投影面積が大きく安心感のある「Qi10 MAX」
みなさんこんにちは、ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。年明けから新しいドライバーシリーズがいくつか発表されております。そのなかでもテーラーメイドの新商品「Qi10」シリーズはかなりの注目度。
さっそくPGAツアーなどで使用プロが優勝したりしてますよね。今回発表されたのは3種類のヘッドなのですが、そのなかで僕が注目したのは「Qi10 MAX」です。
これは「Qi10」という名前の由来にもなっているヘッドで、とにかく曲がらず飛ぶのだとか。ということで、本当に曲がらないのかコースに持ち込んで試してみました。
そもそも「Qi10」の「10」というのは「10K=10000」ということを意味します。この「Qi10 MAX」は慣性モーメントが10000を超えているという意味なんですね。
しかし、左右慣性モーメントに関しては5900という上限がルールで決められているので、今回は左右・上下の慣性モーメントを合わせると10000を超えるということなんです。
トウ・ヒールに打点がズレたときだけでなく、上下にズレたときも曲がらず、飛距離も落ちにくいということなんですね。ちなみに「Qi10」シリーズのヘッドで慣性モーメントが10000を超えているのはこの「MAX」だけです。
まず構えてみると、ヘッド形状がけっこう丸くなったな、と感じます。「SIM」以降のテーラーメイドのドライバーはネック側がシェイプされた洋ナシ型のヘッド形状になっていたのですが、これはシェイプが少なくかなり丸いです。
他の2モデルはもっと洋ナシ形状ですが。丸いけど構えにくさはなくて、僕は結構この形好きです。後ろに少し伸びているような感じで投影面積は大きく、安心感があります。
試打したのはロフト10.5度でシャフトは純正「ディアマナ BLUE TM50」のフレックスS。中調子でトルク4.3というシャフト。これで総重量は約310グラム、バランスはD3.5ということです。
大慣性モーメントモデルのデメリットがなくなっている
実は僕はあまり慣性モーメントの大きいヘッドはうまく打てないタイプなんです。ヘッドをターンさせるタイプなので、慣性モーメントの大きいヘッドだとスイング中に違和感があってインパクトでスクエアに戻りきらないんです。なので、この「MAX」に関しては僕にはあまり合わないと思って使いました。
しかし、これが予想に反して、かなり振りやすい。慣性モーメントの大きいヘッドにありがちな扱いにくさがないんですよね。インパクトではしっかりとスクエアに戻るし、ボールのつかまりもよかったです。
これはヘッドの多くの部分をカーボンにすることで生み出された余剰重量を最適配分しているおかげなんでしょうね。
振りやすさを感じながらも、もちろん慣性モーメントの大きさも感じられました。だってけっこうトウ側やヒール寄りに当たりましたが、どれも曲がりが少なく、フェアウェイにきっちり残っているんです。
明らかに手応えとしてはミスヒットなんだけど、弾道を見るとそこまで曲がらないという不思議な感覚。飛距離の落ち込みも少ないですね。これが慣性モーメント1万超えの性能かと感心しました。
打音はカーボンならではの少し低めの音ですが、少しだけ最後に高めの反響音がある感じで打感は軟らかめでした。