国内メジャー制覇後も何も変わらなかった吉田優利の日常 「もっと上を目指したいし涙も出ない」

国内女子ツアーのRKB×三井松島レディスのプロアマ戦が11日に行われ、先週の国内メジャー「ワールドレディスサロンパスカップ」を制した吉田優利が意気込みを語った。

王貞治氏から祝福のメッセージに感激

◆国内女子プロゴルフ<RKB×三井松島レディス 5月12~14日 福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県) 6299ヤード・パー72>

 先週の国内女子ゴルフのメジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」を制した吉田優利の淡々と語るその姿は、どこか大人びていた。

「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」のトロフィーを掲げる吉田優利とコーチの辻村明志氏 写真:Getty Images
「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」のトロフィーを掲げる吉田優利とコーチの辻村明志氏 写真:Getty Images

 国内女子ツアー「RKB×三井松島レディス」のプロアマ戦後に会見した吉田は、メジャー初優勝の反響は大きく「温かいメッセージをたくさんもらって、頑張ってよかったなと思いました。選手やキャディーのみなさんがすごく喜んでくれて、心から祝福してくださる姿に感動しました」と、笑顔を見せる。

 特に驚いたのは、コーチである辻村明志氏とのつながりから、会ってアドバイスをもらったこともあるという世界の本塁打王・王貞治氏からの祝福のメールだった。内容については「内緒です(笑)」と言いつつも、「最後の16、17、18番を褒めていただきました。本当に見ていただけていたのがうれしいし、私が変わるきっかけもつくってくださったので、結果で示せたというか、教えてくれたものを出せた試合でした」と感激していた。

「勝った試合がたまたまメジャーだっただけ」

 ただ、優勝した翌日になれば、すでに過去の出来事。余韻に浸る間もなく、次の試合が始まる。吉田は優勝翌日の月曜日の朝からいつも通り練習を再開していた。

「勝ったからと何も変わらず、いつも通りに朝から練習して、午後は自分の時間に使いました。美容院に行って、そのあとは家で休んでいました(笑)」

 それでも練習には課題を持って取り組んだ。

「先週納得いかなかったところを挙げるなら、自分的には12番のパー5のセカンドショットを刻んだのですが、そのときのスイングが最悪というか、崩れまくって打ったショットでした。それがあったから残り6ホールを立て直すことができた。悪かったところを気づけた点がよかったなと思っています。そういうところをコーチの辻村さんと話して、月曜日の練習に取り入れました」

 メジャー初優勝も吉田にとっては通過点に過ぎない。

「(勝った試合が)たまたまメジャーだったというイメージです。3勝してゴルフが終わるわけでもありませんし、もっと上を目指したい。なので涙も出なかった。勝ってから次をどうするかを考えた日曜日でした」

 今大会も「好きなイメージはあります。優勝争いしながらベストを尽くしたい」と意気込む。23歳にして、これほど淡々と話す選手だっただろうかと思うほど、また一つ大きく成長した印象を受けた。

吉田 優利(よしだ・ゆうり)

2000年4月17日生まれ、千葉県出身。2019年プロ入り。西村優菜、古江彩佳、安田祐香らと同学年の“プラチナ世代”の一人。21年「楽天スーパーレディース」でツアー初優勝を飾り、同年の「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」でも優勝を遂げた。23年ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップで公式戦初制覇。エプソン所属。

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