「タイプはどっち?」イ・ボミ姉さんから見た石川遼と松山英樹

「イ・ボミの“チンチャそれ!” 」Vol.4。日本女子ツアー参戦から11年目を迎えたイ・ボミ選手。2015、16年には2年連続で賞金女王となり、今も多くのファンから愛されている彼女が、現在の心境を本音で語る連載です。(構成:キム・ミョンウ)

韓国女子に「カッコいい!」と言われていた遼くん

 今回はみなさんがよくご存知の日本男子プロゴルファーの石川遼選手と松山英樹選手のお話をしたいと思います! 私は2人を“遼くん”、“英樹”と呼びます(笑)。まずは遼くんについてですが、今年30歳を迎えたというニュースを見てもうそんな年齢と驚きましたが、私も33歳ですから当然ですよね。

石川遼と松山英樹。日本の2大スターをイ・ボミはどう見ていたのか

 彼は日本のプロゴルファーの中ではスターです。有名になればなるほど、自分を大きく見せたり、カッコつけたりするのかなと思っていたのですが、遼くんはそういうことをしません。

 遼くんと初めて会ったのは、私が高校生の時。日本で国際大会があったのですが、そこに遼くんもいました。彼は当時中学3年で、私は高校3年。当時、遼くんは私の周りでもすごく有名で、周囲の韓国女子選手たちはみんな「遼くん、カッコいい!」って言っていたんです。

 あ、そこに(薗田)峻輔もいましたね。日本の女子選手には木戸(愛)ちゃんや(櫻井)有希がいたのを覚えています。

 私が2011年に日本ツアー参戦した時、幼かった遼くんがすごい人気選手になっていてすごく驚きました。日本で何度かお会いする機会があったのですが、プレーがうまくいかないときには、悩みを聞いてくれたり、このスイングをしてみてたらどうですか?とアドバイスをくれるときもありました。

「今の気持ちやスイングでの悩みがすごくわかる」と言ってくれたときは本当にありがたかったです。今も変わらずフレンドリーに接してくれます。

 ジュニアのころからたくさんの人たちに愛されて育ち、30歳になった今も変わらない素直な性格がすごくいい部分。自分が日本のゴルフ界を引っ張っていくという気持ちがありながらも、常に模範になろうとする姿はすごく尊敬できます。

冷たい印象だった英樹も「少し変わった!」

2016年、松山と石川で出場したワールドカップでの一コマ 写真:Getty Images

 一方で英樹は米メジャーのマスターズで優勝して、今では日本が世界に誇るゴルファーになりました。本当にこれはすごいこと。私が初めて賞金女王になった2015年末にとんねるずさんの番組で、遼くんと英樹と一緒に共演したのを今も覚えています。

 それに先日、日本で開催されたZOZOチャンピオンシップでも優勝しましたが、母国のファンの期待に応えるという気迫がプレーから伝わりました。世界1位への階段をかけ上ってほしいというファンもたくさんいると思います。

 ただ、英樹とは遼くんほど話したことがありません。初めて会った時もかなりシャイな一面があると思いましたし、あまり自ら積極的に話す性格ではないのかなという印象でした。

 でもマスターズに勝ったときはグリーンジャケットを着たあと両手を上げて思い切り喜んでいまいたし、ZOZOチャンピオンシップで勝ったときも、優勝カップを持ったときもお茶目な姿を見せていたので、「あ、少し変わったのかな」と感じました。

 うれしいときは笑顔を見せ、悔しいときは泣くといった感情を表に出すことができる人が私はすごく好きです。

 米ツアーでたくさんの人と出会って学んだのでしょう。私が第一印象で少し冷たいなと感じた“英樹”とは違う温かい姿が見られて、なんだかうれしかったです。これからもっと素の自分を見せてほしいなってお姉さんは思っています。これは3歳年上のお姉さんとして感じたことですから、あまり真に受けないでくださいね(笑)。

 タイプはどっちなのか? 正直に言います……。遼くんです!(笑)。2人ともタイプが違うゴルファーですし、きっと好みが分かれるところですが、向いている方向はきっと同じだと思います。

 英樹にはこのままトップランナーとして走り続けてもらいたい! 遼くんは再びアメリカに挑戦するそうですが、私は心の底から応援しています!

【プロフィール】
イ・ボミ/1988年生まれ、韓国出身。2010年に韓国女子ツアー賞金女王となり、11年から日本ツアーに参戦。15年に7勝、16年は5勝して2年連続で賞金女王となる。ツアー通算21勝。2019年12月に俳優イ・ワン氏と結婚。愛称は“スマイル・キャンディ”。延田グループ所属

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