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- “ここ一番”では4秒吸って8秒吐く! リラックスできて体幹も安定する“努力性の呼吸”って何?
当たり前ですが、ふだんは無意識に行っている呼吸。しかし、実はこれを意識的に行うことでゴルフのプレー中“ここ一番”の場面でリラックスしたり、体幹を安定させて軸ブレを防ぐ効果があるといいます。
打順を待つ間や信号待ちにも“努力性の呼吸”で緊張や焦りを解消
プロゴルファーや陸上のオリンピック選手など、さまざまな競技のトップアスリートが“肺活”トレーニング・ストレッチ・マッサージを取り入れています。
今回は“肺活のキモ”ともいえる呼吸法について、“肺活”トレーニングの開発者であり、医学博士で順天堂大学医学部非常勤講師を務める末武信宏氏(さかえクリニック院長)に教えていただきましょう。
最初に呼吸のメカニズムと重要性についてお聞きしました。
「鼻から吸った空気は気道や気管を通り、肺胞に入ります。肺胞では酸素が血中に取り込まれて体中をめぐり、戻ってきた血中から二酸化炭素が排出されて口から吐き出す。これが呼吸のしくみです。医療の場ではこれを“ガス交換”といいますが、“ガス交換”をスムーズに行うには、肺のふくらみによって肺活量を増やし、酸素の供給量を上げることが望ましい。そうすれば肺の働きが活発化するとともに体中の細胞にまで酸素が届くため、スタミナがつき、心身がリラックスして集中力が高まる好循環が生まれます」
「みなさん、生まれた時から毎日24時間、絶えず呼吸をしています。当たり前にできているせいか、その重要性を実感しにくいかもしれませんね。医学面からみると呼吸は生命を維持するために不可欠なものであるだけでなく、体内の臓器の働きを司っている自律神経をコントロールする唯一の方法でもあります」
「“肺活”は、呼吸法によって自律神経機能を向上させ、呼吸筋群を鍛え、胸郭の可動域を広げるのに有効なトレーニングであり、ストレッチであり、マッサージです。スポーツ中や前後、あるいは日常に取り入れて肺活量をアップさせる。それによってより多くの酸素を取り込んで肺の働きがよくなり、血流もよくなって体の隅々にまで酸素を行き渡らせることができるのです」
呼吸を意識して“肺活”トレーニングをすることによって血流がよりよくなり、全身が活性化するメリットがあるといいます。肺の働きをよくするには、どのような呼吸を意識して行なったらいいのでしょうか。
「呼吸には2種類あります。一つは、先ほども言ったように、生命を維持するためにみなさん毎日行なっている“無意識性の呼吸”です。文字通り呼吸に対して何の意識も自覚もなく、必要最小限のガス交換を行うことです。ほとんどの人は、息を吸うときに肺をふくらませて横隔膜を下げたり息を吐くときに呼吸筋を使ったりするイメージは持っていないでしょう」
「もう一つは、“無意識性”に対して“意識性”の呼吸である、“努力性”の呼吸です。こちらは目的を持って長さやリズムを意識的に行う呼吸を指すのですが、その目的は何かというと、“心拍変動”を大きくすることに尽きます」
「そもそも呼吸は心拍と深い関わりがあり、息を吸うときは心拍が早くなり、息を吐くときは心拍が遅くなります。両者の心拍数の差を“心拍変動”といい、その差が大きいほど自律神経の調整能力が上がり、スポーツやさまざまなパフォーマンスにおいて高い集中力を発揮できることが分かっています」
「ふだん“努力性”の呼吸をしながら“肺活”トレーニングを行うことで肺活量が増え、“心拍変動”が大きくなります。そうするとゴルファーの場合、ラウンド中の緊張時や『ここぞ!』という勝負の場面でも自律神経が整い、心身ともにリラックスした状態でストロークができるのです。プロゴルファーに実践してもらった研究でも、“努力性”の呼吸を行うことによって呼吸筋の収縮と弛緩のバランスがよくなり、また胸郭が広がることによって体幹が安定して軸がブレにくくなるというデータが出ています」。こう末武先生は説明します。
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