ダフリのミスは「上から打つ」だけでは解決しない
アイアンやウェッジでのダフリは、弾道測定器でも「ダウンブロー」と表示されることはありません。
ダウンブローのインパクトは、スイング孤の最下点より手前(右)側にボールがあるため、物理的に起きることです。そこで「上からダウンブローに打ちなさい」というアドバイスが生まれてしまうのですが、アイアンやウェッジの入射角はそれほど鋭角ではありません。
ものすごく長くて深いターフを取っているイメージが強いPGA選手ですが、7番アイアンの入射角は3〜5度ほどです。ウェッジで「ダウンブローなインパクトでスピンをかけた」という時でも10度ほどです。
ちなみに「20〜30ヤードのピッチ&ラン」をダフらず、ターフを取らず普通に打つと入射角は6〜8度になりました。ダフらない限り、アイアンやウェッジでロフトなりの弾道とスピン量を得るためには、鋭角に上から打つ必要はないのです。
その証拠の一つとして、ロイヤルコレクション「BBウェッジ」の人気の秘密「鋭角な軌道でダフっても抜けを補正する」という独自のバウンスバックソールがあります。ウェッジに限らずアイアンにもわずかにバンス角度が付いているのは、鋭角過ぎるインパクト軌道によって刃が地面に刺さらないための工夫なのです。
3Dプリンターで「ダウンブローの入射角」を可視化
せっかくなので、具体的にどれぐらい上から打てばいいのかを確認してみましょう。今回は3Dプリンターで傾斜を作り、「ダウンブロー2度」の入射角ジオラマを作ってみました。
ちなみにハンドファースト(シャフトの傾き)は7度。PGAツアー選手のアイアンショットでのインパクトに近いイメージで、薄くて長いターフがしっかり取れる感じです。
もしアマチュアがこんなインパクトを7番アイアンで出来たら、170ヤード以上はキャリーしていると思います。
この角度を実際に見ると、「想像以上に浅い」と感じるかも知れません。実際この状態でショットしてみると3〜6度ぐらいのダウンブローでインパクトできました。
もし自分で普通のダウンブローを体感したい場合は、ボールの後方に名刺やメモ用紙を一枚置いて、破れないようにショットしてください。ヘッドの風圧で動くぐらいのギリギリの入射角でインパクトしても、ダウンブローになっているはずです。