成人プロ・山下美夢有インタビュー「ゴルフだけじゃなく礼儀や考え方も大人として成長したい!」
女子ツアーにどっしりとした存在感を持つ新成人がいる。山下美夢有。昨年4月に5打差圧勝でツアー初優勝を飾った時には19歳だったが、8月に20歳となり、晴れて新成人となった。今シーズンに向けて、どんなオフを送っているのか。2022年への抱負とともに聞いた。(3回連載)
後半戦の失速で痛感した“体力不足”
「20歳(はたち)になったからと言って、意識が変わることはありません」
ゴルフに対する気持ちを尋ねると、山下はこう言い切った。プロになった時から、ゴルフの面ではすでに高い意識を持っていたからだ。
振り袖で寿(ことほ)いだ人生の節目。強く抱いたのは、人間として成長したいという気持ちだった。「ゴルフだけじゃなく、礼儀とか考え方もレベルアップして大人になっていかないといけないと思います」と、少しはにかみながら口にした。
2019年にプロ入りしたが、初めてのシーズンだった2020年にはコロナ禍に襲われた。それでも自分を貫き、新人戦加賀電子カップでは2位。2021年まで続くロングシーズンの中、KKT杯バンテリンレディスで初優勝を飾っている。
優勝したのは2021年の7戦目。小祝さくら、古江彩佳に5打差をつける圧勝だった。2週前のヤマハレディスで単独2位となり、優勝後も2位、3位タイ、8位タイと絶好調。
「淡々と迷いなくプレーできていました。スイングリズムだけ意識して、いろんなことを考えずにやれていた」と振り返る。
優勝したことで自信をもって練習にも試合にも臨めるようになった。
「(上位に何度も入ったのに、他に)勝てなかったのは悔しいなと思いますけど、1勝するというのが目標だったのでそれはクリアできたかなと思います」。着実にステップを上がったことに胸を張った。
反省点は、後半に失速してしまったこと。理由として思い至るのは体力不足だ。疲れがたまる夏の間に体重が一気に落ちた。これに呼応するように7月、8月は8試合でトップ10入りが2回だけ。「体力面からスイングが悪くなってショットがブレてしまいました」と分析する。
2シーズン目となる2022年は「まずは1勝。そこから複数回優勝ができたらいいな、と思っています」と、目標を引き上げた。そのために最も重要だと考えるのはショットの精度だ。これに飛距離、パッティングと続く。
オフはまず、長いシーズンを戦うための体づくり。特に気を付けたのは、やや弱かった上半身を鍛えることだった。
次にショートゲームを磨いた。スコアを最後に決めるのはパッティング。その大切さを肌で感じたシーズンでもあったからだ。
中嶋常幸との合宿で増えたショートゲームの“引き出し”
マネジメント会社が同じという縁のある中嶋常幸の合宿にも、昨年に続いて参加した。日本ツアー通算48勝。かつてメジャーの舞台で“世界一美しいスイング”と言われたレジェンドと、日本ゴルフツアー選手権森ビルカップShishido Hillsの舞台、宍戸ヒルズCCでラウンドや打ち込みなど、マンツーマンに近い形で有意義な4日間を過ごした。
課題であるショートゲームを中心にアドバイスを受け、技を磨いた。「2種類くらいしかなかった技を、遊び感覚で練習する方法を教えてもらったりしました」と“引き出し”を増やしている。
昨シーズン、山下のドライビングディスタンスはツアー59位の平均232.58ヤード。これをもう少し伸ばしたい気持ちももちろん持っている。
「セッティングの難しいメジャー(公式戦)では、セカンドショットの番手が短い方がいい。飛ばないと戦えないのかな」
2021年の公式戦4試合で、山下は2回、トップ10に入っている。ワールドレディスサロンパスカップ8位タイ、日本女子オープン7位タイ。だからこそ、痛感する部分もあったのだろう。
賞金ランキング13位は、優勝以外の試合でも安定した成績を残している証明だ。76.2613%でツアー9位のフェアウェイキープ率を誇る正確なティーショットと、ツアーナンバー1のリカバリー率(70.0127%)に磨きをかけて臨む2022年。
優勝争いはもちろんだが、自分のスタイルを貫く安定したプレーに期待がかかる。
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■初回:今季注目の新成人プロ・山下美夢有インタビュー「ゴルフだけじゃなく礼儀や考え方も大人として成長したい!」
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