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- 米女子ツアーで最も“働いた”のは古江彩佳だった!? 驚異のタフネスさを証明するスゴい記録とは?
勝利こそなかったものの、コンスタントに成績を残し続けてポイントランキング10位に入った古江彩佳。出場試合は24試合にとどまったが、圧倒的な安定感で予選落ちすることなくラウンドを重ねていた。そんな彼女が今季ナンバー1に輝いた記録とは?
94ラウンドでツアー最多だった古江彩佳
今年の米女子ツアーでCME(米女子)ポイントランキング10位に入った古江彩佳だが、あるデータではツアーナンバーワンの数字を残した。古江のタフネスぶりを示すそのデータとは何か。
古江は今年、米女子ツアー全32試合中24試合に出場した。4試合に1回は休んでいた計算になる。
日本ならば出場できる試合はほとんど出るという選手が多数いる。今年、日本女子ツアーは米国より多い38試合行われたのだが、全試合出場は小祝さくらを筆頭に6人もいた。彼女らに比べれば古江の出場ペースはゆったりしていると感じるかもしれない。
ただ、米女子ツアーで全試合に出場するような選手はまず出てこない。米国だけでなく欧州やアジアも舞台となっており、移動距離が日本とは比べものにならないくらい長いことや、ほとんどの試合が4日間大会であることなどの理由があり、トップクラスは6~7割程度の試合数に抑えている。
今年、最も出場数が多かった選手でも27試合。古江の24試合は13位タイにあたるから、多い方だ。
注目したいのは古江がプレーしたラウンド数である。今年は計94ラウンドでツアー最多だったのだ。ちなみに2位はユ・ヘラン(韓国)の92ラウンドである。
試合数がトップより3つ少ないにもかかわらずラウンド数でナンバーワンになった大きな理由は予選落ちが少ないこと。古江は出場24試合で予選落ちは1試合だけだった。
シードを獲得した80人中、予選落ちや棄権がゼロだったのはキム・ヒョージュ(韓国)とミンジ・リー(オーストラリア)だけ。古江の1試合はこの2人に次ぐもの。予選落ち、棄権が1試合だけだったのは古江のほか畑岡奈紗ら4人だけだった。
いくら出場試合数が多くても予選落ちが何回もあればラウンド数は増えない。古江のように予選落ちの少ない選手は自ずとラウンド数が増えていくというわけだ。
もうひとつの理由は5月の「バンクオブホープLPGAマッチプレー」で決勝まで進んだこと。この大会は各組4人の総当たりによる予選があり、勝ち上がった16人による決勝トーナメントが行われる方式。決勝まで勝ち上がれば5日間で計7ラウンドを戦うタフな大会である。古江はこの大会で昨年、今年と2年続けて決勝に進んでいる。
古江はルーキーだった昨年もツアートップクラスのラウンド数をこなした。出場27試合で計101ラウンド。これはツアー3位の数字だった。
2年間を合算すると195ラウンドとなり、これはツアー最多。2位のチェ・ヘジン(韓国)に6ラウンド差をつけての“圧勝”である。表現が正しいかどうかは微妙だが、古江は米女子ツアーで“最も長く働いている選手”なのではないだろうか。タフでなければできないことだ。
試合数の多い日本ツアーの選手と比較しても異例のラウンド数
データを世界規模に広げてみたい。女子の世界ランキングであるロレックス・ランキングは過去2年間の試合がポイント対象となっている。ランキング300位以内の選手でポイント対象試合出場数が最も多いのは小祝さくら、佐久間朱莉、野澤真央の76試合。試合数上位は日本を主戦場にしている選手が独占している。
古江は米女子ツアー51試合、日本女子ツアー9試合の計60試合。日本が主戦場の選手と比べればずい分と少ない。
だが、ラウンド数で計算すると様相が異なってくる。古江は計226ラウンドで、日本が主戦場の選手でも古江より多いのは小祝ら5人しかいないのだ。これは日本ではまだ3日間大会が半数ほどあることが影響している。
昨年から米女子ツアーに参戦して世界中を飛び回るだけでなく、日本でも度々プレーしている古江。米女子ツアーメンバーとしては異例のラウンド数をこなし、なおかつ結果を出しているわけだからスゴいとしかいいようがない。153センチの小さな体のどこにこれだけのパワーが潜んでいるのだろうか。
古江 彩佳(ふるえ・あやか)
2000年生まれ、兵庫出身。19年「富士通レディース」でツアー史上7人目のアマ優勝を達成してプロ転向。20年にプロ初勝利を飾り、20-21シーズンはトータル6勝で賞金ランキング2位と躍進した。22年からは米女子ツアーを主戦場にして22年に同ツアー初優勝。同年は国内ツアーでも「富士通レディース」で連覇と大会3勝目を挙げた。日本8勝、米国1勝。
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