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ディアマナ、ベンタス、ツアー AD、アッタスを作っている“4大シャフトメーカー”パッと出てくる? それぞれの特徴を解説!
日本国内におけるシャフト界の4大メーカーといえば、「三菱ケミカル」、「フジクラ」、「グラファイトデザイン」、「USTマミヤ」です。今回はこれら4大シャフトメーカー、それぞれの特徴について人気フィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんに聞きました。
材料開発から成型までを一貫して管理「三菱ケミカル」
日本国内におけるシャフト界の4大メーカーといえば、「三菱ケミカル」、「フジクラ」、「グラファイトデザイン」、「USTマミヤ」です。各社、毎年新しいモデルのシャフトを発売し、しのぎを削っているのですが、メーカーごとにやや特徴が異なっています。本日はこれら4大シャフトメーカー、それぞれの特徴を説明します。
まず、三菱ケミカルですが、材料開発から成型までを一貫して管理できる世界で唯一のシャフトメーカーです。このメリットを生かすことで他社メーカーより細部まできめ細かく設計出来るのが最大の強みといえます。私が最も凄いと感じている点は、重量が変わってもフレックスが同じなら振動数がほぼ変わらないという設計を採用している所です。一般的には50グラム台のSシャフトと、60グラム台のSシャフトを比較すると、重量が重い60グラム台のSシャフトの方が半フレックス程度、振動数が高く出ます。しかし、三菱ケミカルのシャフトは、ほぼ振動数の数値が変わらないように設計しています。これは他社メーカーが簡単に真似できない点なので、私が三菱ケミカルを推す最大のポイントとなっています。ちなみに代表的なモデルは「ディアマナ」や「テンセイ」があります。
「スピーダー」「ベンタス」が好調!「フジクラ」
次はフジクラですが、近年国内女子ツアーで圧倒的なシェアを獲得しているメーカーです。主力のシャフトは女子プロに人気の「スピーダーシリーズ」ですが、近年は「ベンタスシリーズ」も好調で、こちらは男子ツアーでよくお目にかかるようになりました。私が感じるフジクラの最大の魅力は、シャフトのすみ分けがしっかりしている点です。シャフト自体の性能はもちろんですが、自社のシャフトがバッティングしない開発、販売方法が他社メーカーよりうまいなと感じます。また、ウッドシャフトだけでなくアイアンやパターにも力を入れており、特にアイアン用シャフトの「トラヴィル」は、カーボンアイアンシャフトの流れを一気に加速させた名器といっても過言ではありません。フィッティングにも力を入れており、4大シャフトメーカーの中で最もユーザー目線のメーカーだと感じています。
松山英樹や石川遼も愛用「グラファイトデザイン」
続いてはグラファイトデザインですが、国内男子ツアーで常に高い使用率を誇るメーカーです。松山英樹プロや石川遼プロが長く愛用しているのは有名な話です。グラファイトデザインのすばらしい所は、カタログから過去モデルがなかなか消えない所です。これは、言い換えれば、過去モデルでも自信を持って販売できるということです。特に「超」がつくほどのロングセラーシャフトに「Tour AD DI」があり、こちらは発売から10年以上たっていますが、未だに根強い需要があります。以前は中調子のシャフトが多かったですが、近年は手元や先などの味付けも多くなりカスタムシャフトとしての面白みが一層増した気がします。元々固定ファンが多かったメーカーですが、アイアン、ハイブリッドシャフトのラウネの登場などでさらにシェアを拡大しています。
派手なカラーリングが目を引く「USTマミヤ」
最後にUSTマミヤですが、とにかくシャフトの派手なカラーリングが目を引くメーカーです。また、ネーミングの面白さも毎年注目され、話題性という観点でいえば4大シャフトメーカーで一番といえます。とはいえ、当たり前ながらシャフト自体の性能も話題性に負けていません。特に「アッタスシリーズ」はユーザーにとって合う、合わないが典型に出るシャフトだと感じています。
そもそもカスタムシャフトは純正シャフトと違って、本当に自分に合う製品を選ぶのを主眼に置いています。そういう意味では、選び方さえ間違わなければ、USTマミヤのシャフトは長く愛用出来る可能性を秘めています。ちなみに同社はフィッティングにかなり力を入れており、ベストのシャフトを選んでくれる体制を常に整えています。独自のYouTube発信でフィッティングを広めていることでも有名です。
以上のように、各社それぞれ独自色があります。シャフト単体の良さは当たり前ながら、メーカーそれぞれの特徴を知ることで、より自分が使用しているシャフトへの思い入れが強くなることもあります。私自身は新しいシャフトが発売されるたびに、メーカーがどういった思いでこのシャフトを発売したのだろうと考えるだけでもワクワクします。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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