「どうせチョロするから」の油断は打ち込みの元
ゴルフは一般的に18ホールを前後の組と一緒に回っていくので、マナーが守られていなかったり、相手を不快にさせてしまうような振る舞いをしたりすると、たとえ悪意がなかったとしてもトラブルに発展する可能性があります。

ゴルフ経験の浅いビギナーのなかには、口頭で前後の組やマーシャルから注意を受けた経験がある人もいるかもしれません。今回は前の組を知らず知らずのうちに不快にさせてしまうゴルファーの行動について、ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)にお話をうかがいました。
「やはり一番気をつけなければいけないのは打ち込みです。2打目を打ち終える前にティーショットを打ってしまったり、前の組に届く可能性があるにもかかわらず打ってしまうと大きなトラブルに発展する可能性があります」
「昨今ではクラブやボールの進化が著しく、パワーのあるゴルファーがジャストミートすると、予想以上に飛距離が出ることもあります。『練習場では基本的にこのぐらいしか飛ばないから』『どうせチョロするから』とたかをくくっているときに限って飛距離が出てしまうこともあります。前の組とは十分に距離をとってから打つようにしましょう」
ミスショットの多いビギナーは、前の組と距離をとりすぎると後続組から「どうせ届かないのに……早く打てよ」と急かされているように感じることもあるかもしれませんが、過去に飛ばした経験がある距離に前の組がいるのであれば打たないほうがいいでしょう。
ブンブン素振りもカートベタ付けも“煽り行為”
さらに飯島氏は前の組がティーショットを打っているにもかかわらず、バックティーを利用して素振りをするのもマナー違反だと話します。
「たまに見かけることがありますが、バックティーで素振りをするのはマナー違反です。ティーイングエリアは、バックティー、レギュラーティー、フロントティーを合わせた総称になるので、前の組が使用していないからといって勝手に侵入することは許されません。バックティーを使用していなくても、素振り音が後ろから聞こえると気が散るので、視界に入らないところで待機しましょう」
ゴルファーの中には、進行が遅いことに腹を立てて煽り目的で素振りをする人もいるそうですが、相手にすると口論に発展する可能性があるので、カートに付属しているレシーバーでマスター室に連絡をとるようにしましょう。
ほかにも自分たちのカートを前の組にベタ付きさせるのもトラブルの原因になる可能性があります。
「カートをベタ付きさせる行為も前の組を煽っていると勘違いされてしまいます。ベタ付きしてしまうと、距離が近くなり話し声が聞こえたりクラブの出し入れがスムーズにできなくなってしまったりして、前の組を不快にさせてしまいます」
「マナーを知らなかったビギナーが朝イチのティーショット時にカートベタ付きをしてしまい注意を受けるのはよくあることです。優しいゴルファーであれば許してくれるかもしれませんが、わざとやられたと思われてしまうとトラブルに発展することもあるので注意しましょう」
またホール間の停車位置は、前の組の視界に入らない、かつ後続組から打ち込まれない位置にカートを停車して待機するのがベストです。ゴルフ場はゴルファー全員が共有でプレーする場所なので、特に前後の組に配慮することを忘れないようにしましょう。