「人間関係は“狭く深く”だからこそもっと期待に応えたい」
シーズン中は長いなぁと感じるのに、楽しい時間は本当にあっという間で、2022年も残りわずかとなりました。毎日、誰かに祝ってもらう12月で、本当にうれしい忙しさで、お世話になった人たちと喜びを分かち合えることもなかなかないなと実感する毎日でした。改めてたくさんの人に支えられて、応援してもらっていたんだなと思いました。

そんなときによく聞かれるのが「訳の分からない人とかあまり仲良くない人からもたくさん連絡が来るでしょう?」ということ。もちろん、そんな人からも連絡は来ます(笑)。
でも、私が大事に思っていたり好きな人たちは、振り返ってみるとずっと近くにいてくれましたし、どんなに私の成績が悪いときでも離れずに接してくれて、励まし、応援してくれました。
人見知りなので、そこまで交友関係も広いとは思わないのですが、どちらかといえば、私の人間関係は“狭く深く”だと思います。だからこそ、もっと頑張って期待に応えていきたいという思いがさらに強くなりました。
「やっとスタート地点に立てたと思っている」
本当に今年は序盤から苦労も多かったですが、結果的には優勝もあって、激動の1年でした。今でも勝ったシーンは鮮明に覚えていますが、過ぎたらもう昔のこと。これからはほとんど振り返ることはないかもしれません。
それにゴルフ人生は今年で終わりではないので、次に切り替えて前に進んでいます。新たに気持ちを強く持って戦おうと気を引き締めています。
来年は私の中ではすごく大事な年です。またうまくやれれば、もっとゴルフを長く続けられると思いますし、ゴルフは年齢じゃないというのも見せられると思います。これまでやってきたことがもっと報われるようにしたい。こう言うと「それよりももっと楽しめよ」って言われますし、私も笑顔でゴルフをしたいと思っています。
けれども、私は相変わらず成績にこだわっていきたい。そう思うのは、細々とやっていたけれど、優勝できてやっとスタート地点に立てたと思っているので、気持ちの面ではすごく気合いが入っています。
きっとまた辛いこともあると思うんです。でも優勝したときの気持ちをまた味わいたいので、それを胸に頑張っていきます。次に優勝したらまた泣いちゃうかって? いや、もう泣きません(笑)。早い時期に3勝目を手にして、みんなに笑顔を見せたいです。また来シーズン、元気な姿でお会いしましょう!
金田 久美子(かねだ・くみこ)
1989年生まれ、愛知県名古屋市出身。3歳からゴルフを始め、8歳の時には世界ジュニア選手権で優勝。タイガー・ウッズに並ぶ記録で“天才少女”として注目を浴びる。アマチュアとして出場した2002年のリゾートトラストレディスで、12歳9カ月での最年少予選通過記録を樹立。08年のプロテスト初挑戦は1打足りずに不合格も、同年のファイナルQTをトップ通過してツアー出場権を得る。プロ3年目のフジサンケイレディスクラシックで初優勝。22年樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメントで、11年ぶりのツアー2勝目を挙げた。愛称は“キンクミ”。その風貌から“ギャルファー”の異名を取った。スタンレー電気所属。