ドライバーもボールも今より全然飛ばなくなる!? 衝撃のルール変更案をR&AとUSGAが発表 | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

ドライバーもボールも今より全然飛ばなくなる!? 衝撃のルール変更案をR&AとUSGAが発表

ゴルフの楽しみであり魅力の大きなものとして「飛ばし」があります。200ヤード以上先までボールを飛ばせる競技などなかなかないですから当然でしょう。しかし、世界のゴルフを統括する2団体が飛距離を大幅に抑制しようと目論んでいるようです。

ボールとクラブ両方で初速を抑制しようと目論む

 6月8日、世界のゴルフルールを統括するR&AとUSGAはゴルフメーカーに対して今後のゴルフクラブやボールに関する提案要綱を発表。それはドライバー、ボールの飛距離性能を大幅に減少させる衝撃の内容でした。

ブライソン・デシャンボーのような飛距離でコースを制圧するゴルフの台頭にR&AやUSGAは危機感を強めたのだろうか 写真:Getty Images

 ここ数年、R&AとUSGAはトッププレーヤーの飛距離が伸びすぎていることを危惧し、ゴルフクラブを規制することで飛距離を抑える提案やルール変更を行ってきました。その1つとして、2022年1月からはクラブの長さの上限を48インチから46インチに変更(パター以外)。しかし、今後はさらなるルール規制を積極的に行う提案をするようです。

 6月8日に発表された内容では、まずボール初速に関する提案がありました。現在のボール初速はヘッドスピード120mph(53.64m/s)で打ったときに規定のスピードに到達しないボールをルール適合としていましたが、今後は125mph(55.88m/s)から127mph(56.77m/s)で打ったときのボール初速が基準値に収まるボールのみ認めるように変更。

 分かりやすく説明すると、これはミート率(ボール初速÷ヘッドスピード)を抑える提案であり、ヘッドスピードが速い人が打ってもボール初速が上がらないようにするためのもの。その結果として、現在市販されているゴルフボールはほとんどがルール違反となる可能性が高いです。

 さらに、08年に一度規制されたドライバーの反発性能においてもメスを入れる提案がありました。08年のルール改正ではフェースの反発性能を示すCT値を257μs(239μsから許容値としてプラス18μs)までに制限しました。CT値というのはフェースに金属球をぶつけたときの接触時間から反発係数を割り出したもの。そのCT値を制限したことで、08年以降は06年モデルまでの主要ドライバーの多くが競技で使えなくなりました。

 今回はさらに反発性能を抑えて、CT値は170μsを上限として検討しているそうです。反発性能は大幅に落ちることになります。

 ボール初速だけでなく、最近話題になることが多い慣性モーメントについても大幅変更を提案しました。慣性モーメントというのは、物体の回転しにくさを示す数値であり、ゴルフクラブの場合はミスヒットした場合のヘッドのブレにくさを表す基準となっています。

 現在のルールでは慣性モーメントの上限(左右方向)は5900g・平方センチですが、今回提案されたものは2000g・平方センチと約3分の1まで縮小することを検討。これは現在のアイアンヘッドよりも低い慣性モーメントで、90年代前半のメタルヘッドに近い数字です。今、ゴルフショップに並んでいるドライバーの慣性モーメントはほぼ全てが4000g・平方センチにはなっているはずなので、それらのドライバーはすべてルール違反となってしまいます。

ゴルフを数十年前に引き戻そうとしているのか?

 今回の提案について、幅広いゴルフメディアで活躍している今野一哉プロはこう語ります。

「この提案がすべて実現すると、350ヤード飛ばしているPGAツアーのトップ選手でも300ヤードから310ヤードくらいになってしまう可能性があると思います。ただし、平均スコア100前後のアマチュアゴルファーで、ドライバーの飛距離が220ヤード前後の人であれば、10ヤード前後しか影響しないと思います。そもそも、ドライバーが飛びすぎているというのは世界のトッププレーヤーにのみ問題視されている現象なので、本来は野球の金属バットと木製バットのように、プロとアマチュアで使う道具が違ってしかるべきでしょう。でも、ゴルフの場合は高反発クラブ規制のとき(08年)もそうでしたが、ツアープロに規制をかけると、アマチュアゴルファー全体がルール適合クラブを使う流れになってしまうので、ルール改正するといろんな反発もあるし、難しさもあると思います」

 今回の提案にも大きな反発が予想されますが……。

「正直、私も第一印象は馬鹿げた提案だなと思いました。ゴルフはボールを遠くまで飛ばせるというのが最大の魅力ですからね。ただし、R&AとかUSGAが目指しているゴルフの試合は、ゴルフの原点にあったような時代なのかもしれないと思います。当時はパーシモンのドライバーに羽毛が詰まったボールでセントアンドリュース等で試合をしていたわけですから、今よりもゴルフがはるかに難しかった。当時はパー5でツーオンする選手はほとんどいなかったと思いますし、ツアープロでもパープレーで回るのが簡単ではなかった。今、アマチュアゴルファーにとってはゴルフはすごく難しいスポーツですが、プロゴルファーにとっても難しいスポーツにしたいという提案のような気がします」

 今回の発表は提案段階のもので、R&AとUSGAは今年の9月2日までゴルフメーカーや団体からの回答を待つそうです。果たして、飛距離規制は本当に行われるのか。行われるならどのような内容になるのでしょうか。

この記事の画像一覧へ(8枚)

画像ギャラリー

高反発ドライバーは反発性能に優れた高強度TiVSを採用。フェース外周部を極限まで薄くすることで反発力を高めている(マジェスティゴルフ)
アイアンはバックフェース部分に会津絵を施している(マジェスティゴルフ)
ヘッドカバー類も高級感が漂う(マジェスティゴルフ)
ヘッドカバー類も高級感が漂う(マジェスティゴルフ)
ヘッドカバー類も高級感が漂う(マジェスティゴルフ)
伝統工芸・会津絵を施した適合モデルドライバー(マジェスティゴルフ)
もはや神々しささえ漂う「770万円」のフルセット(マジェスティゴルフ)
ブライソン・デシャンボーのような飛距離でコースを制圧するゴルフの台頭にR&AやUSGAは危機感を強めたのだろうか 写真:Getty Images

最新記事