18ホールでキャディーがいないゴルフ場なら30~40人
ゴルフ場に行くと、車のトランクからキャディバッグや手荷物を取り出してくれるポーター業務のスタッフをはじめ、フロントで受付業務を行うスタッフ、マスター室前でカートにキャディバッグを積み込むスタッフ、キャディーつきプレーであればキャディーなど、いろんな仕事をしているスタッフがいます。
コースに出てからもコース管理スタッフが作業をしている姿を見かけることもありますし、コース売店に常駐のスタッフがいるところもあります。
では、ゴルフ場にはいったい何人くらいのスタッフが働いているのでしょうか?
ゴルフ場関係者に話を聞いたところ、「スタッフの人数はコースによって異なりますが、18ホールでキャディーがいないゴルフ場であれば、30人から40人くらいで業務が回せると思います」とのことでした。
スタッフの内訳は、支配人1人、副支配人1人、フロントとクラブハウスの事務所4~5人、マスター室4~5人、レストランのホールスタッフ4~5人と厨房スタッフ3人、コース管理の正社員4~5人、パート4~5人、施設管理3人くらいが一般的だそうです。
「ひと昔前は18ホールで(キャディーも含めて)100人近くいたと思いますけど、今は少なくなりましたね。コース売店も、昔は1カ所に1人ずつ配置するのが当たり前でしたが、1日の売り上げと人件費を比較すると割に合わないから人員を削減して自動販売機に切り替えたゴルフ場もけっこうありますよね」
これはゴルフ場に限ったことではありませんが、今の日本は人材不足が深刻で、1人の従業員が複数の業務を担う多能工化(マルチスキル化)が必須となっています。
支配人や副支配人であってもオールラウンドプレーヤーとして、急な欠勤者が出たりするとレストランの厨房で食器を洗ったり、カートの洗車を手伝ったりすることもあるそうです。
「そうしないと業務が回りませんし、それをやらないと従業員がついてきません」
すべてのスタッフが正社員であるとも限らない
また、ゴルフ場で働いているスタッフは必ずしも全員がゴルフ場運営会社の正社員とは限らないそうです。
「正社員もいれば、契約社員もいますし、パートもいますし、週2回だけ出勤するシルバー人材の方もいます」
さらに、レストランとコース管理は外注しているゴルフ場もけっこう多いとのこと。
「レストランは厨房とホールスタッフが丸ごと外注のところもあれば、厨房だけ外注でホールスタッフは自社というケースもあります。コース管理は丸ごと外注というのが一般的ですが、グリーンキーパーだけ外注でスタッフは自社というパターンもあります。ときにはコース管理の外注先が雇ったシルバー人材の方がコース内の草むしりなど簡単な作業を行っている場合もあります」
ですからゴルフ場によってコース管理スタッフが愛想よく接してくれるところもあれば、プレーヤーの邪魔になるようなエリアで堂々と作業をしているところもあったりするのは、そういう事情があるのかもしれません。
ゴルフ場は基本的に接客サービス業であるはずですが、そのサービスレベルはゴルフ場によってピンからキリまであります。
ゴルファーは接客レベルなどあまり気にせず、プレーしたい日程と予算を決めて予約サイトの料金を比較しながらどこのゴルフ場に行くかを決めることがほとんどでしょうが、そのゴルフ場にもう一度行きたいと思うか、二度と行きたくないと思うかは、接客サービスの印象によって変わるケースも多いはずです。
少ない人数でゴルフ場の運営業務をこなすのは大変でしょうが、ゴルファーも決して安くないプレー料金を支払っているのですから、それなりの接客サービスは維持してほしいところです。