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- まさかの逆手でズドン! メジャー王者が圧巻チップインで証明した“クロスハンド・アプローチ”の威力
PGAツアーの解説も務めるゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎氏が、ツアーの第一線で活躍する選手のプレーを独自の視点で分析。今回は、フィッツパトリック選手が“クロスハンド”で放ったアプローチショットに注目しました。
数字が証明するクロスハンドの劇的効果
PGAツアーの公式SNSに興味深い動画がアップされていました。マシュー・フィッツパトリック選手が“クロスハンド”によるアプローチショットで、見事にチップインを決めています。
イングランド出身のフィッツパトリック選手は、世界アマチュアランキング1位に立つなど、学生時代から将来を嘱望された存在です。2014年にプロ転向すると、翌年には欧州ツアーでプロ初勝利。そして22年の「全米オープン」で悲願のメジャー初制覇を達成しました。

そのメジャーチャンピオンがクロスハンドでアプローチをしている理由は、グリーン周りのショットが苦手だったから。イップスではないものの、プレッシャーのかかる場面では右手首が手のひら側に折れるクセがあったといいます。ダウンスイングで右手を使いすぎると、いわゆる“すくい打ち”になりやすく、ダフリやトップといったミスにつながりかねません。
このクセを修正するために取り入れたのがクロスハンドでした。当初はラフからのアプローチ限定で試合中に使っていましたが、徐々にフェアウェイからも使用するようになります。
彼がクロスハンドを実戦で採用し始めたのは20年頃。その効果は数字にもはっきりと表れました。
30ヤード以内のショット力を示す「SG:アラウンド・ザ・グリーン」は、19-20シーズンが138位、20-21シーズンが97位。それが21-22シーズンには7位へと急上昇しています。クロスハンドの導入が、ショートゲームの安定感を飛躍的に高めたことは明らかです。
体で振る感覚を取り戻すためのポイント
このアプローチは、一般ゴルファーの皆さん、特にフィッツパトリック選手のように右手を使いすぎる傾向がある人に非常に有効。クロスハンドでグリップすると右手の余計な動きを抑制できるため、体の回転主体のスイングに矯正しやすくなるのです。
クロスハンドで握ってアプローチする際は、おヘソをしっかり動かすことが大切です。左腕とクラブを一体化させて左ワキを締め、おヘソを目標方向に向けてフォローを出しましょう。
注意点は手首をカチカチに固めないこと。右手の動きは制限されますが、ヘッドの重さを感じながら振れば、自然なリリースが生まれます。フィッツパトリック選手も「自然に手首をリリースするフィーリングがでる」と、クロスハンドの効果を語っています。
実戦で試す前に、まずはドリルとして練習で取り入れてみるといいでしょう。その際は目を閉じて打ってみてください。ボールを打つ意識が薄くなり、手首を使って打ちにいく動きがなくなってくるはずです。
クロスハンド・アプローチができるようになれば、腕と体がシンクロしたスイングができるようになります。このフィーリングはショットにも生きてくるので、ぜひ練習から取り入れてみてください。
マシュー・フィッツパトリック
1994年生まれ、イングランド出身。2013年の「全英オープン」でローアマを獲得し、同年の「全米アマ」で優勝。世界アマチュアランキング1位に立つ。14年にプロ転向し、翌年の「英国マスターズ」で欧州ツアー初優勝。22年の「全米オープン」でメジャー初優勝を飾った。
【解説】吉田 洋一郎(よしだ・ひろいちろう)
1978年生まれ、北海道出身。世界のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回、米国、欧州へ渡り、ゴルフに関する心技体の最新理論の情報収集と研究活動を行っている。欧米の一流インストラクター約100名に直接学び、世界中のスイング理論を研究している。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。
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