- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ギア・グッズ
- 「TOUR AD GC」が男子ツアーで3連勝 新世代ニュートラルシャフトを試打
GRAPHITE DESIGNの「TOUR AD GC」は、しなりを強調した近年のトレンドとは一線を画すニュートラルな挙動が特徴です。男子ツアーでも使用選手が好成績を残している話題のモデルを、実測データと試打インプレッションを交えながら解説します。
しなりを感じさせないニュートラルな挙動
今回紹介するのはGRAPHITE DESIGN(以下、グラファイト)の「TOUR AD GC」(以下、GC)です。実は今年、このシャフトが男子ツアーで存在感を高めています。「中日クラウンズ」で堀川未来夢プロ、「関西オープン」で藤本佳則プロ、そして5月のメジャー「日本プロゴルフ選手権大会」で細野勇策プロが優勝。GCユーザーが3連続優勝を飾り、大きな注目を集めました。優勝を支えたのは選手の技術があってこそですが、シャフト性能もそのプレーを後押ししたのは間違いありません。それでは早速、実測データと打感から見ていきましょう。(文・クラブフィッター・石井建嗣)

まず、実際に測定した5S(50グラム台・S)の振動数と、3球の弾道・計測値について触れます。測定条件は長さ45.5インチ、ヘッドはピン「G440 MAX」、重量202グラム(スリーブ込み)のドライバーです。

振動数は262CPMでした。数値からも分かるように、かなりしっかりしたシャフトです。以前紹介した「TOUR AD FI」でも触れましたが、グラファイトは同じフレックスでも他社より振動数が高めになる傾向があります。そのため、この数値自体には驚きませんでしたが、素振りをして最も印象に残ったのは「どこもしならない」と感じるほど一体感が強い挙動でした。
GCは「Game Changer」の頭文字を取ったモデルです。メーカーは「新世代のニュートラルシャフト」と位置付けていますが、実際に打ってみてもそのコンセプトがよく伝わってきます。

試打した率直な感想をひと言で表現すると「棒」です。カタログでは中調子とされていますが、中間部だけが大きくしなる印象はありません。切り返しからダウンスイング、インパクトまでシャフト全体が一体となって動き、動きの“間”をほとんど感じません。
近年のカスタムシャフトは、手元側や先端側など一部に特徴的なしなりを持たせるモデルが主流です。その方がプレーヤーごとの好みに合わせやすく、違いも分かりやすいためです。その流れを考えると、GCは現在のトレンドとは異なる方向性を持つモデルと言えるでしょう。
私の試打データで特に優秀だったのはボールスピード(初速)です。こうした“間”の少ないシャフトはヘッドが遅れにくく、インパクトでフェースがスクエアに戻りやすい傾向があります。ボール初速だけに着目すれば、インパクトロフトが小さく、フェースがスクエアに近いほど効率良くエネルギーを伝えられます。GCはフェースが開いたり寝たりしにくいため、高い初速につながりやすい印象を受けました。
ただ、私の場合はスピン量が適正値より多くなったため、飛距離は大きく伸びませんでした。また、先端部もかなりしっかりしているため、つかまりを強く求めるタイプのシャフトではありません。ストレートから軽いフェードで攻めたいゴルファーに向くモデルだと感じました。
ヘッド性能を引き出しやすいハードヒッター向けモデル

前述したように、GCは現在のトレンドとは少し異なる存在です。しかし、それだけ個性が明確なシャフトとも言えます。ニュートラルシャフトという位置付けですが、この連載で基準としているThe ATTAS V2(以下、V2)とは性格が大きく異なります。
まず大きな違いは振動数です。V2の5Sが255CPMだったのに対し、GCは262CPM。この差だけでも対象となるゴルファーは変わってきます。私の感覚では、V2はヘッドスピード42メートル毎秒前後でも扱いやすい一方、GCは45メートル毎秒前後あるゴルファーの方が性能を引き出しやすい印象です。
挙動も全く異なります。V2は手元から先端まで滑らかな剛性分布を持ち、切り返しでは適度に粘り、インパクトでは少し走る、いわばムチのようなシャフトです。一方のGCは、切り返しからインパクトまで余計な動きをほとんど感じさせず、終始一体感のある挙動を見せます。同じ中調子という分類でも、性格はまったく別物です。
もちろん、どちらが優れているという話ではありません。ただ、GCはハードヒッターとの相性が良いモデルです。シャフトが余計な動きをしない分、ヘッド本来の性能を引き出しやすく、自分のスイングやフィジカルの変化がそのまま球筋に反映される印象があります。
最後に、アマチュアゴルファーがGCを試打する際のポイントをお伝えします。振動数が高く、しなりを感じにくいシャフトなので、普段使用しているスペックだけでなく、1フレックス軟らかいモデルもぜひ打ち比べてみてください。GC本来の性能をより体感しやすくなるはずです。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
- 1
- 2
最新の記事
pick up
ranking











