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「HS40m/s弱」で飛ぶのは? 高MOIだと球がつかまらない人に「ドローが得意な国内メーカー」の軽量ドライバーを試打比較
多くのゴルファーを悩ませているのが、ドライバーでのスライスです。各クラブメーカーがスライサー向けのモデルを用意していますが、いったいどのモデルを購入すれば幸せになれる? そこで今回は、国内メーカーの“球をつかまえやすいドライバー”4モデルをピックアップ。ゴルフライターの鶴原弘高がヘッドスピード38m/sで試打して、ゴルファータイプ別のおすすめを調べてみました。
もともと国内メーカーには“球をつかまえやすいクラブ”が多い
昨今のドライバーは、ヘッドの高慣性モーメント化がトレンドになっています。たしかに曲げずに飛ばすには高慣性モーメント化が有効なのですが、ゴルファーが振りづらさを感じていたり、球をつかまえづらくなる弊害も生じています。そんななかで“球をつかまえやすく、なおかつ曲がりづらいドライバー”として発売されている4モデルを集め、試打クラブのスペックを揃えてヘッドスピード38m/sで試打検証してみました。

ブリヂストン B3 MAX D ドライバー
・ロフト角:10.5度
・標準シャフト:VANQUISH BS 40 for MAX(S)
・総重量:288グラム(※SR装着時の重量)
プロギア RS ドライバー
・ロフト角:10.5度
・標準シャフト:TENSEI FOR PRGR(S)
・総重量:308グラム
ヤマハ インプレス ドライブスター タイプD ドライバー
・ロフト角:10.5度
・標準シャフト:SPEEDER NX for Yamaha TM-425D(S)
・総重量:289グラム
本間ゴルフ TW767 MAX ドライバー
・ロフト角:10.5度
・標準シャフト:VIZARD EZ-C(S)
・総重量:302グラム
国内メーカーのモデルに絞ったのは、もともと球をつかまえやすいクラブが作ることを海外メーカーよりも得意にしているからです。これは国内メーカーのクラブ設計思想の伝統のようなものに由来します。もちろん海外メーカーにも球のつかまりを優先したモデルがありますが、総じて言うと、そういう傾向にあります。では、さっそく打ってみましょう!
比較試打すると、各モデルの特徴が見えてきた

ブリヂストン「B3 MAX D」は、弾道の直進性が高く、適度な低スピン弾道を打ちやすいのが特長です。高慣性モーメント化された大型ヘッドならではの寛容性の高さと、球のつかまえやすさのバランスに優れている印象を受けます。標準シャフトはフレックスSでもたわみが大きく、かなり軟らかめ。ヘッドスピード35m/sでもフレックスSが問題なく使えます。逆に言うと、ヘッドスピード40m/sの人には物足りなく、使うべき標準シャフトのフレックスがないことになります。
プロギア「RS」は、オーソドックスなヘッド形状で小ぶりに見えるのも特徴です。その小ぶりヘッドのおかげで操作性が良く、積極的にフェースローテーションをして自分で球をつかまえたい人に最適。もし直進性を優先するなら、同シリーズの「RS MAX」のほうが選択肢に入るでしょう。標準シャフトのフレックスSは、ヘッドスピード40m/sにジャストマッチ。軽量を好むゴルファーには約6グラム軽い「Diamana for PRGR」も標準シャフトとして選択できます。

ヤマハ「インプレス ドライブ スター タイプD」は、ネックからフェース部にかけてオフセットが付けられていて、見るからに球をつかまえやすそうな顔つき。ところが、打ってみると、今回試打した4モデルのなかではもっとも球のつかまり度合いが控えめ。どちらかいうと直進性に重点が置かれています。先中調子の標準シャフトは、10Kを達成している高慣性モーメントのヘッドに負けてしまいがち。ヘッドスピードを40m/sまで上げると弾道がバラける傾向にありました。
本間ゴルフ「TW767 MAX」は、現代的な投影面積の大きいヘッドですが、本間ゴルフらしいキレイなヘッドシェイプ。スクエアに構えやすいところが好印象です。打ってみると、高慣性モーメントらしいゆったりした振り感にもかかわらず、驚くほどオートマチックにヘッドがターンします。絶対に右方向にボールを飛ばさないようなヘッド挙動で、標準シャフトも球をつかまえる補助をしてくれます。ただし、今回試打した4モデルのなかではクラブ全体にもっとも重量感がありました。
いちばん球をつかまえやすく、曲がりづらいドライバーは?

著者が試打したところ、もっとも球をつかまえやすくてドローを打ちやすかったのは本間ゴルフ「TW767 MAX」でした。次にブリヂストン「B3 MAX D」、プロギア「RS」、ヤマハ「インプレス ドライブ スター タイプD」の順となりました。また、球のつかまえやすさ、曲がりづらさ、振り抜きやすさという三要素のバランスで選ぶなら「B3 MAX D」がイチオシになります。
4モデルのなかで毛色が違うのは、プロギア「RS」。このモデルは強制的にドローを打たせるモデルではなく、自分でフェースターンして球をつかまえたい人に適しています。小ぶりヘッドの振り抜きの良さを求める人にもオススメします。「インプレス ドライブ スター タイプD」は、弾道の直進性が優先されていて、そこに少しだけドロー要素が入っているという印象です。
個々のゴルファーが感じる“振り感”もクラブ選びの重要な要素

球がつかまるドライバーを求めるときに、オートマチックに球がつかまってほしいのか、自分の意思を伝えて球をつかまえたいのか、まずはこの2種類からモデルを選ぶべきです。前者の典型的なモデルが本間ゴルフ「TW767 MAX」、後者がプロギア「RS」です。「RS」のような類のドライバーは現代では希少になっているので、選択肢が少ないことも知っておくといいでしょう。
前述したように、今のトレンドになっている高慣性モーメントのドライバーは、ミスヒットに強くて曲げずに飛ばしやすいメリットがありますが、スイングしたときにクラブを重く感じてしまうデメリットもあります。その“振り感”をどれくらい許容できるかは、個々のゴルファーによって違ってくるものです。
今回の企画趣旨では本間ゴルフ「TW767 MAX」がナンバーワンと言えますが、ぜひ皆さんもご自身でこれらのモデルを打ち比べて、自分にとってちょうどいい“振り感”と球のつかまりを備えたモデルを選び出してみてほしいです。
試打・文/鶴原弘高
つるはら・ひろたか/1974年生まれ。大阪出身。ゴルフ専門の編集者兼ライター。仕事のジャンルは、新製品の試打レポート、ゴルフコース紹介、トレンド情報発信など幅広く、なかでもゴルフギア関連の取材が多い。現在はゴルフ動画の出演者としても活躍中。YouTubeチャンネル:『A1 GOLF CLUB』(https://www.youtube.com/@A1_GC) Instagram:@tsuruhara_hirotaka
【取材協力】フライトスコープジャパン

今回の取材はフライトスコープジャパン本社内のパフォーマンススタジオをお借りし、「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボールを用いて計測を行いました。
公式サイトhttps://flightscope.co.jp/
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