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- 挨拶はできるのにプレーがめちゃ遅い… ジュニアゴルファーのマナーに潜む課題とは?
ジュニアゴルファーのマナーは本当に向上しているのか。その背景には、大人の振る舞いやプレー環境の変化が大きく影響しているといいます。現場の声から、新たな課題と育成のヒントを探りました。
ジュニアのマナーは周りの大人たちに影響を受ける
ゴルフは社会人としてのマナーやエチケットを学ぶスポーツだと言われることがあります。同伴者との円滑なコミュニケーションや、スムーズなプレーの進行など、他の人と気持ちよくラウンドするための配慮が求められます。
ただ、実際のゴルフ場では、マナーが守られていない場面に出くわすこともあります。スロープレーや大声での会話、コースをキズつけたままにする行為など、気になる光景を見ることも少なくありません。
子どもは大人の背中を見て育つと言われます。大人たちがそのように振る舞っている環境の中で、ジュニアゴルファーだけが自然にマナーを身につけるとは限らないのかもしれません。
一方で、筆者がゴルフを始めた25年前と比べると、今のジュニアゴルファーはマナーが良くなっていると感じます。昔のジュニアの中には、「ゴルフがうまいほどエライ」と勘違いしている選手がたくさんいました。スコアのよい有名選手ほど言葉遣いや態度が大きくなり、見ていて違和感を覚えることもありました。

しかし今のジュニアゴルファーは、言葉遣いや振る舞いが丁寧な選手が増えた印象があります。大会会場でも関係者にキチンとあいさつし、周囲に気を配ったりする姿を見ることが多くなりました。
ただし、ジュニアの指導に関わる関係者に話を聞くと、昔とは違う形で気になるマナーもあるそうです。沖縄県のエナジック具志川ゴルフクラブ総支配人で、エナジックゴルフアカデミー校長でもあるレッスンプロの三浦辰施氏に具体的なエピソードを語ってもらいました。
「まず、あいさつなどの基本的なマナーは、どんな環境で過ごしているかっていうのが大きく影響していると思います」
「親御さんや学校の先生でも、あいさつがまともにできない人って、ゴロゴロいるじゃないですか。そういう人たちと普段から身近に接している子どもたちがあいさつできるようになるかといったら、期待できませんよね」
「ですから僕は、自分から先にあいさつするようにしています。そうすると子どもたちも、あいさつを返してくれるようになります」
「あいさつを覚えると、ゴルフ場に行ったときも練習する前に自然とあいさつしますし、大会に出るときも関係者にあいさつできるようになります」
プレー環境の変化でマナー習得が難しくなっている
一方で、見た目のマナーは整っても、本質的なマナーがおろそかになっているケースがあると指摘します。
「マナーというのは、あいさつや振る舞いだけじゃなくて、スロープレーもマナーの一つと考えたら、今の選手たちはプレーが遅いです。しかもプレーが遅いのに目土をしないんですよ」
「なぜかというと、僕らがジュニアのころは、自分でキャディーバッグを担いで、歩きでプレーしていましたが、今の子たちはカートでプレーする機会が多くなったからです」
「ティーショットを打ち終えたら、みんなでカートに乗ってセカンド地点に移動します。キャディーバッグはカートに積んでありますから、セカンド地点に着いたら、持ち物をできるだけ少なくして、ボールを打ったらすぐカートに戻らなければなりません。ですから目土袋を持っていきませんし、目土をする時間もありません」
そのような段取りでプレーしていると、コース全体を見る機会が少なくなります。
「カートに乗って移動すると、その間のコースを見ていないんですよ。コースを覚えないから、マネージメントも上手になりませんし、歩かないから体力がつきません」
「また、歩かないとお腹が空かないので、ごはんもあまり食べません。ごはんを食べないと体が大きくなりません。それを補うためにトレーニングをしている選手もいますが、筋トレは瞬発力を鍛えるためのものです」
「持久力がないから、プレー中に集中力が持続しません。マナーの話から脱線しているように感じるかもしれませんが、これらのことが全部つながって、プレーが遅くなります。そこが非常に悩ましいところです」
ジュニアゴルファーのマナーは、昔と比べれば確実に良くなっているように見えますが、プレー環境の変化によって新しい課題も生まれているようです。その環境を改善するのも、ジュニア育成に関わる大人の役割なのかもしれません。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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