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「“本物の試合”で戦う準備はできている」 今週の出場を表明したタイガー・ウッズ 言葉の真意とは?
タイガー・ウッズが今週のPGAツアー「ジェネシス招待」に出場することを表明。同大会はウッズ自身がホストを務める大会であり、リブゴルフへの対抗策としてPGAツアーが“格上げ大会”に指定した重要なトーナメントだ。
ホストである自身が発案した“格上げ大会”ゆえの責任感

ウッズが復帰戦にジェネシス招待を選んだ最大の理由は、言うまでもなく、ウッズ財団がサポートする大会で、自身が大会ホストだからである。
ゴルフ界のスター選手となれば、ビッグな契約を当たり前のようにたくさん結んでいるものだが、一流選手になればなるほど、契約を交わしてくれているスポンサー企業や自身を支えてくれている財団の重要性を強く認識するもので、ウッズはその筆頭である。
そう、ウッズは昔からスポンサー企業に多大なるリスペクトを払っており、自身の財団の活動と足並みを揃えることを常に最優先してきた。
だからこそ、昨年12月のヒーロー・ワールドチャレンジには、なんとしても出場しようとしていた。今週のジェネシス招待もホスト役を務めながらプレーヤーとしても参戦し、一人二役で大会を盛り上げることに使命感を抱いている。
そして、もう1つ、ウッズは強い責任感も感じているはずである。リブゴルフへの対抗策として、PGAツアーの従来の13大会を賞金総額2000万ドル級に格上げし、メジャー4大会などを加えた年間20試合への出場をトッププレーヤーに義務付ける今季からの新施策を発案したのは、他の誰でもないウッズとローリー・マキロイだった。
ジェネシス招待は「格上げ大会」の1つであり、強いプロ意識を抱いているウッズの性格を考えれば、この新施策の発案者としても同大会に出場し、盛り上げていく責任を感じていることは間違いない。
「メジャー優勝は明らかにタイガーの頭の中にある」
とはいえ、ウッズがジェネシス招待を復帰戦に選んだ背景には、使命感や責任感といった「役割」もさることながら、自分自身の想いや事情も、もちろんある。
ジェネシス招待の舞台となる米カリフォルニア州ロサンゼルス郊外のリビエラCCは、比較的フラットなホールが多く、リハビリ途上の右足で歩くには、ある意味、適したコースと言える。
ただし、1番と18番だけは、まったくの例外だ。1番のティーイングエリアは、まるでスキーのジャンプ台のような高台にあり、このホールは極端な打ち下ろしになる。
逆に18番はフェアウェイからグリーンへ向かう途上に、歩いて登るだけでも大変なほどの急な上り坂がそびえている。そして、グリーンからクラブハウスにつながる階段は、さらに急角度になっており、一気に階段を上り終えると、いつも息が切れそうになる。
ウッズがジェネシス招待に出場することを「寝耳に水」で知らされた21年大会覇者のマックス・ホーマは「1番でタイガーを抱きかかえてフェアウェイまで降ろし、18番では抱き上げて上まで運ぶ場面を想像しちゃったよ」と、ジョークを交えながら喜んでいた。
そんなふうにリビエラは、今のウッズにとっては「最初」と「最後」が難関だが、全体的なフラット形状や距離が短めであることは、今の彼には大いにヘルプになる。
だが、ウッズの胸の奥底に常にあるものは、勝利への想いだ。とりわけメジャー優勝への想いは強く、メジャー勝利数を「15」からさらに増やすことを、彼はもちろん今でも諦めてはいないはずである。
ウッズ出場の朗報を耳にしたジョン・ラームはリスペクトを込めて次のようにコメントした。
「タイガーがリビエラに出る? グレートだね。彼は、あれほどひどく故障した右足を抱えながら、それでも勝つために自分にできるすべてのことをやろうとしている。通算83勝目は、ありうると思う。メジャー優勝は明らかにタイガーの頭の中にある。それこそが、僕たちみんなが彼を心から尊敬するゆえんだよ」
4月のマスターズで勝利を目指すためには、そろそろ実戦へ挑む必要がある。今週のジェネシス招待は、ウッズにとっては7カ月ぶりの復帰戦であり、さらなるメジャー優勝に向けてのウォーミングアップの場でもある。
その2つを同時にこなそうとしているところが、さすが永遠の王者だ。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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