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「素晴らしいことが始まる予感がする」希望を口にした4カ月後に命を絶ったG・マレー 一流選手も“無敵ではない”という教訓
チャールズ・シュワブ チャレンジが3日目を迎えていた5月25日の午後、PGAツアーに衝撃が走った。ツアー通算2勝を挙げた30歳の米国人選手、グレイソン・マレーが帰らぬ人となったことが、ジェイ・モナハン会長からの声明によって伝えられたのだ。
「グレイソンは愛されたのか? 答えはイエス」
米ゴルフ界でアルコール依存症に陥った前例と言えば、女子選手のローラ・ボーや男子選手のジョン・デーリーが真っ先に思い出される。ボーもデーリーも、全米、いや世界レベルで高い人気を誇り、眩しいスポットライトを浴びた後に、アルコール依存症に陥った。

だが、ボーは夫に支えられ、母親として7人の子どもたちを育て上げることにやりがいを覚え、徐々に立ち直っていった。ツアープロからティーチングプロに転向し、ゴルフを教えることが生きる支えになっていった。ちなみに、現在のPGAツアーで活躍しているエリック・コールは、そうやってボーの指導を受けながら成長した彼女の息子である。
一方、デーリーはアルコール依存症であると同時にギャンブル依存症でもあったが、1993年全米プロでセンセーショナルな勝利を挙げて爆発的人気を誇っていた彼には、たくさんの救いの手が差し伸べられた。
あるゴルフ用品メーカーは「禁酒に努めるなら、契約を結び、ギャンブルの借金を肩代わりする」ことをオファー。デーリーは一度は禁酒したものの、「我慢するのは性に合わない。自分らしく生きたい」と言って、再び酒やギャンブルに興じたが、以後は、ある程度、節度を持って飲酒するようになり、ゴルファーとしても徐々に落ち着いていった。
そしてデーリーの場合は、そうした経緯が逐一、米メディアによって報じられたため、ファンも周囲も事情をよく理解した上でデーリーを応援していたことが思い出される。
マレーの場合は、アルコール依存症を告白するまでの間は「救いの手を差し伸べてもらえない」と孤独を感じていた様子だが、病気を明かしてからは、選手仲間やモナハン会長、ツアー関係者、ファンからの応援やサポートを受け、立ち直った様子も見せていた。
それなのに、なぜ――。
チャールズ・シュワブ チャレンジ最終日の朝、マレーの両親が悲しみの中で、こんな声明を発した。
「この24時間、息子がこの世を去ったという事実を受け入れようとしてきましたが、いまだに信じられません……。なぜだろうと疑問に思うことばかりですが、その答えは得られない。でも1つだけ、答えられることがあります。グレイソンは愛されたのか? 答えはイエスです。グレイソンの人生は必ずしもイージーだったわけではなく、彼は自ら自分の人生を終わらせましたが、今は安らかに眠っているはずです」
マレーの両親にも「なぜ」は疑問のままになってしまったが、その「なぜ」をあらためて考えることで、PGAツアーのサポート体制の在り方や取り組むべき課題を見い出していきたいし、そうするべきだとモナハン会長は言う。
「ワールドクラスのベストプレーヤーは無敵と思われがち(だが、そうではない)。グレイソンは私たちに大切な教訓をもたらしてくれた。そのことを私は決して忘れない」
PGAツアーのみならず、現代社会に生きる私たちみんなにとって、マレーの生き方、感じ方、そして突然の去り方は、さまざまな意味で教訓となるのではないだろうか。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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