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- 「もう一生入らんわ…」 気持ちが切れてしまう前に“ギブアップ宣言”はアリ?
ゴルフには「ギブアップ」というローカルルールが存在します。どのような場面で使用するのが適切なのでしょうか?
ギブアップ時のスコアは規定打数の3倍が一般的
ゴルフを始めたばかりの初心者ゴルファーは、緊張や実力不足も相まってミスショットを連発してしまい、なかなかホールアウトできないことがあります。
例えば、バンカーショットに関しては、練習場などで気軽に練習できるものではないので、コース経験の浅いゴルファーであれば、ぶっつけ本番でバンカーと対面することになり、なかなか抜け出せない場合もあります。
これは、アマチュアゴルファーであれば誰もが通る道であり、仕方のないことですが、プレーに時間がかかってしまうので「スロープレー」の原因になってしまいます。スロープレーとは、プレーに時間をかけすぎてしまい、同伴者に迷惑をかけることはもちろん、後続の組を待たせてしまうことを指します。
そんな問題を解決するために存在するのが「ギブアップ」です。ギブアップとは、各ホールに定められた規定打数の、3倍の打数がかかってしまった場合に、プレーヤーがギブアップを宣言することで、プレーを中断してホールアウトすることができるローカルルールです。
ギブアップ時のスコアの計算方法は、規定打数の3倍で計算するのが一般的です。例えば、規定打数がパー3の場合、ギブアップ時のスコアは「9」、パー4は「12」、パー5は「15」となります。
また、マッチプレーのみに適用される「ギブアップ」は、公式ルールにも存在します。マッチプレーとは、ホールごとの勝利数で争うことを指し、マッチプレーでのギブアップは、いわゆる「コンシード」と呼ばれます。
マッチプレーでは、ホールごとに勝ち負けを決めなければいけないので「コンシード」を宣言することで、相手のショットがカップインしたとみなして、ホールアウトすることができるルールです。
ローカルルールのギブアップを宣言するのは、規定打数の3倍の打数を打ってしまった場合、もしくは、このまま続けていても確実に3倍以上になってしまうと判断できる場合が適しています。
しかし、規定打数の3倍以上打ってしまったからといって、強制的にギブアップを使用しなければ、マナー違反にあたるというわけでもなく、あくまでゴルフ場の進行スピードや同伴者への配慮など、TPOを見極めて使用するか判断する必要があります。
ただ、ギブアップはローカルルールとして浸透しているとはいえ、ホール自体を放棄するような行為なので、安易に使用すると同伴者からどのように見られるか、気がかりだと感じる人もいるかもしれません。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、ギブアップのマナーや使用方法について以下のように話します。
「ギブアップは積極的に使用していいと思います。プライベートゴルフではよくあることなので、例えばスコアが140くらいの人であれば、事前に『スコア〇〇ぐらいの初心者なので、ギブアップを使用する場面があるかもしれません』と伝えておくと、宣言しやすい環境ができて良いでしょう」
「レギュラーのツアーやメジャー大会ではないので、当日の同伴者の雰囲気やTPOに合わせて使用します。ただし、最初から諦めて、ギブアップ前提で回るのはマナー違反になるので、トリプルスコアをたたいてギブアップで打ち止めが無難です」
このように、ギブアップを使用することは、恥ずかしい行為でもマナー違反でもないので、事前に同伴者に伝えるなどして、TPOに合わせて積極的に使用するべきと言えます。
同伴者の間で独自のルールを決めても問題ナシ
しかし、飯島氏は「トリプルスコア以上打った後に、ギブアップを宣言してホールアウトするのは、よく思わないゴルファーもいるので控えた方が無難かもしれません」と話します。
こちらに関しても、同伴者との関係性やTPOによりますが、やはりトリプルスコアをたたいた時点で「ギブアップ」を宣言するのが良いでしょう。
一方で、現在の公式ルールブックにある、21.2a最大スコアの概要では「最大スコアはストロークプレーの1つの形式で、プレーヤーやサイドのホールのスコアを委員会が設定した最大のストローク数(例えば、パーの2倍、決められた数、またはネットダブルボギー)に制限する形式である」という定めもあります。
前述で、規定打数の3倍(トリプルパー)でギブアップが一般的とありましたが、同伴者の同意があれば、規定打数の2倍(ダブルパー)でギブアップすることも可能ですし、極論を言えば、同伴者の間で独自のルールを決めても問題はありません。
ギブアップをダブルパーにすることで時間を短縮できるので、「グリーン前でダブルパーに到達してしまったら、スコアはダブルパーとしてボールをピックアップし、グリーン回りだけ練習してみる」「パターの練習をしてみる」ということもできます。
当然ながら、TPOを意識してゴルフ場に迷惑をかけない、同伴者の間で同意を得ることが大前提ですが、臨機応変にルールを決めることで、コースデビューの敷居を下げることができるでしょうし、新規ゴルファーの裾野を広げることにもつながるはずです。
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