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- 売り上げ3.7倍! 「ミズノのボール」はなぜ突如評価を上げたのか? 「2028年問題」見据えた独自技術とは
ミズノと聞いて思い浮かぶのはアイアンで、ボールのイメージはほとんどありません。しかし、昨年リリースされた「Mizuno Pro」シリーズのボールを筆者(ゴルフライターの田辺直喜)がコースで試すと、ソフトな打感と風に強い弾道で人気メーカーのツアーボールに匹敵する性能を持っていると感じました。実際、ミズノ国内公式ECサイトにおける「Mizuno Pro」シリーズ発売前後を比較すると、ボールの売上個数が366%に増加した(※ミズノ調べ)そうです。そこで今回は「Mizuno Pro」ボールの開発担当者に話を聞きました。
独自のディンプル設計で飛び強化
ボールが人気のメーカーといえば、タイトリストやブリヂストン、ダンロップなどを思い浮かべる人が多いでしょう。おそらくミズノをイメージする人は少ないはずです。
しかし近年、ミズノはボール開発にも力を入れており、2025年にリリースした「Mizuno Pro S」と「Mizuno Pro X」はミズノのフラッグシップモデルとして人気となっています。
かくいう筆者(ゴルフライターの田辺直喜)も、コースで試したことがありますが、飛距離性能は人気メーカーのものとほぼ同等、打感に関しては市場にある中でトップクラスにソフトだと感じました。
実際、ミズノ国内公式ECサイトにおける「Mizuno Pro」シリーズ発売前の3カ月と発売後の3カ月を比較すると、ボールの売上個数が366%に増加した(※ミズノ調べ)そうです。
ミズノのボールにはどんな良さがあるのでしょうか。今回はミズノでボール開発を担当する二宮徳数さんに話を聞きました。

筆者が感じた飛距離性能について、二宮さんは「ディンプル」の進化を挙げます。「Mizuno Pro」ボール最大の特徴だそうです。
「ボールとして大きく変わった点は、新開発の『アクシアルフロー332ディンプル』です。従来モデルよりも飛行中、ボールにかかる揚力と抗力を最適化することに成功しました」
「簡単に言えば、ディンプルの効果でボールが上がりやすくなり、同時に風から受ける影響を減らすことで飛距離が伸びたのです」(二宮さん)
ディンプルとは、ボールの表面に無数に点在するくぼみを指しています。実はボールの表面が平らな状態だと、飛行中に空気抵抗を直接受けてしまい、飛距離が出ないばかりか、予期せぬ曲がりも出てしまいます。ディンプルがあることでボールにかかる空気の流れが整い、抗力を抑えて、遠くまで正確に飛ばせるようになります。
「ボール開発において、ディンプルの数や形状はとても重要なポイントです。どうすればより強い効果を発揮するのか、研究し続ける中で発見したのが、ディンプルの最深部をズラすことでした」
「『Mizuno Pro』ボールの『アクシアルフロー332ディンプル』は片側のエッジの角度を大きくした楕円(だえん)に近い形のディンプルを採用していて、内部で乱流を起こして空気を保持することで、飛行中の抗力を減らすことに成功しました」(二宮さん)
ソフトな打感とアプローチスピンも魅力
筆者が非常にソフトと感じた打感も、ミズノがボール開発でこだわっているポイントのようです。
「今回、新しい発想のディンプルで性能を高めることができました。ただ新しい要素を取り入れただけでなく、材料の硬さやバランスを地道に調整して、打感などのフィーリングにも強くこだわってきました」
「やわらかいウレタン素材を使い、他社製品よりもカバーを厚めに作ることでソフトな打感を実現しています。ミズノのアイアンのように打感を気に入っていただけるボールに仕上がっています」(二宮さん)

どれだけ性能が良くても、打感が硬かったり、違和感があったりするものでは、ゴルファーに選ばれません。ある意味では飛距離やスピン性能と同じか、それ以上に大切なポイントだといえるでしょう。
「人気のあるメーカーのボールは総合的に高い性能を持っていることは間違いありません。しかし、『Mizuno Pro』のボールも遜色ないレベルに仕上がっていますし、条件によっては飛距離やスピン量で勝る可能性もあります」(二宮さん)
なお、ゴルフのボールは、2028年に飛距離性能を規制する新ルールが施行される予定となっています。ボールの分野では後発となるミズノにとっては、シェアを増やす大きな転換点になります。
「2028年に向けて、新ルールに適合したボールの先行開発を進めています。プロも含め、使用するボールを変更していただくのは非常に困難なことですが、ルールが変わるタイミングは、自分たちのボールを見てもらえるチャンスだと捉えています。そこに向けて、革新的なテクノロジーを提示できるように開発を進めていきます」(二宮さん)
ゴルフボールの性能を高めるには地道な開発が必要となります。そして性能を高めたとしても、フィーリングが悪ければゴルファーに選んでもらえません。ミズノらしい打感をキープしながら、ディンプルの形状で性能を高めた「Mizuno Pro」のボールは、ゴルファーにとって一つの選択肢となるかもしれません。
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