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高い! けど欲しい!! “飛び道具”チタン製フェアウェイウッド「テーラーメイド」「ピン」「ヤマハ」を試打比較
実はプロにも使用者が多いチタン製フェアウェイウッド。ゴルフライターの鶴原弘高が、メーカー各社の新製品を比較試打して性能を検証する定例企画「ギアくら―Gear Comparison club―」の第4回は、テーラーメイド「ステルス2 プラス」、ヤマハ「RMX VD」、ピン「G430 LST」のチタン製フェアウェイウッド3モデルを打ち比べました。
チタン製フェアウェイウッドの飛びは値段が高いだけある?
ドライバーのヘッド素材としてポピュラーなチタンですが、もともとフェアウェイウッドにはあまり使われていない素材でした。フェアウェイウッドはドライバーよりもクラブ長が短く、ヘッド重量を重く設計してもいい番手なので、わざわざ強度が高くて比重が軽いチタンを使う必要性がなかったからです。ところが近年、メーカーによってはフェアウェイウッドにもチタンを使ったモデルを開発して発売するようになっています。それは、なぜか。

一番の理由は、ヘッド素材にチタンを使うことでステンレス以上の“余剰重量”を生み出せるからです。チタンを使えば、ヘッド自体の強度を保ったうえで、ヘッドの他の部分に多くの重量を配分することができるようになります。さらにクラウン部分にカーボン素材を組み合わせると、ヘッド上部をさらに軽くすることができます。
今回試打する3モデルを筆頭に、ヘッドの設計自由度が増したチタン製フェアウェイウッドでは、ヘッド重量の多くがソール部に配置されています。このような設計にすることでヘッドをより低重心化して、打ち出し角を高く、なおかつ低スピンで飛ばせるモデルになっているのです。

端的にいうと、チタン製フェアウェイウッドの長所は、地面から打ってもドライバーのような強い弾道で飛ばしやすいこと。短所としては、ステンレス製のフェアウェイウッドよりも高価になってしまうことが挙げられます。「ステルス2 プラス フェアウェイウッド」は6万500円~、ヤマハ「RMX VD」は5万8300円~、「G430 LST」はなんと9万3500円~です。
ちなみにボール初速性能は、フェース素材がチタンでもステンレスでも大差ありません。近年のフェアウェイウッドは、ステンレス製のフェースでもルール限界の反発性能を実現しています。
3モデルとも上級者に好まれそうな洋ナシ型のヘッド形状

■構えてみると:
「ステルス2 プラス」「RMX VD」「G430 LST」のヘッドを上から見比べると、ヘッドサイズはどれも同じぐらいに感じられます。カタログ上の3番ウッドのヘッド体積は、「ステルス2 プラス」が170cc、「G430 LST」が169cc。「RMX VD」はカタログにヘッド体積が明記されていませんが、ほぼ同じくらいでしょう。3モデルともアスリート向けフェアウェイウッドの標準サイズといえます。
カタログ上でのクラブ長は、「ステルス2 プラス」が43.25インチ(※標準シャフト装着モデル)、「G430 LST」が43インチ、「RMX VD」が43インチとなっていますが、実際に構えてみると「RMX VD」が他の2モデルよりも少しだけ長く、「G430 LST」が最も短い。「ステルス2 プラス」がそれらの中間ぐらい。メーカーによって計測方法が異なるので、このような差が出てきます。
3モデルとも上級者に好まれそうな洋ナシ型のヘッド形状。ヘッド後方のトウ側にふくらみがあり、ヒール側が引き締まっているシェイプになっています。「G430 LST」はヘッド自体にシャロー感があって、球が上がってくれそうな雰囲気。「ステルス2 プラス」はヘッドを操作しやすそうなシェイプでありつつ、フェース上部のレーザーアライメントによって構えやすさが確保されています。「RMX VD」は、フェース全面でターゲットを意識しやすく、ネックからのつながりがキレイ。クラウンのグラフィック処理にも構えやすさへの配慮が感じられます。
飛距離と弾道特性には、意外なほど3モデルの差がなかった!

■「ステルス2 プラス フェアウェイウッド」試打クラブのスペック:番手:3番(15度)。シャフトはオリジナル「Diamana TM50 (’23)」フレックスS
■「G430 LST フェアウェイウッド」試打クラブのスペック:番手:3番(15度)。シャフトはオリジナル「PING TOUR 2.0 BLACK 65・S」フレックスS
■「RMX VD フェアウェイウッド」試打クラブのスペック:番手:3番(15度)。シャフトはオリジナル「Diamana YR f」フレックスS
3モデルを打ち比べてみると
結論からいってしまうと、3モデルともよく飛ぶ! 地面から打ってもキャリーで約230ヤードを飛ばすことができました。試打を行った筆者は、ドライバーのヘッドスピードが46m/sぐらい。スイング的にはフェアウェイウッドをレベルブローで打ち、打ち出しから球が高く上がるタイプです。今回使用した試打クラブでは、3モデルとも打ち出し角が15度前後、スピン量は3300回転前後という結果になりました。
弾道計測数値を見ると、3モデルには若干の差があるように見えますが、はっきりいってスイングや打点による誤差レベル。飛びの三要素といわれている数値、打ち出し角、ボール初速、スピン量はほぼ同等といっていいものでした。
弾道の方向性についても、試打した感覚としては3モデルともほぼ同じ。しいて違いを挙げるならば、いちばん引っかけづらそうなのが「G430 LST」といった程度です。
試打をする前は、モデルによってスピン量や打ち出し角の高さ、左右の方向性にもっと差が出るのではないかと考えていましたが、ナイスショットしたときの性能差は意外なほどありません。ヘッド自体の性能よりも、装着されるシャフトの影響のほうが大きく出そうです。
飛距離性能よりも構えやすさや機能性でモデルを選ぶべし
今回試打したチタン製フェアウェイウッドは、テーラーメイド、ピン、ヤマハがそれぞれヘッドスピードの速いアスリート向けのクラブとしてラインナップしているモデルです。
そう考えると、こうやって打ち比べて弾道計測しても、同じような結果になるのは当然のこと。なぜなら、現代でヘッドスピードの速い上級者が求める理想的な弾道は、すでにもう決まっているからです。別な言い方をすると、それをきちんと具現化して見事に製品化しているのが今回の3モデルです。
どのモデルも上級者が構えやすく感じられるルックスをしていて、アスリートタイプのゴルファーが求める弾道になるような性能に仕上げられている。それは間違いありません。
では、何がモデル選びのポイントになるかというと、個々のゴルファーが求めるクラブ自体に備わっている機能性や好みになります。「ステルス2 プラス」と「G430 LST」はヘッドが脱着式になっていて、「RMX VD」だけが接着式のネックを採用しています。調整機能やリシャフト時の利便性を優先するなら前者の2モデル、固定ネックが好きな人なら「RMX VD」の一択になります。
また、同じモデルで番手を組み合わせて使いたいなら、3番ウッドしか展開されていない「G430 LST」は除外して、「RMX VD」(3番、5番、7番)か「ステルス2 プラス」(3番、5番)という選択がいいでしょうし、購入後にも弾道調整したい人にはソールに50グラムのスライディングウェイトを搭載している「ステルス2 プラス」が魅力的です。さらにいうと、ドライバーと同価格帯の「G430 LST」のフェウェイウッドが高すぎるという人には、「ステルス2 プラス」や「RMX VD」がお買い得に感じられるはずです。
試打・文/鶴原弘高
つるはら・ひろたか/1974年生まれ。大阪出身。ゴルフ専門の編集者兼ライター。仕事のジャンルは、新製品の試打レポート、ゴルフコース紹介、トレンド情報発信など幅広く、なかでもゴルフクラブ関連の取材が多い。現在はゴルフ動画の出演者としても活躍中。ギア好きゴルファーの会員制コミュニティサイト『3up CLUB』(https://3up.club/)では、配信される動画のキャスター兼編集長を務めている。Instagram :tsuruhara_hirotaka
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