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オーガスタで優勝からプロテスト失敗 天国と地獄を見た梶谷翼が米国で大学進学を選んだ理由
3月29日~4月1日に開催される「オーガスタナショナル女子アマチュア選手権」。総勢72名の精鋭が出場する中、日本からは10名がオーガスタの地を踏む。最注目の1人が2021年大会で優勝した梶谷翼だ。しかし、女子アマゴルフの祭典を制したあとは決して順風満帆とはいかなかった。
4年間での卒業とグランドスラムを誓う梶谷翼

今年の大会に挑む10名の日本人選手の中で、19歳の梶谷は唯一の優勝経験者であり、その分、注目も期待もされている。
だが、梶谷自身は21年の勝利の後は彼女なりに試行錯誤を続けてきた様子だ。
「優勝したことで過度にプレッシャーを感じてしまい、その後は、どの試合でも結果を残さなければと思って保守的になり、本来の自分のゴルフができなくなってしまいました」
21年の秋、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテストを受け、最終ステージまで進んだものの、合格を逃した。翌年のオーガスタナショナル女子アマチュアはエントリーを見合わせた。
そんな中、海外のゴルファーが自分なりの道を歩み、自分なりのゴルフをしている姿を見て、「そこに自分の目指すゴルファー像がある」と感じたそうだ。
そして、「今後の自分の人生を見つめたとき、ゴルフだけしかできないのは自分では嫌だと思い、アメリカの大学に行って知見を広めたいと思いました」。
今年の夏からオレゴン大学に入学することが、すでに決まっている。フルスカラーシップを得た梶谷は「4年間でちゃんと卒業することを目指しています。勉学でもゴルフでも、どちらでも成長したい。そして、大学在学中に1回は女子世界アマチュアゴルフランキングで1位を取りたいです。究極のゴールは、メジャーすべてを制覇するグランドスラム達成。そのためにメンタルを強化していきたい」と、腰を据えて歩むことに意欲を見せている。
現在はロサンゼルス郊外でホームステイをしながらゴルフの練習に精を出し、その合間では、大学入学に備えて英語力をアップさせる勉強も続けている。
勢いに任せて突進するのではなく、しっかり先を見据え、自分なりの順路を思い描いた上で進んでいこうとしている梶谷。そんな彼女の歩み方は、すでに今年のオーガスタナショナル女子アマへの挑み方にも反映され始めている。
21年大会で優勝した際にバッグを担いでくれたキャディーは、オーガスタナショナルに所属するハウスキャディーだった。相性抜群だったあのときのキャディーと再び一緒に戦いたいと考えた梶谷は、昨年末に依頼を出し、今年始めに「OK」を取り付けた。
黙々と着々と、できることをすべてやり、準備は万端。その上で、あとは自分次第だと梶谷は考えている。だから、焦らず騒がず、静かに万事を尽くす。そんな梶谷の静かな歩み方が、今、とても気になっている。
第4回オーガスタナショナル女子アマチュアで、彼女はどんなゴルフを見せてくれるのだろうか。そして、梶谷を含めた日本勢10名の行方が、今、とても楽しみだ。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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