アドレス前どちらの手でクラブを握る? 左手、右手、両腕それぞれの利点とは? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

アドレス前どちらの手でクラブを握る? 左手、右手、両腕それぞれの利点とは?

多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、米国男子ツアー「WMフェニックスオープン」で優勝したスコッティ・シェフラーと2位のニック・テーラーです。

ルーティンで左手1本でクラブを持つメリット

 2月9日から12日の期間、米国アリゾナ州のTPCスコッツデール スタジアムでPGAツアー「WM フェニックスオープン」が開催されました。通算19アンダーで優勝したのは、スコッティ・シェフラー選手。昨年大会は、パトリック・カントレー選手とのプレーオフを制してツアー初優勝を飾っており、今大会は連覇となりました。

左腕リードでインパクトするスコッティ・シェフラー(写真はジェネシス招待) 写真:Getty Images
左腕リードでインパクトするスコッティ・シェフラー(写真はジェネシス招待) 写真:Getty Images

 シェフラー選手は、昨年2月の同大会優勝後、3月に開催された「アーノルド・パーマー招待」「WGCデル・テクノロジーズ マッチプレー」でも勝利し、世界ランキング1位に。そして4月の「マスターズ」ではメジャー初優勝を遂げています。その後、世界ランキング1位の座を明け渡しましたが、今大会の優勝で昨年10月以来の世界ランキング1位に返り咲きました。

 2打差の17アンダー、2位でフィニッシュしたのはニック・テーラー選手。世界アマチュアランキング1位に輝いた経歴があるカナダ出身選手で、2014年にPGAツアー初勝利。20年の「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」で2勝目を挙げているプレーヤーです。

 優勝を争ったこの2人のスイングには共通があります。それは、左腕リードで左サイドとクラブをスムーズに動かし、フィニッシュまで振り抜いている点です。今大会では、シェフラー選手は飛距離の出る安定したフェードボール、テーラー選手はコントロールされた精度の高いロングショットが印象的でしたが、どちらも左腕とクラブの一体感を大切にするスイングが特徴的です。

 左腕を重視していることは、ルーティンを見ていても分かります。ターゲットを確認している時もアドレスに入る時も、クラブを持っているのは左手。左手1本だけでグリップしている時間が長く、最後に右手を添えるというイメージでアドレスします。

 ルーティンの間、左手1本でクラブを持つメリットは、シェフラー選手やテーラー選手のように、左腕とクラブに一体感が出ること。胸板が開きにくくなるため、球をつかまえやすくなります。

左手、右手、両手とクラブの握り方を使い分ける

【写真】選手が半裸!? 缶ビールが飛び交う!? 盛り上がれば何でもアリのフェニックスオープン名物16番パー3

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昨年大会で脱いだシャツを振って観客を煽るジョエル・ダーメン(左)とシャツをたくし上げるハリー・ヒッグス 写真:Getty Images
昨年のウェイストマネジメント・フェニックスオープン、名物ホール16番パー3で上半身裸になって観客を煽るジョエル・ダーメン 写真:Getty Images
昨年大会でサム・ライダーのホールインワンの後、ギャラリースタンドから投げ込まれた缶ビールやペットボトルを片付けるスタッフ 写真:Getty Images
昨年のウェイストマネジメント・フェニックスオープン、自身のホールインワンを観客と一体となって喜ぶサム・ライダー 写真:Getty Images
2万人を収容するギャラリースタンドがホールを取り囲むTPCスコッツデール16番パー3
2万人を収容するギャラリースタンドがホールを取り囲むTPCスコッツデール16番パー3
2万人を収容するギャラリースタンドがホールを取り囲むTPCスコッツデール16番パー3
アリゾナらしいサボテンのそばからショットする松山英樹 写真:Getty Images
左腕リードでインパクトするスコッティ・シェフラー(写真はジェネシス招待) 写真:Getty Images
左腕とクラブの一体感が感じられるニック・テーラーのトップ 写真:Getty Images
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