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- 先週フェアウェイキープ率93%! 畑岡奈紗の正確無比なドライバーすぐ真似できる点と注意点
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、米国女子ツアー「DIOインプラントLAオープン」の畑岡奈紗です。
クラブを短く持っても手打ちしないこと
3月30日から4月2日の日程で、米女子ツアー「DIOインプラントLAオープン」が開催されました。通算15アンダーで優勝したのは、20歳のイン・ルオニン選手(中国)です。ツアー2年目でうれしい初勝利を挙げました。
この試合には、日本勢6名が出場。笹生優花選手と古江彩佳選手は残念ながら予選落ちしてしまいましたが、ディフェンディングディングチャンピオンとして大会を迎えた畑岡奈紗選手と米ツアールーキーの勝みなみ選手はともに通算10アンダーで7位タイ、渋野日向子選手は通算6アンダーで17位、西村優菜選手は通算1アンダーの43位タイでフィニッシュしました。
この大会で注目したのは、畑岡選手のドライバーショットです。最終日のフェアウェイキープ率は100パーセントで、4日間では56ホール中52ホール(92.8パーセント)という抜群の精度でした。昨シーズンのフェアウェイキープ率73.99パーセント(76位)と比較すると、ドライバーショットはかなり良い状態だったといえるでしょう。
ティーショットが安定していた要因は2つあります。1つは地面反力を使いすぎないようにスイングを修正していること。以前はダウンスイングで地面を蹴り上げてヘッドを走らせていましたが、このスイングはリリースポイントが速くなりやすく、タイミングがずれると曲がる可能性があります。一方、足の踏み込みを抑えた今のスイングは、ヒッティングポイントが左にくるため、ハンドファーストでボールをとらえることができ、ラインを出しやすくなるのです。
ドライバーショットが曲がらなかったもう1つの要因は、クラブを短く持っていたことです。今大会、畑岡選手は徹底して1インチほどクラブを短く持っていたのが印象的でした。クラブを短く握るといえば、同週に開催された国内男子ツアーの開幕戦「東建ホームメイトカップ」で優勝した今平周吾選手を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。
畑岡選手の下半身の使い方をすぐに取り入れることは難しいかもしれませんが、ドライバーに不安があるなら、畑岡選手や今平選手のようにクラブを短く持ってみるといいでしょう。ポイントは手打ちをしないこと。短く握るとバランスが軽くなり、手先で振りやすくなるので要注意です。胸板と腕を同調させてコンパクトに振ると、ショットの精度が上がるはずです。
畑岡 奈紗(はたおか・なさ)
1999年生まれ、茨城県出身。16年の「日本女子オープン」で国内メジャー史上初のアマチュア優勝達成。その後、プロ転向して翌17年から米ツアーに参戦。同ツアーでは18年に初勝利を挙げ、昨シーズンは「DIOインプラントLAオープン」で米ツアー通算6勝目を達成した。日本ツアーでも、19年に「日本女子プロゴルフ選手権」、「日本女子オープン」を制するなど、ツアー通算5勝を挙げている。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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