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- 「早割」と「直前割」どっちが得? ゴルフ場料金の裏側を聞いた
ゴルフ場で増えている「早割」と「直前割」。一見すると同じ割引サービスに見えるが、その役割は大きく異なっています。ゴルフ場が料金を細かく変える背景と、予約の“埋め方”の違いについて聞きました。
「早割」と「直前割」の使い分け方
最近、ゴルフ場の料金プランを見ていると、「早割」や「直前割」といった文言が目につくようになりました。
プレー日よりもかなり前に予約すると料金が安くなる一方で、直前になると今度は別の形で割引が出てきます。この流れを見ると、早く決める人も、ギリギリまで待つ人も、それぞれにメリットがあるように見えます。
こうした料金設定は、いわゆるダイナミックプライシングと呼ばれる仕組みによるものです。需要と供給のバランスを見ながら価格を調整し、収益を最大化します。
ただ一方で、少し引っかかる点もあります。早割は理解しやすいのですが、直前割で安い料金が出てくると、「先に予約した人が損をするのではないか」と感じる場面もあるからです。そのあたりの基本的な仕組みをゴルフ場関係者に聞いてみました。
「まず押さえておくべき前提として、ゴルフ場はハコモノビジネスですから、プレー枠をできるだけ埋める必要があります」

「1日のプレー枠は、18ホールのゴルフ場で約50組200人です。プレー枠が空いたままでは収益につながらないため、時間の経過に応じて売り方を変えていく必要があります」
「早割は、どちらかというとコンペの取り込みですね。3カ月先の予定を個人で決めるのは難しいですが、コンペであれば日程があらかじめ決まっていることが多く、幹事さんがまとめて予約を入れることができます」
以前であれば、コンペ料金は電話で交渉して決めるケースもありましたが、現在はウェブ予約が主流になり、そうしたやり取りは減っています。
その代わりに、「早割で少し安く出しておくことで、あらかじめ決まっている団体需要を取り込む」という形に変わってきています。結果として、ゴールデンタイムと呼ばれる8時30分前後から9時30分前後の時間帯の枠も、早い段階で埋まりやすくなります。
早割は、単に安くするための仕組みというよりも、重要な時間帯の予約を先に確定させるための手段と見ることができそうです。
「直前割」は事前予約した人が損をしないように配慮
一方で、直前割の役割は少し異なります。こちらは売れ残ってしまった枠をどう埋めるかという問題に対する対応です。
「売れ残る時間帯はどうしても出てくるので、そこを埋めるために直前割を使います。販売するタイミングは、残っている枠数にもよりますが、だいたい2週間前から10日前くらいですかね」
価格の下げ方についても、ある程度の幅が意識されています。「500円から1000円くらい」が目安になりますが、ここで重要なのは、単純に大きく値下げすればいいわけではないという点です。
「事前に予約した人が不利にならないように、そこはすごく気をつけます」と関係者は話します。たとえば、すでに予約が入っている時間帯よりも後ろの枠だけを対象にするなど、条件を絞って調整することで、既存の予約とのバランスを取っています。
また、直前割は価格だけでなく、条件の緩和という形で行われることもあります。たとえば「2バッグ割増なし」といったプランです。本来であれば2人プレーには追加料金がかかるケースでも、それを外すことで利用のハードルを下げます。
こうして見ていくと、早割と直前割は対照的な役割を持っていることが分かります。早割は「先に埋める」ための仕組みであり、直前割は「最後に埋める」ための仕組みです。どちらもゴルフ場の収益を安定させるために機能しており、一方だけで完結するものではありません。
ゴルファーサイドから見ると、どのタイミングで予約するかによって支払う金額が変わるため、不公平に感じる場面もあるかもしれませんが、ゴルフ場サイドでは、それぞれの段階で異なる目的を持って価格を調整しています。
もちろん、ゴルファーがプレープランを選ぶ際に見ているのは、料金だけではありません。コースの立地やコースまでの移動時間、スタート時間、練習施設の充実度、食事の評価など、さまざまな要素が重なっています。
その中で、「早く決めて安くする」のか、「直前に判断して条件のいいプランを拾う」のかは、それぞれのスタイルによって変わってきます。どちらが得かというよりも、どの条件を優先するかの違いです。その選び方自体も、ゴルフの楽しみ方の一部になっているように感じます。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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