今季獲得賞金は9936万円! 1億円が目前に迫る
ブリヂストンレディスの最終日。2位と1打差の単独トップから出た西郷真央。前半は4番パー4でボギーが先行し、なかなかバーディーが取れない苦しい展開が続いた。ピンチの11番パー4で第2打が右バンカーにつかまったが、7メートルのパーパットを決めてガッツポーズが出た。
「前半苦しい展開が続いていて、11番でバーディーを取りたいところで、バックスピンでバンカーにつかまってしまい、そこでくじけそうになりました。けれども、ゴルフは最後まで何が起こるかわからないのも身をもって体験していたので、最後まであきらめずに集中してやろうと思っていました」
ピンチになっても流れを切らさずに耐えるも、終盤には稲見萌寧、青木瀬令奈、山下美夢有に10アンダーで並ぶ大混戦。それでも、後半13番パー4で3.5メートルを決めてバーディーを奪って迎えた16番パー5。第2打がグリーン左手前のバンカーにつかまった。ピンまで残り25ヤードの距離。
「ちょうど打ちやすい距離、近すぎず、遠すぎず自分の好きな距離でした」
自信を持って振りぬいた球は直接カップに吸い込まれてイーグル。混戦を抜け出しとギャラリーの大歓声も最高潮に達した。最終18番でも3.5メートルのバーディーパットを沈めて、ギャラリーの歓声に応えた。通算13アンダーでツアー通算5勝目を手にした。
それにしても強い。シーズンが開幕してから10戦5勝はツアー史上最速で、ツアー通算50勝の不動裕理が持つ11戦5勝を超えた。
「そんなすごいことを自分が達成したんだということに驚いています」というが、不動が持つ年間10勝も超える勢いがある。
とはいえ直近の2戦では予選落ちしていた西郷。師匠のジャンボ尾崎の元を訪ね、アドバイスを見直した。
「2試合とも予選に通っていたとしたら、ジャンボさんのところに伺って教えていただく機会はなかったと思います。そういった時間が出来たということは今となっては良かったです。同じことを繰り返さないように、自分の力で修正できるようにこれから頑張りたいと思います」
予選落ちのあとの優勝と課題を克服する修正力の早さも西郷の強み。今季獲得賞金は9936万円ですでに1億円に迫っており、どこまで勝ち続け、賞金を積み上げていくのかも楽しみだ。
次戦は海外メジャーの全米女子オープンに初出場する。もちろん海外メジャーは初の舞台で、世界のレベルを知るうえで貴重な経験になる。ちなみに大会ディフェンディングチャンピオンは同期プロでもある笹生優花だ。
「世界のトップレベルが集まる大会に出られるのが光栄ですし、チャンスいただけたことはありがたいことです。ただ、学びにいったというだけではもったいない。自分がどれだけ戦えるか、しっかり結果として残せるように頑張りたい」
ただ米国に行って帰ってくるだけでは終わらない。全米女子オープンでは結果もきっちり取りに行く覚悟だ。
西郷 真央(さいごう・まお)
2001年10月8日生まれ、千葉県出身。2019年、高校在学中にプロテスト合格。2020-21年シーズンはトップ10フィニッシュが21回と安定した成績を残した。2022年シーズンは開幕戦で初優勝を挙げると、ブリヂストンレディスで早くも5勝目を挙げる。島津製作所所属。