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- 「球がつかまらない」 まず疑うべきは“スイング”よりも“ボール位置” 名手・藤田寛之でさえ毎日ズレる
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回はジャパンゴルフフェアで藤田寛之選手が披露した「アドレスの話」についてです。
アドレスやスイングは季節や疲労度で毎日変わる
約1カ月前にさかのぼりますが、3月10日から12日の日程で「ジャパンゴルフフェア2023」がパシフィコ横浜で開催されました。期間中は、多くのゴルフファン、関係者が会場に足を運びましたが、私も契約先のヤマハゴルフさんのトークイベントにMCとして参加。藤田寛之選手、有村智恵選手、今平周吾選手とともに出演させていただきました。
トークイベントは、ヤマハさんが6月にリリースする予定のスイング補助アプリ「PLAY SWING」の発表会だったこともあり、3選手には、スイングについてさまざまな話を聞くことができました。

興味深い話はたくさんありましたが、中でも印象に残っているのは、藤田選手の話でした。藤田選手は、2012年に年間4勝を挙げて賞金王に輝くなど、レギュラーツアーで通算18勝を挙げ、昨年はシニアツアーでも2勝を挙げているトッププロです。
これだけ実績のある選手ですが、日々データをとり、過去の自分と今の自分の比較やクラブの通り道などをチェックしているそうです。
「365日、藤田寛之プロなのにそんなに変わりますか?」と私が聞くと、「季節によって変わるのはもちろん、疲労度などによっても、アドレスやスイングは毎日変わります」とのことでした。
特に気を付けなければいけないのはアドレスです。いつも同じように構えているつもりでも、背中が丸くなっていたり、ボールをセットする位置が変わっていたり、握り方が変わっていたりと、微妙なズレが生じている場合があります。藤田選手はコースに行くと、毎朝アドレスをチェックし、細かい修正を行っているそうです。
例えば、ボール位置は弾道を見ながら修正。ボールがつかまりすぎている時はボール位置がいつもより左寄り、右にプッシュしている時はボールが中に入りすぎているケースが多いそうです。
藤田選手ほどのプレーヤーでもボール位置がズレるわけですから、「ボール位置は毎日変わってしまうもの」と考えておきましょう。もしも、「いつもより球がつかまらないな」と感じたら、スイングの細かい動きを修正するよりも先に、「ボール位置がいつもより右寄りになっていないか」をチェック。ボールを少し左にセットするといいでしょう。
藤田 寛之(ふじた・ひろゆき)
1969年生まれ、福岡県出身。92年にプロ入りし、97年にツアー初勝利。最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で史上初の3連覇を飾った12年は、年間4勝を挙げて賞金王を獲得。19年に50歳となってからもレギュラーツアーで活躍し、23年連続で賞金シードを確保。昨シーズンは「スターツシニアゴルフトーナメント」でシニアツアー初勝利を挙げるなど年間2勝を挙げた。葛城ゴルフ倶楽部所属。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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